途中下車してときどき嵐

ブログ人から引っ越してきました。

「家門の栄光」感想

2012年09月11日 09時56分07秒 | 韓国ドラマ感想

このドラマ、ひとことで言うと、「とても上質なドラマ」だったなぁ~と。

出逢って良かったな、と。

GyaO!での配信が始まった時、「家門」って、「栄光」って、字面を見ただけで硬そう、ちょっと威張ってそうって思ってしまって、普通なら観なかったと思うんだけど、ちょうど暇だったのね、その頃。

どうせ、すぐに挫折するんだろうけれど・・・と観始めて・・・しょっぱなのお葬式場面に見入ってしまった。

宗家の古くからの伝統に基づいた葬式の一連の行事。

普通では見られない珍しい行事だからと言いながらダナの仲間の教授たちが参列していたけれど、まさに私も同じような気持で、民俗学のお勉強みたいな気持ちになって観ていた。

私は古いしきたりの残る田舎で育ったので、子供の時に体験した葬式の様子とそれがどことなく似ていて興味深かった。

まぁ、そんなことで入り込んでしまったけれど、長いドラマ、いつ挫折するんだろうと思いながら観ていた。

が、です。

このドラマ、群像劇でもあるのね。

ハ家やイ家の人びと1人1人の生き方や恋愛模様が丁寧に描かれるの。

その1人1人の物語がそれぞれに興味深くて、そしてそれぞれが魅力ある人たちで退屈しないの。

それからこのドラマに出てくる女性たち、最初は平凡だったりそんなに目立たない人たちなんだけど、恋が始まった時からみんな輝きだすの。

えっ!?この人こんなに綺麗だった!?みたいな。

特に長男スヨンと結婚するジナ。

最初の幸薄い女の子から、愛されて輝くばかりの美しさに変わり、そして結婚して宗婦 (宗家の家長の妻)となった時、威厳と慈愛に満ちた顔になるのが印象的だった。

興味深かったのはもう1人の宗婦のヨンイン。

仕事人間で家事もできない人がどうなるの?と思っていたけれど・・・

「家」をどんどん変えていくの。

男たちに家事をさせたりとか。

でも、家族のことを思いやる毅然とした良い宗婦でもあるのね。

このドラマ、物語として興味深かったのは家門だの宗家だのと韓国の伝統のようなものを描いている反面、先進的な考え方を何事も無かったのごとく描いている点。

ハ家の人たちの結婚、今まで観てきた韓国ドラマでは絶対に大もめにもめるような相手(男性経験が多かったり孤児だったり貧しい家柄だったり)との結婚ばかりだったのに、わりとすんなり、家長の権限でOK。

最後の方なんて、ヨンインが会社に復帰するために家長であるマンギが孫の面倒を看るって・・・オムツを替えているし、イ家ではダナが仕事をするからと夫であるガンソクに育児休暇を取るように言っているし。

今まで韓国ドラマを観て感じていた韓国の封建的な思想からすると画期的とも言える。

それからハ家の人びと穏やかな人柄、特に家長のマンギの人柄は出来過ぎ。

こんな韓国ドラマは初めて。

今まで抱いていた韓国人のイメージはかなり過激で感情的。

もちろん色々な人がいるというのは理解しているが、今まで観たドラマでの印象がそうだったので・・・

このドラマの描き方と登場人物のキャラをみて、正直、韓国にこういう思想の人もいたのか?とまで思ってしまった。

制作側にかなり興味を持った。

最後にこのドラマに出ていた2人のベテラン俳優さん。

1人は家長マンギ役のシン・グ。

「ありがとうございます」のおじいちゃん。

そしてもう1人はハ家の家政婦役のキム・ヨンオク。

「コーヒープリンス1号店」のハンギョルのおばあちゃんとか「花男」の女中頭タマさん。

私が2人の出たドラマを観たのはまだ少ないけれど、すごく印象に残る良い俳優さんだから、これからも長生きしてもっといろいろな作品に出て欲しいな。

このドラマ、硬そうなイメージと54話という長さをクリアしたら、「良い作品だった」ときっと言えると思うわ。

【追記】

このドラマ、最後まで観てしまえば、その不思議なことの説明がなされるので、それを自然に受け止めてしまって、書くのを忘れていたけれど・・・

このドラマを観はじめると、みなさん最初にえっ?この登場人物達の年齢っていったい幾つだろう?と不思議に思うとおもうの。

調べるとだいたいの年齢は分るんだけど・・・分っても年齢に関しての違和感は消えないと思うの。

まぁ、最後にはそれが何でなのかちゃんとわかるから、頑張って観てね。

韓国ドラマ感想まとめリスト
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする