constructive monologue

エゴイストの言説遊戯

ブラウンの退場

2010年10月03日 | hrat
巨人と阪神の2位争いを別にすれば、2010年のペナントレースが終わり、クライマックスシリーズ進出を逃した下位球団は来季に向けて動き始めている。そんななか、混戦状態のパリーグにあってダントツの最下位に終わったことを理由にブラウン監督の解任に踏み切った楽天。

監督の采配に対する疑問や観客数の減少など解任に至る理由は個別に見れば説得力のあるものだといえるが、マスコミの注目の高い野村体制に終止符を打ったこと、そしてブラウンの広島監督時代の実績などを見れば、成績や観客動員の低下はある程度の織り込み済みであったと思われる。しかし戦力の均衡が顕著なパリーグにあって一度も優勝およびCS争いに加われないという事態はさすがに想定外であっただろう。たしかに得点力不足の一因はリンデンとフィリップスの外国人選手がまったく機能しなかったことにあるだろうし、またリリーフ陣についてもモリーヨや福盛が期待はずれに終わるなどいくつかの「誤算」もあった。とはいえ、リリーフ陣の確立は球団創設時以来の懸案事項であるし、打線についても両外国人が不可欠な存在というわけでもないことを考えると、やはり采配や選手起用といったブラウンの手腕に低迷の原因を求めざるをえない。

またブラウンの解任は、日本球界における外国人監督の招聘ブームが一巡したことを示唆している。つまりロッテのバレンタインや日本ハムのヒルマンの成功によって外国人監督の手腕に対する評価が高まり、広島やオリックスが追随する形でコリンズやブラウンにチームの再建を託したわけであるが、周知のとおり満足のいく結果を残すことができずに終わった。その意味で今回のブラウン解任は外国人監督ブームに終止符を打つ出来事であったと見ることもできる。

さて後任監督をめぐっては、星野仙一、桑田真澄、東尾修、リー、佐藤義則、仁村徹が候補に挙がっている。スポーツ紙の報道では星野の就任が確実視されているようだが、米田球団代表が言う「優勝を狙えるチーム」へと導くことができるか微妙なところである。何よりもポスティング制度による大リーグ移籍が確定的な岩隈の抜ける穴をどのように埋めるのかという問題がある。戦力均衡の進むパリーグであっても、優勝を狙うには、勝ち星の計算できる先発が二枚揃っていることが必須であることは今季の状況を見ても明らかである(杉内と和田、涌井と岸)。とくにエースが抜けることによって、これまで以上に田中と永井にかかる負担が大きくなり、それがどのような影響を及ぼすのか未知数である。言い換えればブラウン以上に戦力的に厳しい状態でチームを引き継ぐわけで、それこそ監督の手腕が問われるだろう。
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