ぼくのほんだな

フワフワしたノリやすい僕が本を中心にスキな話題だけを勝手気ままにお届けします。

ぼくのほんだな 200・・「百句燦燦」塚本邦雄×杉浦康平

2014年09月16日 | 詩歌・俳句
ぼくがものすごく美しいなとおもう本の一冊がコレ。 「百句燦燦」。
この本は塚本邦雄と杉浦康平というすばらしいふたつのマグマが激しくぶつかり溶けあいながら散らした火花の輝き! そして必殺触媒人・田代忠之(講談社)によって僕たちに贈られた鮮やかな結晶体です。
その出来栄えは、塚本邦雄は言うに及ばず、ブックデザインの杉浦康平が抜群! 革新的な杉浦康平の多くの仕事の中でもとりわけ「季刊銀花」のデザインにも通ずるような色気でもって、この本づくりに堂々見参、 さあどうだ、こっち向いてドッカン、って感じです。 それだけに優美さだけでない仕上がりのこの存在感には 驚き!政田岑生にも負けてませんぜ。 と、思います。
手にとって読みすすむ時の充実感は格別です。 たまりません!いい仕事してますね。 さすがです。
では、中身のほうはどんなのかコンパクトにまとめてみました。 僕じゃないけど。 (分かってますとも。)

ありうべき最高の美学は虚無―生涯徹底した反リアリズム、芸術至上の立場を貫いた塚本邦雄。藤原定家等中世の歌人を理想とする塚本にとり俳諧は、近世という暗黒時代に咲く「異次元の巨花」であった。
その輝かしい裔である現代俳人、石田波郷、西東三鬼、下村槐太、寺山修司、飯田蛇笏等、六九人の秀句一〇〇を選び斬新かつ創造的評釈を展開。稀代のアンソロジストによって招喚された現代俳諧頌。

なんだか漢字が多いけど、だいじょうぶだった? ボクはだいじょうぶじゃなかった。 ま、ザッとこんなとこです。

で、そのお姿は・・


函/表・裏 (文字が美しい。)        


表紙/表・裏 (お星燦燦!)

 
見返し (表紙とも図が魅力的。)/扉

*表紙及び見返し 澁川春海作・天球儀(部分)及び天文分野之図(部分)
-伊勢・神宮徴古館蔵-による

「百句燦燦」 塚本邦雄 杉浦康平/ブックデザイン 1974 定価3,600円 講談社

選ばれた百句にはこんな句もあります。

  眼に古典紺紺とふる牡丹雪   富澤赤黄男

赤黄男の句集は『天の狼』一巻に盡きる。『天の狼』に新興俳句臭はない。あるのは新しい俳句の香りであり、その香りを満たした俳句なる詩型の輝きであらう。― 塚本邦雄

「新しい俳句の香り」ってスイーツの香りもするのかなぁ・・・。

  雄蘂相逢ふいましスパルタのばら   加藤郁乎

僕はこの句なんかいいなと思う。 何となく、な・ん・と・な・く・ね。

コンパクトな文庫版も出ています。



「百句燦燦 現代俳諧頌」(講談社文芸文庫) 塚本邦雄 菊池信義/デザイン 2008 定価1,404円(本体1,300円) 講談社

ぜひ、貴方の1句を見つけてください。
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