ぼくのほんだな

フワフワしたノリやすい僕が本を中心にスキな話題だけを勝手気ままにお届けします。

ぼくのほんだな 149・・「ピサネロ装飾論」 杉本秀太郎

2010年03月13日 | 美術・工芸
ピサネロ?あまり聞かないよね。そして絵もあまり見ないでしょ? じゃあぜひ見とこうよ。と言ってもピサネロにはいい絵が沢山あるので今回はぼくたち仲間の天使ガブリエルだけにするね。
ピサネロは『15世紀前半のイタリアで活躍した画家で数多くの作品ミニアチュール風の細密描写にすぐれ,特に背景などに好んで用いた動植物の描写に迫真性がある』んだって。絵を見ればうなずけるよ。で そのピサネロが描いた天使ガブリエルが何処にいるかと言えば「聖告」(〈受胎告知〉とも)という絵の左半分のところ。右に処女マリアがいて左に天使ガブリエル。「受胎告知」といえばレオナルド・ダ・ヴィンチやフラ・アンジェリコがとても有名だけど だけどだけどワタクシはピサネロの天使ガブリエルがいいのです。してそれは何故?と問われれば、



ピサネロ「聖告」左半分(1424-1426年)サン・フェルモ教会堂

ダ・ヴィンチの天使ガブリエルはキリッとした目つきがチョッとおっかない。むしろ見つめられてアリヤという表情をしているマリヤがいい。



レオナルド・ダ・ヴィンチ「受胎告知」 (1472-1473年頃) ウフィツィ美術館

そしてフラ・アンジェリコの天使ガブリエルは何とも清楚で美しく軽やかでいい。澄み切っていて 少し話しかけ難いかな?



フラ・アンジェリコ「「受胎告知」 (1437-1446年頃) サン・マルコ美術館

ピサネロのガブリエルはドラマティックだ。キリストの懐胎を告げられたときのマリアの受けた衝撃や心の畏れを共有しようとするかの様にジッとうつむく緊張感を漂わせた天使ガブリエルの姿に見ているこちらは何かグッときてしまう。コレは単なる門外漢の勝手な思い込みかも?その描写は精緻で重厚で存在感があるよなあ。そこが又いい。でもひとつ心配なんだけど・・・・ このスタイルで天空を翔べるのかしら?

大アップ!



「聖告」 の天使ガブリエル (部分)

ピサネロについての本は少ないよ。少な過ぎ!



「ピサネロ装飾論」 (白水社アートコレクション) 杉本秀太郎
東幸見/装幀 1986 定価1,400円 白水社
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