徒然なるままに、一旅客の戯言(たわごと)
*** reminiscences ***
PAXのひとりごと
since 17 JAN 2005


(since 17 AUG 2005)

個人の危機管理がますます要求される時代

 最近やたらと「ウイルスに感染+Winny」による情報流出がニュースになりますね。

この類の情報流出の厄介なところは、
1)その情報を手にしたであろう人を特定できないこと
2)二次流出はインターネットを経由するとは限らず、電子データで二次流出するとも限らないこと
3)流出した情報の詳細について、その内容を明らかにした対策がとりにくいこと
等があげられると思います。

小生の知り合いも、とある情報流出の被害に合い、Eメールで“お詫び”が来たそうです。

“お詫び”を平気で Plain Text のEメールで送りつけるあたりが、また無神経であるのですが....。

今回の流出データは、“空港”という比較的高レベルの保安体勢が常時とられているところのデータであり、ある意味では(流出したことに対する)対応策はとり易い部類になるでしょう。

流失したことで余計な心配を強いられたり、プレッシャーを感じなければならない現場は、それは『やってくれちゃったよなぁ~』でしょうが、それで、保安体勢が強化された、危機意識が高まったとも言えるのですから、個人攻撃は止めましょうね。

それより、同様の事態を再発しないよう、個々人が危機管理をしっかりすることが大切です。

昨今流出したデータには、考えようによっては極めて危険で犯罪に繋がりかねない類のものも多いようです。

第三者の対策を当てにしていると、思わぬ被害が自分に降りかかってくるかもしれません。

これから訪れるであろう春の陽気のように、のほほんと平和ボケ(我が国は国家そのものが平和ボケしてますから)していると、とんだ被害に遭うかもしれません。

他人に疑念を持ったり、疑っったりというのは決して気持ちの良いものではありませんが、ある程度は“個人レベルの危機管理”として、己を守る対応を常日頃から心がけなければなりません。

そんな世の中になってしまいました。

引用記事のうち、某社さんのそれは流出したデータがどのようなものか(それによって何が可能なのか)を少しだけ具体性を持たせて書いていますが、
 『航空機には搭乗券がないと乗り込めないという』
の件は滑稽ですな。


29空港の暗証番号が流出 全日空機長のパソコンから (共同通信) - goo ニュース
 全日空は15日、機長(54)の自宅パソコンからファイル交換ソフトのウィニーを通じ、国内29空港の職員用通路などの暗証番号がインターネット上に流出していたことを明らかにした。

全日空は昨年11月、国土交通省から流出を知らされ暗証番号を変更するなどの対策を取ったが、保安上の観点から公表していなかった。29空港は、羽田、成田、中部、関西など。

全日空によると、11月8日にネット上への流出を確認。社内調査を行い流出経路を特定した後、同月11日までに暗証番号の変更などの対応を終えた。社員には自宅パソコンで重要情報の保管やウィニーの利用をしないよう再徹底し、機長は社内規定に違反したとして厳重注意処分にしたという。

2006年 3月15日 (水) 11:55
全日空機長、空港パスワード流出 ウィニー介し (朝日新聞) - goo ニュース
 全日空は15日、大阪乗員部所属の国内線機長(54)が、国内29空港の保安情報をインターネット上に流出させたことを明らかにした。機長の自宅の私有パソコンが、ウイルスに感染したことが原因で、流出情報を悪用すれば、17空港の保安区域に部外者が立ち入ることが可能だった。全日空は発覚した昨年11月に国土交通省に報告したが、「保安上の観点」を理由に公表を差し控えていた。

 流出したのは、羽田や中部国際、関西、福岡、新千歳など各空港のデータ。各空港の全日空事務所や搭乗口に至る空港施設の電子キーを解除したり、出発ロビーと到着ロビーを行き来する専用エレベーターに乗り込んだりする際に必要なパスワードなどが含まれている。いずれも一般の立ち入りは禁止されている区域だが、航空機には搭乗券がないと乗り込めないという。

 機長はこれらのデータを自宅の私有パソコンに保管していたが、ネット上で不特定多数とデータを交換するソフト「Winny(ウィニー)」がウイルスに感染したために流出したとみられる。

 昨年11月に国土交通省からの連絡で気づき、各空港に通知してパスワードを変更したため、保安上の問題はなかったという。全日空は社内規定で保安情報の持ち出しを禁じており、機長を厳重注意処分にした。

 パスワードは昨年7月時点のデータ。定期的に変更するため、12空港は流出時点で、すでに変更されていた。

 昨年12月には、日本航空の副操縦士がパソコンのウイルス感染が原因で、空港の保安データをネット上に流出させたことが判明している。

2006年 3月15日 (水) 12:19
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「耐空証明」の観点から

 スカイマーク機の事例を題材にして、「耐空証明」についてまとめてみました。(読みかえしてみると、力及ばず全然まとまっていないのですが....)。

「耐空証明」については航空法第三章航空機の安全性(第10条~21条)に定められています。

航空法11条1項には;

航空機は有効な耐空証明を受けているものでなければ、航空の用に供してはならない。

とあります。

つまり、当該機体をスカイマークエアラインズが運航するためには、この「耐空証明」を取得する必要があります。

引用記事中に、
 “引き渡しを受ける前の同年6月、ブルネイの航空会社が台湾の整備会社に持ち込んだ”
とありますが、これは日本国の航空法を満たす「耐空証明」を取得するためでもあった筈です。

耐空証明申請に必要な「耐空証明申請書」等に関しては、航空法施行規則12条の2に定められており、申請先は、
 『国土交通大臣又は耐空検査員に提出しなければならない』
となっています。

台湾の整備会社での委託整備の結果、不具合が見つかったので暫定修理を行い、当該機体を「耐空証明」を取得できる状況にして、スカイマークエアラインズは「耐空証明申請書」を提出したのでしょう。

記事の内容からは、2004年11月頃だったようです。

当該機は“Boeing737-300ER :既にある型式”の航空機に分類されますので、航空法施行規則240条の1に該当し、耐空証明を行う機関は
 『地方航空局長(航空機検査官)に委任』
となっています。

当該機は2004年12月からライン就航してますので、その段階で申請者であるスカイマークエアラインズには「耐空証明書」が交付され、当該機体は「耐空証明」を受けたことになります。

この「耐空証明」の有効期間ですが、航空法14条に;

耐空証明の有効期間は、1年とする。
但し、航空運送事業の用に供する航空機については、国土交通大臣が定める期間とする。

と定められています。

当該機は“航空運送事業の用に供する航空機については、国土交通大臣が定める期間”が適用される訳ですが、それでは“国土交通大臣が定める期間”とは?となります。

それは、
 国土交通大臣の認可を受けた整備規程に基づいて整備を実施している間
です。

ここまでまとめてくると、

1.耐空証明を行う機関
2.大臣の認可を受けた整備規程

が重要なポイントになっていることがわかります。

1については、航空法10条6項に;

第4項の規定にかかわらず、国土交通大臣は、前項の航空機のうち次に掲げるものについては、現状についても検査の一部を行わないことができる。
 一 前項第一号に掲げる航空機のうち、第20条第1項第二号の能力について同項の認定を受けた者が、当該認定に係る製造及び完成後の検査をし、かつ、国土交通省令で定めるところにより、第4項の基準に適合することを確認した航空機
 二 前項第一号に掲げる航空機のうち、政令で定める輸入した航空機
 三 前項第三号に掲げる航空機のうち、第20条第1項第三号の能力について同項の認定を受けた者が、当該認定に係る整備及び整備後の検査をし、かつ、国土交通省令で定めるところにより、第四項の基準に適合することを確認した航空機

の記載があり、事業場の認定を受けた者が検査することにより、耐空検査を一部省略することができるようになっています。

2については、航空法104条の;

定期航空運送事業者は、国土交通省令で定める航空機の運航及び整備に関する事項について運航規程及び整備規程を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。それを変更しようとするときも同様である。

に当てはまり、より具体的には、航空法施行規則240の2「整備規定」で以下の内容が規定されています。

イ 航空機の整備に従事する者の職務
ロ 整備基地の配置並びに整備基地の設備及び器具
ハ 機体及び装備品等の整備の方式
ニ 機体及び装備品等の整備の実施方法
ホ 装備品等の限界使用時間
ヘ 整備の記録の作成及び保管の方法
ト 装備品等が正常でない場合における航空機の運用許容基準
チ 整備に従事する者の訓練の方法
リ 航空機の整備に係る業務の委託の方法(航空機の整備に係る業務を委託する場合に限る。)

さて、どんどんとややこしくなってくるのですが、1を追い込んでゆくと、

“事業場の認定を受けた者が検査することにより、耐空検査を一部省略することができる”

という部分が重要なようです。

この背景には、平成8年の改正により、耐空証明において認定事業場制度が導入されたことがあります。

これにより、認定事業場(製造、整備、改造、検査等に関し十分な能力を有する製造者等)が航空法10条4項の基準に適合することを確認した航空機については、現状について検査の一部を行わないことができることが可能となったのです。

この改正は平成9年度から施行され、今日ではこの「認定事業場制度」が導入されています。

それまでは、国(国土交通省本省や地方航空局)が行わなければならなかった航空運送事業者及び航空機使用事業者を対象にした耐空証明審査は、この「認定事業場制度」により、航空運送事業者自身で行うことが可能となり、国はその“認定”だけを行う、でもよしとなったのです。

さらに、「耐空証明」の有効期間は、航空運送事業の用に供する航空機については、
 “国土交通大臣の認可を受けた整備規程に基づいて整備を実施している間”
ですから、規程に基づいた整備を実施していれば「耐空証明」はずっと維持されます。

もうあれこれとパニック状態ですが、これらのことを勘案するに、

「耐空証明」を取得・維持については;

a)導入時の新規検査.......大型の輸入航空機の検査は「認定事業場制度」により、航空運送事業者自身が行うことが出来る。

b)更新検査.......輸入航空機を導入する航空運送事業者においては、認可を受けた整備規程に基づく整備を行っている間は耐空証明が有効であるから、国の更新検査を受検する必要がない。

ということです。

つまり、国(国土交通省本省や地方航空局)の技術担当者が、実機を審査して「耐空証明」審査を実施する必要性は無い、と。

当局は航空運送事業者から提出された書類を審査するのみで、一度その審査に合格となれば、航空機の安全性を担保する「耐空証明」は、航空会社自らのモラールに委ねられているのです。

勿論、航空法14条2(整備改造命令、耐空証明の効力の停止等)で、

 国土交通大臣は、耐空証明のある航空機が第10条第4項の基準に適合せず、又は前条の期間を経過する前に同項の基準に適合しなくなるおそれがあると認めるときは、当該航空機の使用者に対し、同項の基準に適合させるため、又は同項の基準に適合しなくなるおそれをなくするために必要な整備、改造その他の措置をとるべきことを命ずることができる。
2 国土交通大臣は、第10条第4項、第16条第1項又は第134条第2項の検査の結果、当該航空機又は当該型式の航空機が第10条第4項の基準に適合せず、又は前条の期間を経過する前に同項の基準に適合しなくなるおそれがあると認めるとき、その他航空機の安全性が確保されないと認めるときは、当該航空機又は当該型式の航空機の耐空証明の効力を停止し、若しくは有効期間を短縮し、又は第10条第3項(第10条の2第2項において準用する場合を含む。)の規定により指定した事項を変更することができる。

として防護策は講じてあるのですが。

こうして書いてくると、整備規程に基づいて整備を実施することの重要性 が如何に重要なことであるか、再認識しました。

と同時に、何か事が起ってから監督官庁が出てきて“整備体制に問題があったとみて、同社から事情を聞いている”という体勢で大丈夫なのか、との疑問も持ちました。

「規制緩和」=「安全の切捨て」となっては本末転倒ではないでしょうか。


機体にくぼみ、修理指示気づかず運航…スカイマーク (読売新聞) - goo ニュース
スカイマークエアラインズが運航する旅客機で、製造会社から修理するよう指示が出ていたのに気づかず、羽田―福岡、徳島などの路線で修理期限後も約9か月間にわたって使用を続けていたことが、13日わかった。

 国土交通省では同社の整備体制に問題があったとみて、同社から事情を聞いている。

 国交省によると、問題が見つかったのは、スカイ社がブルネイの航空会社からリース契約で取得、2004年12月から運航しているボーイング767―300ER型機。引き渡しを受ける前の同年6月、ブルネイの航空会社が台湾の整備会社に持ち込んだ際、機体右側前部の客室ドア付近に長さ6センチ、幅1・5センチ、深さ約1ミリのくぼみがみつかった。

 台湾の整備会社では、ボーイング社の指示を受け、不具合個所に簡単な補強板をつける暫定修理を行ったが、ボーイング社は修理から1年以内に、さらに補強板を追加する恒久修理を指示。機体は同年11月にスカイ社に引き渡されていた。

 スカイ社の整備担当者が、書類にあったボーイング社の指示を十分理解しておらず、今月9日になって気づいたという。

2006年 3月13日 (月) 20:55


追記:19時35分

定期航空運送事業者は、国土交通省令で定める航空機の運航及び整備に関する事項について運航規程及び整備規程を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。それを変更しようとするときも同様である。

ということを念頭において、以下の引用記事を読むと、運航規程、整備規程、所謂OMの重み航空会社がそれらを厳守する責務 がわかるかと思います。

と同時に、どのくらいの頻度なのか、厳格なのか、抜打ち的なのかは不明なれど、当局も一応「立ち入り検査」はやっているのだな、と。


スカイマーク、整備責任者足りず 1人で2機点検 (朝日新聞) - goo ニュース
 スカイマークエアラインズ(SKY)が、出発前の航空機を空港で点検する整備士を計画通りに配置しなかったことが相次ぎ、国土交通省から厳重注意処分を受けていたことが分かった。整備士の退職が相次いだことが主原因で、国交省は「安全管理が不十分だ」と判断した。SKYはその後、整備士の配置や採用を見直し、改善したという。

 同省などによると、航空各社は、出発前の航空機1機につき、確認整備士などと呼ばれる整備責任者を1人ずつ配置し、不具合がないかを点検している。確認整備士は、通常、国家資格の1等航空整備士や同航空運航整備士の資格を持ち、一定程度の経験年数のある整備士を社内で審査して任命している。

 昨年、国交省がSKYを立ち入り検査した際、羽田空港の発着便で確認整備士が足りず、隣り合って駐機した2機の機体を、確認整備士が1人で点検したケースが少なくとも9回確認された。確認不足などの問題はなかったが、SKYが国交省に提出した整備に関する規定に反していた。

 また、SKYから報告がなく、立ち入り検査で見つかったことを国交省は重視。SKYの整備部門の責任者に対し、「このままでは安全管理が不十分になる。整備士の配置や管理を徹底する必要がある」として、文書で厳重注意した。

 SKYは国交省に対し、「整備士が予想以上に退職し、補充が追いつかなかった」などと原因を説明し、再発防止策を提出した。

2006年 3月14日 (火) 16:19
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厳重注意や叱責で安全は確保できるのか

 修理すべきところを放置したまま運航に供していたことは事実ですし、厳粛に受け止める必要があると思います。が、あたかも“鬼の首をとった”かのごとく騒いで、いたずらに不安を煽るのは如何なものでしょうか。

結局のところ、「他人任せ」「他力本願」では安全は確立されないということです。
そんなことは、現場のプロの方々は十分に承知しています。
過去の米国での航空規制緩和の後、どのようになったか、歴史を学んでいますからね。

マスコミも(当ブログも含まれますね)、あるインシデントが発覚すると、事の重要性など度外視して一斉に集中砲火を浴びせるだけでは、何の問題解決にもなりません。
まして“やまぬ航空トラブル”などと、業界全体の安全性をたった一件あるいは数件の事例を引き合いに出して叩いたところで、それはいたずらに利用者の不安を煽るだけです。
(今回はそのような叩き方がお上手な記事を引用させていただきました)

マスコミで騒がれて、さも大事(おおごと) - 決して見過ごして良いものではありませんが - のように受け取られるので、国交省も放置しておくことも出来ず、厳重注意とか立ち入り検査、業務改善命令などの措置をとることになります。

ポイントは、毎度毎度、国交省が後手後手に回ってつけ刃的な表面上の行動しかとっていないところにあります。

“規制緩和”の名のもとに、新規参入を認めたり、諸規則を改定しているのは行政側なのです。

安全性について十分な議論をせずに勝手に法改正を行っておきながら、そのことに対するモニタリングを怠っている、あるいはそれは許認可を与えた航空会社に一任している。
つまり「監督官庁」として、自ら積極的な行動を日常的には何らとっていないのです。

そのくせ、何かトラブルが発生すると「我々が監督官庁である」とばかりに威厳を笠に着てお出ましになるのは少々おかしくありませんか。

今回は、スカイマークの整備士としての自負を有し、安全運航のためにプロとして最善を尽くすことを欠かさない、モラールある一メカニックさんの行動がきっかけで、このようなことが発覚しました。

これは非常にラッキーだったと言えましょう。

と同時に、本邦を含め、世界中で同様の問題を抱えている機体が皆無であるのか、非常に疑わしいところでもあります。

大切なことは、同じ事例を二度と繰り返さないこと。

その為には、何をしなければならないかを、行政・経営が真剣になって考えることでしょう。


スカイマークに厳重注意へ 国交省、近く立ち入り検査 (朝日新聞) - goo ニュース
 スカイマークエアラインズ(SKY)が航空機の抜本的な修理を放置して9カ月間飛行させていた問題で、国土交通省は14日午後、SKYの幹部を呼び、厳重注意文書を出すことを決めた。

 北側国交相は同日、閣議後の記者会見で、「修理を放置していたことは極めて遺憾だ」と語り、SKYに同様の問題事例がないか調査を指示するとともに、再発防止策の策定を求める考えを示した。また、「近くSKYに立ち入り検査を行い、機体整備の実施状況を監視していく」と語った。

 さらに、北側国交相は、整備士を中心に、SKYでベテラン社員の退職が続いていることにも触れ、「ベテランが現場からいなくなり、大手に比べて整備部門で余裕がないことには強い関心を持っている。4月には新千歳(札幌)路線も開設するため、整備レベルが維持されているか、しっかり見ていきたい」と語った。

2006年 3月14日 (火) 10:31

「問題ない」と運航継続 SKY機亀裂、指示届かず (朝日新聞) - goo ニュース
 空のミスが止まらない。スカイマークエアラインズ(SKY)で、亀裂を放置したまま旅客機を飛ばしていたミスが明るみに出た。日本航空のトラブル続発問題に続く国内航空会社のミス発覚。安全管理がきちんと行われているのか、利用者からは怒りや不安の声が上がった。

 SKYによると、04年11月に機体がブルネイ航空から引き渡された際、「12カ月以内にボーイング社がチェックした結果を送ります。問題がなければ送らない」という内容は伝えられた。しかし、ボーイングから何も連絡がなかったので「問題ない」と判断して運航を続けていたという。

 先週、社内の整備士がこの問題がどうなったかを話題にした。ボーイングに問い合わせると、抜本的な対応が必要なことが判明した。

 抜本的対策が必要とする指示の書類は「ブルネイ航空と整備会社には届いていたが、うちには届いていなかった」とSKYは説明している。しかし、国土交通省は、ボーイングから後日指示があるというのは思い込みで、間違いだとみている。

 これを受けて、SKYは当該機の運航を9日から中止し、日本航空に持ち込み、超音波検査をした。その結果、へこみの部分に亀裂が見つかった。傷は浅く、機体の内部までは割れていないという。

 SKYの有森正和企画経営室長は「運休によってお客さまにご迷惑をおかけしたことはおわびします」と話している。

 ■やまぬ航空トラブル

 スカイマーク(SKY)は、大手の日本航空(JAL)や全日空(ANA)に比べて安めの運賃設定が利用者に支持されている。そこへ「安全軽視」と受け取られかねない修理のミスが起きた。

 SKYではこの1年に整備士十数人が同社を辞めたという。給与体系の改定が現場の技術者の反発を招いたとされ、「これで安全が確保できるのか」と不安視する声が出ていた。

 海外では、過去に機体に入った亀裂が放置され、墜落などの事故を招いたケースもある。整備はそれを防ぐ手だてとして、各航空会社とも重視してきた。

 最近では、国内の航空大手では、JALが1月、国土交通省からトラブル再発防止策の再提出を指示されている。同社は昨年3月、ジャンボ機が強度不足の規定外部品を使ったままで飛行したトラブルなどから、事業改善命令を受けた。1年近くたってもトラブルがなくならないため、「安全確保のめどが立っていない」と判断されたものだ。

 ANAも例外ではない。昨年6月、高度計の故障とパイロットの勘違いが重なり、管制の指示と違う高度を40分間飛び続けるトラブルを起こしている。

2006年 3月14日 (火) 08:44

スカイマーク機、亀裂修理怠り9カ月飛行 国交省処分へ (朝日新聞) - goo ニュース
 スカイマークエアラインズ(SKY)が東京・羽田―徳島線などで使用するボーイング767―300ER型機で、機体に付いた傷を抜本修理せずに、運航させていたことが国土交通省の調べでわかった。同機は今月に運航を停止したが、メーカーが定めた修理期限を9カ月も超過していた。傷は運航前の04年に機体に車がぶつかってできた「へこみ」。応急措置で済ませていたため、機体に新たな小亀裂が生じていた。SKYの担当者は修理期限を把握していたという。

 9日から始めた機体の修理は終わり、14日から運航を再開する予定。この影響で、徳島線などが欠航し、13日までに計34便が運休した。

 問題の亀裂は目に見えない小さなものだが、飛行中の機体損傷などにつながる恐れがあり、航空法で定めた安全基準に抵触するとみて、国交省はSKYから事情聴取を進めている。14日にも幹部を呼んで厳重注意する。

 国交省などによると、問題の機体は04年5月ごろ、SKYがブルネイの航空会社からリース契約したもの。日本の航空法の基準に合うように台湾の整備会社で修理され、同11月末にSKYに引き渡された。

 この際の修理記録によると、機体右側第1ドアの下の胴体に、幅約6センチ、高さ約1.5センチのへこみができ、その部分を切り取って、上から大きなアルミ合金の板で覆う応急措置をしたという。

 修理記録にあったボーイング社からの指示書は、12カ月以内に抜本的な修理をしなければ、安全性を示す「耐空性」が担保できないため、飛行すべきではない、と英文で記されており、SKYの整備士に引き継がれたという。

 同機は04年12月から羽田―徳島線などで運航し始めたが、抜本的な措置の期限の05年6月になっても、SKYはボーイング社に問い合わせなかった。

 今月9日になって、改めて別の整備士が書類を調べた際、修理放置に気づき、運航を停止した上でボーイング社に問い合わせて抜本的な修理を始めた。調べたところ、補強用の合金製板を留めているリベット3本の周辺に、微細な亀裂が新たに見つかった。

 航空機の機体は上空を飛行する際、エンジンから取り込んだ空気を機内に流して気圧を調整しており、胴体は風船のように膨らんだり縮んだりしている。このため、応急措置をした部分の強度が足りず、亀裂につながったと見られるという。国交省の担当者は、「今回の亀裂は目で見えないほど微細だが、発着を繰り返せば亀裂が進行し、機体の損壊などにつながる恐れもあった」としている。

 SKYの担当整備士は、応急措置について「後日、ボーイング社から修理方法の指示がある」とコンピューターに入力しただけで、抜本修理の必要性や、応急措置の期限などを入力しなかったという。

 10日未明にSKYから報告を受けて事態を知った国交省は、安全管理に問題があるとして、SKYに詳細な調査を指示し、幹部から事情を聴いている。SKYは問題の機体について、ボーイング社に指示を求め、胴体パネルを張り替える修理をした。

 〈スカイマーク社の話〉 修理期限を超過している機体として運航させていた認識はない。判明した時点で、安全確保のため速やかに運航停止の措置をとり対応した。

   ◇

 〈キーワード・スカイマークエアラインズ〉 96年設立。98年9月に羽田―福岡線に就航し、エア・ドゥとともに35年ぶりに航空業界に新規参入した。大手に比べて格安の料金設定が話題を呼び、日本の航空界に低価格競争を巻き起こした。参入当初は整備を全日空に委託していた。が、その後自社整備に切り替えた。場合によっては別の航空会社に頼むこともある。東証マザーズ上場。

2006年 3月14日 (火) 03:05
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RJFR/KKJ - NEW KITAKYUSHU

 新北九州空港の運用開始が迫ってきました。EFF 15 Mar 1500Z ですから、3月16日午前0時(日本時間)からです。明々後日ですね。

新北九州空港開港にあたっては、株式会社 スターフライヤー が A320 3機体制(JA01MC, JA02MC, JA03MC)で羽田-北九州間に新規参入するので、空港そのものよりも、そちらがどうなるかの方が興味があったりして....(失礼)。

新北九州空港は、南北に(磁方位177度と357度)走る長さ2500m×幅60mの滑走路を有し、滑走路の西側に平行誘導路とその南よりにターミナルビルを備えています。
実は、ターミナルビルがあるのは North Apron であり、その南に South Apron があります。こちらはジェネアビ向けかな。

大雑把なことは 北九州エアターミナル株式会社 のページをブラウズしてると感じがつかめると思います( 新北九州空港概要 などというページもありますし...)。

北側から進入する Runway 18 には CAT-I ILS が備えられています。

ただし、午前6時~午後10時(日本時間)は、原則として VOR DME-A, VOR DME-B の非精密進入方式を使い、気象条件が非精密進入方式のそれを下回った場合にのみ ILS Rwy 18 を使いなさい、とのことです。
毎度毎度、関門海峡大橋を右手に見て優雅に ILS Approach とはゆかないようです。

Approach Chart の Plan View を見ても、山口宇部、自衛隊小月基地が新北九州空港から半径15哩(約28km)以内にある訳で、あまりはみ出してくれるなよ、ということなのでしょう。

同じく3月16日には新種子島空港も開港します。

こちらは、離島の空港らしく空港近くにハザードもあり、Operation としては難しそう。

国土交通省九州地方整備局 鹿児島港湾・空港整備事務所 のサイトに 面白いページ がありました。



[駄弁:記憶力テスト?]

話は羽田空港の現在のB滑走路を建設中のことです。
滑走路が既に滑走路として視認できる状態になり、でも未だ供用はしていないので、閉鎖を意味する×マークがペインティングされていました。
供用開始(3月23日)を間近に控え、滑走路では Grooving という細かい溝を掘る作業を重機を使って行なっていました。
某社のダグラス式DC-9型機が作業中の頭上を通り越し、閉鎖中の新B滑走路に誤着陸しました。平成12年2月28日夕方のことです。
当時、“誤認着陸しないように”との注意喚起を促す黄色い紙っぺらが配布されて小生のバインダーにも綴じてありました。
当該誤認着陸は、重大インシデントとして扱われました。
その便は、北九州発でした。

古い話を蒸しかえして御免なさい。
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花風雅 桜ぜりぃ

 差替えで疲れたときには甘いもの、スウィーツに限ります。

豆大福、さくら餅、そして季節の茶菓、鎌倉 源 吉兆庵 の「桜ぜりぃ」でございます。

冷やしてお召し上がり下さい。美味でございます。
源吉兆庵のSakura Jelly
中身は→のようにパッケージされておりまして、ゼリーの中に桜花がひとつ入っています。

このようは素人写真では雰囲気がわからないでしょうから、源吉兆庵の商品紹介の お写真 もご参照下さい。

予算折衝もいよいよ大詰め、復活折衝に向けたネタも考えておかねばならぬきょうこの頃です。
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霧にけむる神戸 - CAT III B Required ??

 これでは、ILS CAT III B でなければ降りることができません。

気象通報式を見てみましょう(時系列入れ替えています)。

[神戸空港]
METAR RJBE 102200Z 19005KT 5000 BR FEW010 BKN/// 08/08 Q1016=
METAR RJBE 102300Z 19006KT 1500 R09/0750V1200N BR FEW001 SCT006 BKN/// 09/08 Q1016=
METAR RJBE 110000Z 24004KT 0100 R09/0150N FG VV001 08/07 Q1017=
METAR RJBE 110100Z 23004KT 0800 R09/0300V1200U FG FEW001 SCT004 BKN/// 09/08 Q1017=
METAR RJBE 110200Z 24005KT 0600 R09/0200V0700D FG FEW000 SCT002 BKN/// 08/08 Q1016=
METAR RJBE 110300Z 23004KT 0600 R09/0250V0800D FG FEW000 BKN/// 09/08 Q1015=
METAR RJBE 110400Z 24003KT 9999 FEW015 BKN/// 10/09 Q1014=

午前7時には5kmあった卓越視程は1時間後の午前8時にはたった1500m、滑走路視程距離も、ILSを備えている09でも(午前7時50分~8時までの10分間における1分間平均値の極値が)750m~1500mで変化傾向なし、になってしまいました。
視程障害現象として FG(霧:視程1000m未満で用いられる)が、その後9時から12時までの定時通報にみられます。

神戸空港のILSカテゴリーは CAT I であり、フル・スペックでも進入してきて高度 200 feet (約60m) の段階で進入灯が目視できなければならず、卓越視程が800m、滑走路視程距離が550m以上なければなりません。

(先月の開港に際してアップした KOBE ILS Rwy09 Approach Chart 参照)

この気象状況では、Below Minimum (最低気象条件未満)の状況がほとんどでしょう。
さらに、航空会社では機長の(機長としての)飛行時間をもとに、空港が公示している最低気象条件にマージンを持たせている場合がほとんどで、
「おはようございます。昨日機長発令されたPAXです。本日がPICとしての初フライトです。目的地神戸のお天気は視界が悪いようですが、チャンスをみてCAT-Iで降りますから張り切ってまいりましょう」
って、お前さん CAT-I の資格持ってないでしょ、とコーパイさんに窘められるのがオチです。

仮に神戸空港の地上航法支援施設が、成田空港や釧路空港、熊本空港のように CAT-III A を備えていて、パイロットも CAT III A 運航ができる資格を有するコンビで運航していたとしましょう。
CAT III では、Ceiling (雲低高度)に関する制限は無くなります。つまり、滑走路面まで霧に覆われていても、風の横風、追風成分が制限値内におさまっていれば「自動着陸」が可能です。

が、CAT III は滑走路視程距離に応じて A, B, C とさらに三段階に区別されており、日本の上述した空港で導入されている CAT III はいずれも A です。

CAT III A では、滑走路視程距離、所謂RVRが200m以上あることが求められています。
自動着陸を行なっても、その後の滑走路中心を保った減速と、減速後誘導路へ離脱するための視程は要求されているのです。

国交省は2006年度に、現在の CAT III A より一段階上の B を導入することを決めています(参考: CAT IIIb - 降りた後も大変 )。
が、CAT III B でも、RVRの minimum は100mです。

ICAO では、その一段階上の CAT III C まで定めていますが、そのレベルで初めてRVRに関する minimum も無くなる、つまりは滑走路からの離脱まで自動で行なえるようになるのです。

CAT III C で滑走路離脱した後どうするか?(無責任至極+勉強不足ですが)知りません。そんな条件下では飛ばないのが一番でしょう。

110000Z 24004KT 0100 R09/0150N FG VV001 08/07 Q1017=

などは、CAT III B の空港で、有資格のクルーが Briefing 時に参照するようなデータですね。

ちなみに、関西空港は CAT II まで、伊丹空港は CAT I です。

伊丹は以下の通りで問題なし。
[伊丹空港]
METAR RJOO 102200Z VRB01KT 5000 BR FEW010 BKN015 09/07 Q1016 RMK 1ST010 5CU015 A3002=
METAR RJOO 102230Z 13002KT 4500 BR FEW010 BKN015 10/08 Q1016 RMK 1ST010 5CU015 A3002=
METAR RJOO 102300Z 00000KT 4500 BR FEW007 SCT010 BKN015 10/08 Q1016 RMK 1ST007 3CU010 5CU015 A3002=
METAR RJOO 102330Z VRB02KT 4000 BR FEW007 SCT010 BKN015 10/08 Q1016 RMK 1ST007 3CU010 5CU015 A3003=
METAR RJOO 110000Z 22005KT 6000 BR FEW007 SCT010 BKN015 11/08 Q1016 RMK 1ST007 3CU010 5CU015 A3003=
METAR RJOO 110030Z VRB03KT 7000 FEW007 SCT010 BKN015 11/08 Q1017 RMK 1ST007 3CU010 5CU015 A3003=
METAR RJOO 110100Z VRB04KT 8000 FEW008 SCT015 BKN/// 12/08 Q1016=
METAR RJOO 110130Z VRB03KT 9000 FEW010 BKN/// 13/08 Q1016 RMK 1CU010 A3002=
METAR RJOO 110200Z VRB03KT 9999 FEW015 BKN/// 14/08 Q1016=
METAR RJOO 110230Z VRB04KT 9999 FEW015 BKN/// 15/07 Q1015=
METAR RJOO 110300Z 22004KT 160V320 9999 FEW025 SCT/// 15/07 Q1015=
METAR RJOO 110330Z 22007KT 180V260 9999 FEW025 BKN/// 15/06 Q1014=
METAR RJOO 110400Z 22007KT 160V280 9999 FEW030 BKN/// 16/07 Q1013=

関西空港は、以下の時間帯の通報式を見ると厳しいですね。
[関西空港]
RJBB 110030Z 26006KT 0500 R24/P1800N FG VV003 10/10 Q1017 BECMG 7000 NSW
RJBB 110037Z 28006KT 0100 R24/P1800N FG VV001 10/09 Q1017 RMK A3003
RJBB 110100Z 29006KT 0100 R24/0700V1600D FG VV001 09/09 Q1017 BECMG 7000 NSW
RJBB 110119Z 30003KT 0200 R24/0700VP1800U FG VV001 09/09 Q1016 RMK A3003
RJBB 110127Z VRB04KT 0200 R24/1100VP1800D FG VV002 09/09 Q1016 RMK A3003
RJBB 110128Z VRB04KT 0200 R24/1100VP1800D FG VV002 09/09 Q1016 RMK A3003
RJBB 110130Z VRB04KT 0200 R24/1100VP1800U FG VV002 09/09 Q1016 BECMG 7000 NSW
RJBB 110142Z VRB03KT 0200 R24/0650VP1800D FG VV001 09/09 Q1016 RMK A3002
RJBB 110145Z 35004KT 300V040 0200 R24/0650VP1800U FG VV001 09/09 Q1016 RMK A3002
RJBB 110147Z 01004KT 300V040 0200 R24/0650VP1800U FG VV001 09/09 Q1016 RMK A3002
RJBB 110200Z 02004KT 350V060 0300 R24/1400VP1800N FG FEW003 BKN/// 10/10 Q1016 BECMG 7000 NSW
RJBB 110207Z 02004KT 0300 R24/1400VP1800N FG VV002 10/10 Q1016 RMK A3001

朝方、濃霧で苦労した神戸も午後8時(日本時間)には

METAR RJBE 111100Z VRB02KT CAVOK 10/09 Q1012=

と CAVOK: Ceiling And Visibility are OK ですからねぇ。夜景がきれいなことでしょう。


関西各地で濃霧 交通機関に乱れ (朝日新聞) - goo ニュース
 近畿地方は11日朝、各地で局地的な濃霧が発生し、飛行機や電車などの交通機関に乱れが出た。

 2月に開港した神戸空港では、羽田発の3便と鹿児島発の2便が大阪(伊丹)、関西両空港に到着地を変更したほか、那覇行きなど計3便が欠航した。神戸空港で霧による到着地変更は初めて。関西空港でも、羽田発の1便が大阪空港に着陸地を変更し、約20便が最大で約1時間半、到着や出発を遅らせた。

 JR神戸線は明石―姫路間で午前6時半ごろから徐行運転し、上下53本が25~3分遅れ、約3万2000人に影響した。明石と淡路島を結ぶ「たこフェリー」も欠航した。

 大阪管区気象台によると、10日の雨の影響もあって湿った空気が広がっていたところ、早朝に気温が下がったため、霧が発生したという。

2006年 3月11日 (土) 13:32
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さ~て、来週は…

 青社クラシック・ジャンボ退役フライトの感傷に浸る間もなく、容赦なく押し寄せる JEPPESEN REVISION と教材(自分で注文したのだが....)の山。現実は厳しいざんす。

JEPPESEN にいたっては、封筒の表面に「 CRITICAL TO FLYING SAFETY 」と印字してあるものですから、開封しないのには罪悪感を覚えます。

神戸空港開港、福岡FIR誕生と重要なイベントからもうじき一ヶ月。来週には、新北九州空港と新種子島空港の開港が控えています。

また、昨夜は珍しく“夜更かし”をして、ICAO の某ドキュメントを[英文に悪戦苦闘しながら]真面目に読みふけったためか、きょうは久々に偏頭痛が発症しております。
(頭痛持ちにしか解らないこの辛さ;しかも近所では年度末には恒例となった予算消化のための工事が....)

「人間、悪いところが痛くなる」というのは小生には間違いなく当てはまっているようです。

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1時間30分の退役フライト

 全日空の在来型 Boeing747 が、きょう27年間にわたる運航に終止符をうち、クラッシック・ジャンボは全日空のフリート・リストから姿が消えました。

これで、全日空で Boeing747 と言えば、全てがパイロット2名で運航する -400 型(全日空ではテクノジャンボと呼んでいます)となります。

それは同時に、全日空から FE: Flight Engineer (航空機関士)が乗務する機体が無くなったことを意味します。

きょうのライン最終稼動のパターンは、羽田-鹿児島の往復でした。Ship は JA8157 。

全日空のホームページから得た往路・復路の運航情報は、それぞれ、
 ANA 621 09:30 09:37 出発済み 11:25 11:31 到着済み
 ANA 624 12:15 12:29 出発済み 13:50 13:59 到着済み
でした。

本当の意味でのライン稼動最終便となる ANA624/10MAR KOJHND は、鹿児島滞在がスケジュール通りで50分、前レグの 621 が約5分の到着遅れだったので、本来なら45分で折り返さねばならないところです。

が、きっとラストフライトの記念セレモニーもあったのかもしれませんし、お世話になった鹿児島の皆さんに後ろ髪を引かれる思いだったのかもしれません。
出発が定刻よりも15分程遅れました。
国内悪天予想図 FBJP VALID 10MAR2006 0600Z
きょう、上空では100ノット(時速約180キロ)前後のジェットが吹いていましたので、雲上快晴の春の日を浴びながら、追風の中を羽田に向かった624便、遅れを少し挽回し、午後1時59分、1時間30分のラストフライトを無事終え、全日空のクラッシック・ジャンボの歴史に幕を閉じました。

鹿児島のお天気は良好でしたが、 羽田は生憎朝から弱い雨が降り続き、晴天の中を舞い降り翼を休めることは出来ませんでしたが、-RA BR VIS4500 Ceiling1700' の中、"All Nippon Six Two Four, Runway Tree Four Right, Clear to Land. Wind Tree Four Zero at One Tree." のような(想像です)着陸許可を Tokyo Tower の管制官から受けて、全日空が利用している第二ターミナルに近い Runway 34R に舞い降りたことでしょう。
(それとも、JALのオペセンにもご挨拶方々 34L に降りたかな;通常の Traffic さばきならば、西からの便だし 34L になるのでしょうが....)

ICAO Area I IR Satellite (Color) 0315Z 10MAR2006

以下に、日本時間で午前9時から午後2時までの羽田と鹿児島の気象通報式を載せておきます。

METAR RJTT 100500Z 34013KT 4500 -RA BR FEW017 BKN040 08/05 Q1018 RMK 1SC017 7SC040 A3008=
METAR RJTT 100430Z 34012KT 4500 -RA BR FEW020 BKN040 08/05 Q1018 RMK 1SC020 7SC040 A3009=
METAR RJTT 100400Z 35012KT 4500 -RA BR BKN040 08/05 Q1019 RMK 7SC040 A3010=
METAR RJTT 100330Z 34012KT 6000 -RA BKN040 08/05 Q1019 RMK 7SC040 A3012=
METAR RJTT 100300Z 35013KT 6000 -RA BKN040 08/04 Q1020=
METAR RJTT 100230Z 35014KT 6000 -RA FEW030 BKN045 08/04 Q1020 RMK 2SC030 METAR 7SC045 A3014=
METAR RJTT 100200Z 34014KT 7000 -RA SCT030 BKN045 08/04 Q1021 RMK 3SC030 7SC045 A3016=
METAR RJTT 100130Z 34013KT 7000 -RA BKN025 BKN035 07/04 Q1021 RMK 5SC025 7SC035 A3017=
METAR RJTT 100100Z 34012KT 7000 -RA BKN025 07/04 Q1022 RMK 7SC025 A3018=
METAR RJTT 100030Z 34014KT 8000 BKN026 07/04 Q1022 RMK 7SC026 A3019=
METAR RJTT 100000Z 35013KT 8000 -RA BKN027 07/04 Q1022 RMK 7SC027 A3019=

METAR RJFK 100500Z VRB04KT 9999 SCT030 BKN040 16/08 Q1014 RMK 3CU030 6CU040 A2996=
METAR RJFK 100400Z VRB03KT 9999 FEW020 BKN040 17/09 Q1015 RMK 1CU020 5CU040 A2998=
METAR RJFK 100300Z 22005KT 160V290 9999 FEW020 SCT030 16/08 Q1015=
METAR RJFK 100200Z VRB03KT 9999 FEW030 15/08 Q1016 RMK 2CU030 A3001=
METAR RJFK 100100Z VRB01KT 9999 FEW030 14/08 Q1016 RMK 1CU030 A3002=
METAR RJFK 100000Z 33006KT 9999 FEW030 BKN060 11/08 Q1016 RMK 1CU030 6SC060 A3002=



全日空の ANA国内線 - 機種・シートマップのご案内 のページからは、既に「ボーイング747SR」が削除されております。

ちょっと、否、とてもさみしいなぁ....。

[おまけ]
ここ は未だアクセス出来るみたいですよ。
(閉鎖も時間の問題かな?)


(18:41追記:Yahoo!ニュース引用)

さよならスーパージャンボ=27年間で地球20000周-全日空 (時事通信) - Yahoo! ニュース
 「スーパージャンボ」の愛称で親しまれた全日空のボーイング747-100型機が10日、鹿児島発羽田行きの624便を最後に引退した。1979年に登場した500人乗りの同型機は「大量輸送時代」の象徴とされ、これまで23機が地球20000周に当たる延べ約8億キロを飛行した。
 同型機は機長と副操縦士に加え、航空機関士が乗り込むのが特徴。複雑なシステムを監視するなど重要な役割を負っていたが、現在主流となった後継の同400型機ではこうした作業がほぼ機械化され、パイロット2人での操縦が可能となった。

(時事通信) - 3月10日18時1分更新

(22:15追記:goo ニュース引用)

さよならスーパージャンボ 全日空保有の全機が引退 (共同通信) - goo ニュース
 “スーパージャンボ”の愛称で親しまれた、全日空のボーイング747-100型が10日、鹿児島-羽田便を最後に引退した。就航当時の制服を着た客室乗務員や航空ファンらが、大量航空輸送時代を四半世紀以上、主役として支えた名機との別れを惜しんだ。

全日空は1979年からスーパージャンボを国内線と国際線の両方で導入し、最多で23機を保有。国内線用は最大500席で当時、世界最大だったが、老朽化などから引退が決まった。

全日空のジャンボ機は今後、ハイテク機の400型23機が、国内、国際の両方で活躍を続ける。

10日の最終フライトには427人が搭乗。記念に79年当時と同じ搭乗券が発行されたほか、機内ではジュディ・オングさんの「魅せられて」など同年のヒット曲が流れた。

2006年 3月10日 (金) 20:00

(22:55追記)
「wich177」さんのブログ に、きょうのラストフライトについて、羽田出発および帰着の模様が投稿されております。
きょうの JA8157 の写真も掲載されています。
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56分間の39(サンキュー)沖縄、明日はいよいよ…

 これまでの労をねぎらうかのように、到着時には激しいエコーは空港から遠ざかり、JA8157 (Boeing747SR-81) は3月9日午後4時45分頃(推定)、気温23℃の沖縄那覇空港に無事到着したようです。

この沖縄那覇へもどれだけ飛来したことでしょう。

何番かは判りませんが(31~36のどれかでしょう)ROAH の SPOT で56分間、翼を休めた後、陽が西に傾いた沖縄から羽田に向かいました。

追風を上手く利用したのか、Tokyo Approach が「ご苦労様」と特別サービスで Radar Vector してくれたのか、8分の出発時の遅れを取り戻し、東北東の横風がやや強い中、気温8℃の羽田に着陸、定刻4分前に Block In したようですね。

いよいよ明日が、お客様をお乗せしての全日空便として最後のフライトとなります。

 ANA 995 13:50 13:59 出発済み 16:35 16:47 到着済み

 ANA 134 17:35 17:43 出発済み 19:45 19:41 到着済み

(那覇のお天気:抜粋)
ROAH 090900Z 32017KT 9999 FEW018 22/16 Q1011
ROAH 090830Z 32019KT 9999 FEW020 22/17 Q1011
ROAH 090800Z 31017KT 9999 FEW020 23/18 Q1011
ROAH 090730Z 30017KT 9999 FEW015 SCT020 23/18 Q1011
ROAH 090700Z 31017KT 9999 FEW015 23/18 Q1011
ROAH 090630Z 27013KT 250V310 9999 FEW015 23/19 Q1010
ROAH 090600Z 28017KT 9999 -SHRA FEW010 FEW015TCU BKN040 21/19 Q1011
ROAH 090546Z 26017KT 5000 -SHRA FEW010 FEW015TCU SCT020 BKN040 22/19 Q1010 RMK 2CU010 1TCU015 3CU020 5SC040 A2984 TCU 15KM S MOV NE
ROAH 090534Z 24018G28KT 4000 SHRA FEW007 SCT010 FEW015TCU BKN020 22/19 Q1010 RMK 2ST007 3CU010 2TCU015 5CU020 A2985 TCU OHD-SW MOV NE
ROAH 090530Z 24017KT 4000 SHRA FEW007 SCT010 FEW015TCU BKN020 22/20 Q1010
ROAH 090525Z 23016KT 4500 SHRA SCT010 BKN015 FEW020TCU 22/20 Q1011 RMK 3CU010 5CU015 2TCU020 A2985 TCU 5KM N AND 10KM SW MOV NE
ROAH 090500Z 22017KT 8000 -SHRA FEW010 BKN015 FEW020TCU 22/20 Q1011

(羽田のお天気:抜粋)
RJTT 091130Z 06015KT 9999 BKN037 08/02 Q1026 RMK 7SC037 A3032
RJTT 091100Z 06014KT 9999 BKN035 08/02 Q1027 RMK 7SC035 A3033
RJTT 091030Z 07015KT 9999 BKN035 08/02 Q1027 RMK 7SC035 A3033
RJTT 091000Z 08015KT 9999 BKN040 08/03 Q1027 RMK 7SC040 A3034
RJTT 090930Z 08015KT 9999 BKN040 08/02 Q1027 RMK 7SC040 A3033

RJTT 090600Z 11012KT 9999 BKN045 10/02 Q1026 RMK 7SC045 A3030
RJTT 090530Z 10010KT 9999 SCT045 BKN060 10/02 Q1026 RMK 4SC045 7SC060 A3031
RJTT 090500Z 10008KT 9999 BKN050 10/00 Q1026 RMK 7SC050 A3031
RJTT 090430Z 08009KT 9999 BKN050 10/01 Q1026 RMK 7SC050 A3031
RJTT 090400Z 07009KT 9999 BKN050 10/01 Q1026 RMK 7SC050 A3031
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A300/A310 来年夏で生産中止

 このところ、時代の変遷を感じざるを得ない話題に事欠かないようです。

エアバス社のA300/A310が2007年7月をもって生産中止されることが発表されました(3月7日:フランス時間)。

エアバスA300と言えば、日本では当時の東亜国内航空が導入して現在もJALD(日本航空ジャパン)で活躍中です。最初に導入したA300B2/B4はFEも乗務する3メンクルーの機材で、その後導入されたA300-600RはFMSも備えたグラス・コックピットで、運航乗務員数2名の機体です。

JALの 2006年度路線便数・機材計画 には、
 “国内線では、747(国内型)、A300 および YS11 型機を全機退役させ~”
と記されており、日本の航空会社からその姿を消す日もそう遠くありません。

時は1966年、アメリカン航空が Boeing727 置き換え用として提示した;
 -米大陸横断が可能なこと
 -旅客数は250~300名程度で、コロラド州のような高地に立地する空港(例えばデンバー)からも、Full Payloadで運航可能なこと
 -客室は通路を2本備えるワイド・ボディであること
 -双発機であること
との要求がA300開発のきっかけとなりました。

当時、米国の航空機メーカは(洋上運航に支障がない等の理由で)McDonnell Douglas DC-10 や Lockheed L-1011 Tristar といった3発機をワイド・ボディ機として計画・開発していました。

欧州はそれに、双発機、後のA300で対抗した訳です。
(当時のフランス大統領は、パリの空港の名前にもなった Charles de Gaulle 氏だった筈です;対抗意識バンバン)

翌1967年9月、英・仏・独の3国がA300の開発をキックオフすることになるのですが、英国には BAC: British Aircraft Corporation という航空機メーカがあったため、英仏間お得意のいざこざが邪魔をして、プロジェクトは必ずしも順調ではありませんでした。

が、1972年に初飛行を果たし、2年後の1974年5月にエールフランスが 1st customer として A300B2 型の運航を開始しました。

デビュー後、A300(エアバス社)はセールス面で苦難を強いられます。
ミッションのきっかけとなったアメリカン航空は、DC10を導入してしまうし....。

※が、この苦労が後のA300をベースとしたストレッチ・モデル330、シュリンク・モデル310、そしてA320やA340の成功へとつながっているのです。正に“若いうちの苦労は買ってでもしろ”ですね。

米国で最初に目をつけてくれたのはイースタン航空で、デビューから3年後の1977年のことです。4機のA300をリースして運航したところ、「トライスターより燃料消費が30%少ないぞ」と。
これがきっかけでイースタン航空(23機)、パンアメリカン航空と注文が舞い込んで、結果的には今日までの800機を越えるベストセラーとなりました。

(※1979年までのデリバリー数はわずか80機程度だったことを考えると、大成功と言えましょう)

米国は、今でこそ ETOPS と騒いでおりますが(自国の航空機産業の手前もあるのでしょう)、1980年当時は双発機に対する60分規則があったため、洋上進出の面で米国相手には苦戦を強いられたエアバスです。
そこで、エアバスが市場として目をつけたのは、FAA(米国連邦航空局)の60分ルールが適用されない、アジアやオーストラリアの航空会社です。

アジアやオーストラリアの航空会社は、南シナ海やベンガル湾横断、オーストラリア大陸横断にA300を活用し、1980年以降、それらアジア系の航空会社を中心に、A300の好調なセールスが続きました。

ちなみに、現在の A300-600R は ETOPS 180 の capability を備えています。

横道にそれますが、今日のエアバスの長距離モデルはA340、そして来るA380と4発機であるのに対し、ボーイングは双発+ETOPSとなっているのも面白い構図です。

さて、A300及びその派生モデル-600には、今日でも通用するハイテクが導入されており、殊に先進的だったのは Autopilot System と言えるでしょう。

先進的過ぎたがために、それをオペレーションする側(パイロット)の意識改革も必要で、メーカーとオペレータの相互理解不足に起因する痛ましい事故も幾つか起してしまいました。

これから暫くは、まだまだ現役で活躍するであろうA300ですが、日本の航空会社のフリート・リストから消える日はそう遠くなさそうです。

乗れるときに、乗れるうちに....。

ヨーロピアン・ワイドボディAirbus A300&A310

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そういえば、米国 Boeing 社も、米国の証券取引委員会 SEC: Securities and Exchange Commission に提出した 2005年の Form 10-K の中で(ページ32に以下の記載あり)
767 Program During 2005 the 767 achieved some success in obtaining additional orders. As a result the accounting quantity for the 767 program increased by twelve units during 2005. Given the timing and changing requirements for new USAF tankers, the prospects for the current 767 production program to extend uninterrupted into a USAF tanker contract has diminished. We are continuing to pursue market opportunities for additional 767 sales. Despite the recent airplane orders and the possibility of additional orders, it is still reasonably possible a decision to complete production could be made in 2006. A forward loss is not expected as a result of such a decision but program margins would be reduced.
 (下線部分に注目)
と、今年中に Boeing 767 の生産中止(生産中止の時期は不明なれど)を決める可能性もあるようです。

ハイテク・ツイン・ジェットBoeing757&767

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こちらは、本も機体も買えるうちに....。



以下、A300/A310の生産を2007年7月で終了 を伝えるプレス・リリースからの引用です。
A300/A310の生産を2007年7月で終了
2006年03月07日


エアバスは7日(フランス時間)、双発ワイドボディ機のA300/A310の生産を2007年7月で終了することを決定した。A300はエアバスが最初に開発した航空機で、生産を開始してからすでに35年以上が経過した。現在、市場からはより新しいタイプの航空機が求められているため今回の決定となった。この生産ラインから最後の機体となるA300-600は2007年7月に引き渡される。

エアバスのグスタフ・フンベルト社長兼CEOは、「社内のリソースを最適化することはビジネス戦略上、非常に重要なことでである。A300/A310の生産ラインはまもなく終了するが、エアバス全体の生産は益々拡大してゆく。これはA300やA310よりも後から登場したA321やA330/A340、また次世代のA350などといった新しい機体への需要が高まっているためである」と語った。さらに、「A300/A310プログラムはエアバスの基礎を作った航空機で、これまでに821機を受注しエアバスを大きな商業的成功に導いた。A300/A310から始まったエアバスの革新精神は21世紀に入ってもA380やA350に引き継がれている。A300/A310を成功に導いた顧客の皆様、それから設計、開発、マーケティング、製造に携わったエアバスの従業員にこの場を借りてお礼を言いたい」と付け加えた。

約150人のエアバス従業員が1ヶ月で1機のA300/A310を製造するのに関わっているが、これらの従業員は既存のエアバス機の製造や将来計画されている新型機の製造に移る。他のエアバス機の生産率が著しく上昇しているため、A300/A310に従事した熟練工は今後も非常に重要な戦力となる。2005年の生産機数はエアバス全体で378機であったが、2006年度は400機を越える見込み。

A300は1969年5月に開発着手され、エール・フランスが1974年5月に初就航させた。世界で初めての双発2通路機としてデビューしている。1978年7月には姉妹機のA310が開発着手、1983年4月にルフトハンザ・ドイツ航空とスイス航空(当時)が就航させた。A310は世界で初めて2人のパイロットによる操縦を可能にした旅客機で、コックピットにはデジタル技術を採用した他、計器類もブラウン管方式にするなど、航空業界に新たな業界標準を隔離した。A300/A310で実現した多くの革新技術がその後のエアバスの基礎を作っている。

A300/A310に対する総受注数は821機。そのうち802機が今年1月末までに引き渡された。残り19機はフェデックス、UPS、ギャラクシー・エアラインズ向けのA300-600貨物機。エアバスではA300/A310の生産終了後、既存のエアバス機を利用した新型貨物機を提供する予定。

現在も650機以上のA300とA310が世界の約80社で運航中で、これらのうち半数以上は2025年以降も運航を継続するであろう。エアバスでは機体寿命の最後まで運航面でのサポートを行う。

エアバスは100座席から550座席以上を装備する最新旅客機を製造する航空機メーカー。フランス、ドイツ、英国、スペインに設計・製造センターを持つ他、日本、米国、中国に現地法人を置く。本社は仏トゥールーズ。EADS(80%)とBAEシステムズ(20%)が出資する。

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あと三日、天気予報が気になります

 全日空の Boeing747SR-81 のラストフライト( ANA626/10MAR KOJHND )まで、残すところあと三日となってしまいました。

きょうの午後5時に気象庁が発表した週間予報によると3月10日のお天気は、鹿児島が曇時々雨で降水確率は60%、東京も曇時々雨で降水確率が50%です。

涙雨になってしまうのでしょうか....。

気象庁の予報官には失礼ですが、何とか予報が外れて、ANAカラーのような青空のもと、JA8157 にはライン稼動最後となる離着陸をさせてあげたいものです。

当該便はダブル・キャプテンと先任FEでの運航になるのでしょうか。

Boeing747SR が全盛だった頃とは違って、Enroute も今では RVSM: Reduced Vertical Separation Minimum となり、Classic Jumbo では ALT HOLD と MACH HOLD での対応です。

きっと羽田への降下・着陸進入は、TOD後、早めに Autopilot を Disengage して Manual で降りてくるのでしょうね。

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ネタ切れ+賞味期限切れ

 “ネタ切れ”については、単にサボっているだけで、不真面目なだけであります。

「草稿中」の記事も何件かあるし、投稿をまとめる努力を怠ってはいけないのですが....、まぁ、こんな日もありますね。

“賞味期限切れ”については、使う機会を失うと単なる写真になってしまいますので、中身が希薄であることを承知の上でパソコンに向かっている無礼をお許し下さいませ。

“賞味期限切れ”のものとは、先日、車の odometer (走行距離計)が
 23456
となり、これはアクセス・カウンターがその近傍になったら使えるな、と思って撮影していた写真のことです。

このところのカウンタの伸びは完全に「想定外」でありまして....、摩訶不思議。

上位2桁が一致しているうちに折角の写真を使ってしまおう、という、全くの手抜きでございました。
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空の旅の危機

 馬鹿につける薬を発明すれば、それは間違いなくノーベル平和賞をもらえるでしょう。そんな世の中になってしまいました。

こういうことが起こっていると、そのうち航空機に搭乗する際は下着一枚(下着に麻薬を隠したお方もいたので安心は出来ませんが)、手荷物持込は厳禁、荷物は機内持ち込み・チェックインの区別なく全て別送扱い(カーゴ便)、到着地では別途受託荷物が送られてくるまで、空港内の制限エリア内で待ちぼうけ、といったことになるかも知れません。

不適切な表現ですが端的に言うと、空の旅=護送、となってしまいます。

この事件でのポイントは2つあるとおもいます。

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1)何故にJAL便がターゲットになったか.

成田空港の第2ターミナルから出発する航空機はJAL便だけではありません。

この愚か者はJAL便へ搭乗するから刃物を持ち込もうとしても何とかなるさ、と考えたのかもしれません。

ANA、ルフトハンザ、スカンジナビア、スイスエア、アエロフロート便に搭乗予定だったとしたら、愚か者の行動は違っていたのでしょうか。

経営トップが退陣を求められ、それに駄々をこねているような会社だから、となめられたのではないでしょうか。

仮にそうだったとしたら、このお馬鹿さんの触媒となったのはJALのCEOでしょう。大いに反省すべし。

と同時に、セキュリティ・チェックを受託されている会社、担当者のX線検査装置画像の識別スキルは充分だったのかも重要な問題です。

成田2タミのセキュリティ・チェックは“笊”だ、との風評により、世界中のテロリストの Gateway になりかねませんよ。

「フェーズE」でこのザマとは情けない。

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2)“日本の警察だ”と言った.

この背景には、スカイマーシャルの存在があると思います。

『スカイマーシャル』とは、テロ・ハイジャック対策として民間航空機に搭乗(警乗)している武装警官のことです。

テロ、ハイジャックへの抑止力と称して民間航空機へのスカイマーシャルの警乗が行なわれているのですが、『武器を機内に持ち込ませない』水際対策の強化をなくして、武器を携行した警備員・警察官が搭乗していたのでは、テロ・ハイジャックは完全に排除できないことを、今回の愚か者が証明してくれたと言えるでしょう。

昨年(2005年)12月には、米国でスカイマーシャルが発砲する事件がありました。

この愚か者がスカイマーシャルの警乗について、どれ程の知識を有していたのか。そもそも「日本の警察だ」と話したこと自体、スカイマーシャルを意識してのことなのかどうかも不明です。

が、ちょっと想像してみて下さい。この愚か者が米国のキャリアに搭乗して同じような行動をとったとして、その便に米国のスカイマーシャルが警乗していたとしたら....。

奴らは航空機内でも平気で発砲するかもしれません。


当人は冗談半分のつもりで行なったのかもしれませんが、空の旅を脅かす大馬鹿野郎の蛮行は断じて許すことができません。


機内にナイフ、男を現地警察が拘束 成田発JAL機 (朝日新聞) - goo ニュース
 成田発アムステルダム行きの日本航空機に搭乗した日本人男性(36)が、機内に刃物を持ち込み、到着後に空港で現地警察に身柄を拘束されていることがわかった。

 日航によると、1日午前11時半ごろに成田空港を出発した411便のエコノミークラスに搭乗した日本人男性が、数席離れた外国人男性に、ナイフ(刃渡り約8センチ)が折りたたまれている薄いケースを突き出し、「日本の警察だ」などと英語で話しかけたという。ナイフの刃は出していなかったという。

 この外国人男性が客室乗務員に通報したところ、日本人男性は素直にナイフを客室乗務員に渡したという。

 成田空港発の機内に刃物が持ち込まれたのは、05年3月に日航のサンフランシスコ行きの便に女性が刃物を持ち込んで自傷したケースがある。

2006年 3月 6日 (月) 15:34
機内にナイフ持ち込み拘束 オランダ行き日航機の乗客 (共同通信) - goo ニュース
 成田発アムステルダム行きの日航ジャンボ機内に日本人の男性乗客(36)がナイフを持ち込み、到着後、現地の警察に身柄を拘束されていることが6日、分かった。

日航によると、男性は1日発411便のエコノミークラスに搭乗。到着の約1、2時間前、近くの席にいた外国人男性に、ケースに収納した状態のナイフ(刃渡り約8センチ)を見せ、冗談で「日本の警察だ」と英語で話し掛けたという。

外国人乗客が客室乗務員に通報。注意を受けた男性はナイフを客室乗務員に提出し、機内に混乱はなかったという。

搭乗前の検査でナイフを発見できなかったことについて、日航は「さまざまな手段で検査をしている中で、こういうことが起きたことは遺憾。ケース入りのナイフがエックス線検査でどう見えるかや、金属探知機に反応するかなどを調査している」としている。

2006年 3月 6日 (月) 17:44
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衣替え?

 NOPAC Enroute Chart のお話です。

北米路線に搭乗する際には必ずお世話になる JEPPESEN Enroute Chart P(HI)1/P(H/L)2 ですが、先日の revise で(やっと) NEW FORMAT に衣替えになりました。

それまでは、殺風景な色使いだったのですが、春来たりて(きょうは東京で春一番を観測したそうな;成田が南西風に悩まされる季節が到来ですね)艶やかな色使いのチャートになりました。

この P1/P2 のチャートは、HF を用いた Position Report を傍受するエアバンド・リスナーのリクエストも多いのでしょうか、このチャートを単体で販売しているショップも見受けられます。

HF帯エアバンド傍受が目的であれば、今回の NEW FORMAT がどうしても必要、ということは無いでしょう。

参考までに変更内容は;

 CHART P(HI) 1: Naha and Tokyo FIR redesig Fukuoka. RVSM airspace desig (Japan). New Format.

 CHART P(H/L) 2: Naha and Tokyo FIR redesig Fukuoka. RVSM airspace desig (Japan). New Format.

ちなみに、中の色使いは↓のような感じになりました。

Part of P(HI)1 for NOPAC Operation



[駄弁]

NOPAC route の一つである R580 に“ ONEMU ”というウェイポイントがあります。
名前の由来は知りませんが、考えられる候補の一つとしては「根室沖」があげられます。

米国西海岸からだと、PACOTS TDM によって、Track が R580 を使うかどうかは風次第になってしまうのですが、夕刻、成田に到着する便ですと、この“ ONEMU ”に向かう頃はフライトも後半にさしかかり、睡魔が襲ってくる頃でもあります。
(“ ONEMU ”の次は“ OATIS ”、そこを過ぎると、成田着陸に備えての準備も考えねばなりませんし、もうひと頑張り、と気合も入るのでしょうが....)

赤ちゃん言葉ではありませんが、ONEMU =「お眠」だったら洒落になりませんわな。

失礼いたしました。
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春薫る さくら餅

 時期を逸してしまいましたが、一昨日は“桃の節句”でございました。

予算承認の時期でもあり、財務大臣のご機嫌をとるのは大事なこと、とのことから、帰宅途中、鎌倉 源 吉兆庵 のとある店舗に Technical Landing?? して【春薫る さくら餅】を買って帰りました。

出来ることなら、予算上積みのためには定番の 豆大福 も付ければ更なる効果が期待できたのですが、こちらは毎日の入荷数量限定に加えて弊店間際だったためか既に売り切れでした。
(代わりに他の季節限定商品を付けましたが、そちらはまた機会があればご紹介)

一箱5個入りでしたので、甘いものも好きな小生も一つ頂きましたが、美味でございます。

源吉兆庵の春薫るさくら餅、一箱5個入り


財務大臣も「美味しい・美味しい」と顔がほころんでいたのですが、効果がありますかどうか。

昨日届いた FedEx Box で帳消、あるいは減点かなぁ....。
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