浜の真砂は尽きるとも

　なくならないのが詐欺事件。今回のＬ＆Ｇというか円天というかは、話を聞けば聞くほど典型的なマルチなのに引っかかる人がいるんですね。逮捕前はマスコミに対して「あんまり騒いで逮捕されてしまうと出資金が戻ってこなくなるから、まだしばらくはそっとしておいて」と懇願する人もいたのだとか。

　この期に及んでも騙されてたと気づいてないようですが、そこまで信じ込ませるのは大したものかというとそうではなく、マルチの仕組みに気づいてない人がそれだけいるってことでしょう。

　初期の会員は高額の配当を受け取っていたようですが、そりゃ会員がどんどん増えていくうちは出せるでしょう。だからといって「お金貰ってたんだから詐欺じゃない」と信じるのはおかしいと。全員が配当貰って出資金も返してもらえるっていうんなら信じますが。

　それにしても本人が詐欺ではないと言い張ってるところに腹が立ちます。おまけに本人が７５歳だと裁判が長引けば刑が確定する前に死んじゃうかもしれないし、そうなったら畳の上で「いや～、いっぱい儲けて楽しかったなぁ。」とあれこれ反芻しながらあの世へ行けるわけです。

　巨額詐欺事件というと豊田商事の永野会長の事件が印象的ですが、悪党がみんなああいう目に遭うわけではなし、７５歳で捕まったとして反省して人生やり直せるかというとそうでもなし。騙しとった金を被害者に返せって言っても「もうみんなでうまいもん食べちゃったも～ん。１円も持ってないも～ん。」とか言われたら、怒りのやり場はどこへ持っていけばいいのでしょう。

　どうも詐欺事件というと「やったもん勝ち」という気がして仕方ないのでした。とにかく被害に遭わないようにみんな賢くならないと。