徒然なるままに、一旅客の戯言(たわごと)
*** reminiscences ***
PAXのひとりごと
since 17 JAN 2005


(since 17 AUG 2005)

新たな門出

本日2月17日午前零時、中部国際空港(セントレア)がいよいよ開港しました。
夜が明ける頃には一番機が到着することでしょう。

名古屋空港:中部国際空港へ引っ越し - MSN Mainichi INTERACTIVE (2005/2/16/21:39)

中部国際空港が開港、国内→海外の乗り継ぎ便利に (読売新聞) - goo ニュース


一方で、これまで名古屋の空の玄関として主役を担った名古屋空港は、愛知県営名古屋空港となり、コミューター中心で新たな門出となります。

さようなら名古屋空港 国際線の歴史に幕 - Sankei Web (2005/2/16/22:36)

国際線の全てと、国内線もほとんどがセントレアに移り、県営名古屋空港の定期便は J-AIR の数路線が残るのみです。

掲載した写真は、名古屋空港の新(右)旧(左)の空港見取り図の JEPPESEN CHART です。セントレアのチャートが20番台を使いますので、チャート・インデックスは変りませんが、今までのチャートの左上は RJNN/NGO の表記、今日から有効のチャートの左上のそこは RJNA/NKM となりました。
(今回も、RJNA の新たな門出を祝し、特別サービス、そこそこの解像度です)

きょうからは、ATIS(Automatic Terminal Information Service)も廃止され、3波割り当ててあった Tower の周波数も2波に減りましたが、これからも供用されることが嬉しい限りです。

Comment ( 0 ) | Trackback ( 0 )

歯医者さん(5)

きょうは朝から冷たい雨の一日でした。

そして、夕方から歯医者さんへの通院5回目でした。

前回までに、急を要した治療は済んだので、今日からは「悪いところを徹底的に」のフェイズです。
が、油断は禁物。いきなり麻酔注射で左上奥の“昔に治療したけれど、また虫歯になりかけている歯”の治療となりました。

麻酔の注射は実際痛いことは無いのですが、何となく緊張して前身が強張ってしまいます。

次回も、今日治療したまたその奥を治療するそうなので、麻酔は覚悟しておいた方が良さそうです。
Comment ( 0 ) | Trackback ( 0 )

一冊の文庫、他

きょうは一冊の文庫と書籍をご紹介します。

昨年のことになりますが、フライトのインターバル中、福岡空港内の書店で見かけて購入、あっと言う間に読破してしまいました。その後も、気分の重いとき等に幾度となく取り出しては、重たい気分を吹き飛ばしています。

一話完結の短編エッセイ+イラスト(このイラストの雰囲気がまた良いのです)で構成されており、移動中お気楽に肩も凝らずに読める作品です。
青社の事情に詳しい方なら、思わずニヤリとする部分も多いのではないでしょうか。

現在、続編の執筆真っ最中らしいです。続編に期待しています。

スッチー道―人生は山あり谷あり空があり

光文社

このアイテムの詳細を見る



一方、こちらは昨年末に発行された単行本で、イラスト中心のコミック・エッセイです。
噂によると、出版記念の「サイン会」まで行ない、大盛況?だったそうなので、青社、元客室乗務員恐るべしです。
流石にこちらは装丁も文庫サイズよりは大きいので、小生の場合、機内で開くのは憚られてしまいましたが....。

不滅のスッチー

ソフトバンクパブリッシング

このアイテムの詳細を見る



ご本人が書籍のタイトルに使っておられますし、著者のお人柄から何ら違和感は感じない(むしろ、すんなりと受け入れてしまう)のですが、近年では客室乗務員の方々を「キャビン・アテンダント」または「フライト・アテンダント」と呼称します。ご参考までに。
Comment ( 0 ) | Trackback ( 0 )

分散コンピューティング

昨年11月末より分散コンピューティング・プロジェクトの一つ、World Community Grid に参加して、PCに分散コンピューティング処理をさせています。

小生は、所有しているn台のPCで累積150日+アルファの実行時間になりました。
個々が小さな力でも世界規模になると強力で、きょうの午前9時(日本時間)段階の統計では、PCの数が7万7千台強、費やした計算時間は4337年間に迫る勢いです。

数年前に、同じく分散コンピューティング・プロジェクトの一つ SETI@home (リンクは日本語のサイト)に参加したのが、分散コンピューティングを始めるきっかけでした。今でも SETI@home の処理も継続しています(割り当てているPCは非力ですが....)。


SETI@home については、以下のような書籍もあるようです。
SETI@homeファンブック―おうちのパソコンで宇宙人探し

ローカス

このアイテムの詳細を見る



冬場は、プロセッサの発熱が僅かながら室内の暖房効果に貢献しているように思われるので、終夜運転で頑張ってもらっています。
本来であれば地球温暖化に与える影響とも、きちんと「天秤」にかけなければならないのでしょうね。
Comment ( 0 ) | Trackback ( 0 )

開港間近(続)

この週末もフライトは無しでした。お片づけと資料整理に明け暮れた三連休でした。

きょうは、「開港間近(続)」と題して、特別にチャートの写真を一枚アップします。特別サービスですから、そこそこの解像度で見れると思います。

17日に開港する中部国際空港(セントレア)の空港見取り図です。左上の RJGG/NGO の表記、そして、右上の NAGOYA, JAPAN そしてその下には CHUBU CENTRAIR INTL の文字が、左下には CHANGES: New chart. の記載があります。JEPPESENから配布された真新しいチャートです。
上段のやや左には、黒バックに白抜き文字で Eff 16 Feb 1500Z と書いてあり、世界協定時で2月16日15時、日本時間の17日00時から有効であることが示されています。

今回の差替えで、セントレアのチャートが;
20-2/20-2A, 20-2B/20-2C, 20-3/20-3A, 20-3B/20-3C, 20-3D/20-3E, 20-3F/20-3G, 20-3H/20-3J, 20-3K/BLK, 20-4/BLK, 20-9/20-9A, 20-9B/20-9C, 20-9D/20-9E, 20-9F/20-9G, 20-9H/BLK, 21-1/21-2, 21-3/21-4, 23-1/23-2
の計17枚追加になりました。

このチャート番号を見て、SIDとAirport Diagram&related procedureが随分多いな、と感じた方はかなりの通(つう)ですね。
Comment ( 0 ) | Trackback ( 0 )

一年経過ですか...

そう言えば、確かに1年ほど前です。

吉野家から牛丼が無くなる、とのことで、近くの吉野家で牛丼の食べ納めをしたのが昨年の2月7日のことでした。写真は、そのとき記念にと、携帯のカメラで撮影したものです。

昨日一日限り、吉野家の牛丼が復活したとのこと。

吉野家の牛丼からは一年以上遠ざかっている訳ですね。一日限りと言わず、メニューに再び名を連ねるのは、いつのことになるのでしょうか。
Comment ( 0 ) | Trackback ( 0 )

開港間近

中部国際空港(セントレア)の開港が間近に迫ってきました。

管制業務は既に1月20日から開始されており、進入・出発レーダ管制のコールサインは、それぞれ「CENTRAIR Approach(セントレア・アプローチ)」「CENTRAIR Departure(セントレア・ディパーチャ)」として運用されていますので、現名古屋空港に離着陸するパイロットの皆様は、一足お先に“セントレア”の名を口にして運航している訳ですが....。

来週には開港ですから、Jeppesenからも ぶ厚い Revision Packetが昨日届きました。この中に、中部国際空港関連のチャートが含まれています。
チャート類は、国土交通省航空局(JCAB)が既に開示しているので、それがAIP差替えとして配布され、随分前から手元にはあったのですが、こうして Jeppesen の差替えが届くと「いよいよかぁ」と改めて思いますね。



空港には(主として旅客ハンドリング側が用いる)3レターコードというものが割り当てられています。
これまで、名古屋のそれは空港コード=都市コードで、NGOだったのですが、そのコードは中部国際空港(セントレア)がそのまま引き継ぐことになります。NGO=都市コード:名古屋、空港コード:中部国際空港(セントレア)となり、セントレアが名実共に名古屋の空の玄関となる訳です。
※中部国際空港(セントレア)の地点コードは、気象通報式のときにご紹介したように、RJGG です。

今まで、名古屋の空の玄関として頑張ってきた現名古屋国際空港は、管理がJCABから愛知県に移管され、県営名古屋空港としてコミュータ機の運航(+自衛隊小牧基地)が中心となります。
3レターコードは、NKM、地点コードは、RJNA と変更になります。
※航空管制(管制塔・地上管制・管制承認)のコール・サインは NAGOYA のままです。


セントレアが出来上がってくる様は、羽田<->伊丹、福岡->羽田などのフライトで幾度となく上空から眺めてきました。
最初は輪郭だけだった空港島が、ついに開港し飛行機が離発着するようになるのですね。
こりゃぁ、歳をとるのも当り前です。
Comment ( 0 ) | Trackback ( 0 )

歯医者さん(4)

昨日の夕方は歯医者さんでした。4回目の治療です。
タイトルの括弧内数字がどこまで増えることやら....。

今回は、型をとったところに土台を埋め込み、その上に仮の歯をかぶせました。

土台の埋め込みって、瞬間接着剤のようなものでするようですね。知識が無い上に、治療している現場を見れる訳では無いので、想像ですが。

土台を埋め込んで接着させた?後は、その上に仮の歯をかぶせて、噛み合わせの調整を入念にしていただきました。

歯をセットして、紙を間でカチカチや歯ぎしりをして(あれで、セットした歯のどの部分が当っているのか解るのでしょうね)、その後一旦外して仮の歯を削って整形します。それを丹念に何回も繰り返しているうちに、徐々に噛み合わせがしっくりとしてきました。

緊急レベルの治療はこれで一段落で、この仮の歯をつけた状態で、今後、危険信号が点灯している部分の治療を進めて行くことになりました。



明日から3連休です。今のところ、これといった予定はありません。
残念ながら、フライトの予定も入っていません。
Comment ( 0 ) | Trackback ( 0 )

視程について

きょうは“視程”について簡単に説明します。

先ず、方向別視程です。方向別視程とは、その方向の空を背景として黒ずんだ目標物(大きさは観測者の視角で0.5°~5°)を正常な肉眼で認めることができる最大距離、のことです。
“空を背景とした黒ずんだ目標物”は、夜には見えなくなってしまいますので、夜間の視程は、気象光学距離(MOR: Moteorological optical range)が用いられます。このMORとは、色温度2700Kの白熱灯の平行ビームが大気や大気中に浮遊する粒子によって散乱吸収され、その光束による照度が減少して元の値の5%になるまでの距離です。

気象通報式で報告される「卓越視程」とは、方向別視程が異なるとき,視程の大きい方から各値の占める部分の角度を加えていき,加算した角度の合計が180度以上(ぐるりと見渡したときの半分以上)となるときの最も低い視程の値のことを言います。

方向別視程が常に全方角で同じとは限りませんから、「卓越視程」と方向別視程に一定以上の差があるときには、気象通報式の RMK において報じられることになっています。
※2月6日に記した「気象通報式の読み方(その2)」を参照して下さい。



立春も過ぎました。これから春を迎えると、春霞、黄砂現象など降雨や降雪に起因しない視程障害が発生しやすくなります。

また、春一番の言葉にもあるように、春は突風が吹く季節でもあります。風も、航空機の運航にとって、離陸や進入・着陸時には殊に重要なファクターとなります。
Comment ( 0 ) | Trackback ( 0 )

小休止

きょうは、やや円安に振れたので、先月購入しておいた前回とは別口の米ドルMMFを売却しました。公表するのも憚られる位の微少為替差益が得られました。
リスクを伴う自己責任の金融商品ではありますが、年利に換算すると預貯金のそれを十分上回る値になるので、それで自己満足です。ここ暫らくは小休止フェイズにしようかなぁ。

きょうは、夕方から少々寒気がしているので、悪くならないうちに安静・休息します。
Comment ( 0 ) | Trackback ( 0 )

気を付けなければ...

インフルエンザが流行の兆しにあるようです。

うがい、手洗いを励行すれば、多少の予防効果はあるようです。
また、昨今は感染後早期に服用すれば効果のある薬もあると聞いています。

が、「ひいたかな」と思ったら、早めの休息と無理をしない。対処療法に頼ることになると思います。



きょうから札幌の雪祭りですね。行ってみたいのですが....。
Comment ( 0 ) | Trackback ( 0 )

気象通報式の読み方(その2)

「気象通報式」の読み方(その2)は、定時飛行場実況気象が題材です。

前回の“短距離飛行用飛行場予報”の読解と共通部分もありますが、今回は“実況気象”ですから、より具体的な項目が追加されています。

今回も地点は札幌・新千歳空港(地点略号:RJCC)を選びました。以下の英数字列が、本日(2月6日)の午前7時(日本時間)に観測された、札幌・新千歳空港の「定時飛行場実況気象」です。

METAR RJCC 052200Z 32008KT 3000 -SHSN SCT005 BKN010 BKN020 FEW020CB
M02/M03 Q1011 RMK 3ST005 5ST010 7CU020 1CB020 A2987 8000NE-SE CB 5KM S MOV S=

METAR RJCC 052200Z
1.観測の種類:METARは以下の通報が定時観測気象報であることを示しています。
観測の種類は次の2つの識別符で示されます。
METAR:定時観測気象報であることを示す
SPECI:定時観測以外で気象現象に一定の重要な変化があった場合等に実施された特別観測気象報であることを示す
2.地点略号:RJCCは、読み方(その1)で紹介したように、札幌・新千歳空港の地点略号です。
3.観測日時:2桁の日付に続いて4桁(時分)の世界協定時(UTC)にZを付加して示されます。
052200Zは世界協定時の5日22時00分ですから、日本時間では6日07時00分になります。

32008KT 3000 -SHSN
4.風向・風速:真方位による風向を10度に丸めて3桁で示し、風速は観測時刻前10分間の平均値を2桁で示しKTが付けられます。風速の単位はノットです。
ここでは真方位320度の方角から風速8ノットの風であることを示しています。
※風は航空気象では重要で、他にも種々の状況通報則が定められているので、別の機会に詳しく説明します。
5.卓越視程:(どのくらい先まで見通せるか)を10km以上は9999、10km未満の場合はメートル単位で4桁の数字で示されます。4桁のステップは5000~9999は1000m間隔で、5000m未満は100m間隔となります。100m未満の場合は0000で示されます。
ここでは、卓越視程が3000メートルであることを示しています。
6.滑走路視程距離(RVR):この例では通報されていません。
※滑走路視程も航空機の運航において重要な要素を持ちますので、別の機会に説明することにします。
7.現在天気:かみなり(雷電)等の特殊な現象を除き、飛行場とその周辺(半径約10キロメートル以内)の運航上重要な天気現象について、天気略号を適切に組合せて重要な順番に最大3群まで示されます。天気現象が天気略号のいずれにも該当しない場合には省略されます。

-SHSNは、3つの現象コンポーネントから成っています。
強度現象を表す-、特性を表すSH、降水現象を表すSNです。

(1) 強度現象を表す記号
- 弱(light)
記号なし 並(moderate)
+ 強(heavy)

(2) 特性を表す記号
SH しゅう雨性(shower)
TS 雷電(thunderstorm)
FZ 着氷性(freezing)
など、他にもあります。組み合わせられる現象にも決りがありますので、別の機会に詳細な説明が必要ですね。

(3) 降水現象を表す記号
DR 霧雨(drizzle)
RA 雨(rain)
SN 雪(snow)
SG 霧雪(snow grains)
IC 氷晶(ice crystals)
PL 凍雨(ice pellets)
GR ひょう(hail)
GS 雪あられ/氷あられ(snow pellets and/or small hail)

この他にも
(4) 視程障害現象を表す記号
(5) その他の現象を表す記号
があります。

-SHSNは、「弱いしゅう雨性の雪」であることを示しています。

SCT005 BKN010 BKN020 FEW020CB
8.雲:雲量、雲底の高さ、雲形の順番に並べた群で示されます。
雲量は、読み方(その1)で紹介したように、全天空に対する見かけの割合が次のように報じられます。
FEW 雲量 1/8~2/8 (Few)
SCT 雲量 3/8~4/8 (Scattered)
BKN 雲量 5/8~7/8 (Broken)
OVC 雲量 8/8 (Overcast)
雲底の高さ(地表または水面からの垂直距離)は100フィート単位の3桁の数字で示します。不明または観測できないときには///で示します。
雲形はCBとTCUだけ本文に示されます。CB=積乱雲(Cumulonimbus)、TCU=雄大積雲(Towering Cumulus)で何れも対流性の雲で、航空機の運航に支障をきたす雲です。

M02/M03 Q1011
9.気温・露点温度:摂氏で示した気温と露点温度を斜線を挟み1度単位の2桁の観測値で示します。0℃未満の場合は2桁の値の前にMを付けます。
この例では、気温氷点下2℃、露点温度氷点下3℃です。
10.高度計規正値(QNH):
Qを前置きしてヘクトパスカル値が4桁の数字で示されます。海面気圧を表します。
※QNHについて;飛行機が空港にあるときに,気圧高度計がその空港の標高を指示するように,すなわち海面からの気圧高度を指示するよう高度計をセットします。このような方式をQNHセッティングといいます。

この例では報告されていませんが、
11.過去天気
12.低層ウィンドシェア情報
が該当する場合には報告されます。

RMK
13.国内記事:日本ではRMKに続いて、該当する項目があれば示されます。

3ST005 5ST010 7CU020 1CB020
8分雲量による雲量、雲形、雲底の高さを示しています。この例では、以下のようになります。
(本文):SCT005、(記事):3ST005
(本文):BKN010、(記事):5ST010
(本文):BKN020、(記事):7CU020
(本文):FEW020CB、(記事):1CB020
3ST005:3/8の雲量の層雲(stratus)が雲底500フィートで観測されている
5ST010:5/8の雲量の層雲(stratus)が雲底1000フィートで観測されている
7CU020:7/8の雲量の積雲(cumulus)が雲底2000フィートで観測されている
1CB020:1/8の雲量の積乱雲(cumulonimbus)が雲底2000フィートで観測されている
と、本文に比べて雲の様子が詳細に報じられています。

A2987
QNHの水銀柱の0.01インチ単位による表示。ここでは29.87インチ。
※航空機に搭載されている気圧高度計の補正には、このインチ単位の数字を用いています。

8000NE-SE
卓越視程が5000メートル以下で卓越視程の2倍以上または半分以下の方向視程がある場合と、卓越視程が5000メートルを超えていて、卓越視程の半分以下かつ5000メートル以下の方向視程がある場合。
この例では、本文で報じられている卓越視程は3000メートルでしたが、北東・南東方向の方向視程は8000メートルあることを示しています。

CB 5KM S MOV S
視界内に存在する飛行に影響を及ぼす現象(TS, CB, TCU 等)が観測された場合は、その位置、移動方向を飛行場から見た存在方向を8方位またはOHD(over head)を用い現象と共に示します。
この例では、CBが空港の5km南に観測され、それが南に移動していることを示しています。


昨日今日と、かなりマニアックな話題になりましたが、単なる英数字の羅列にしか見えない「気象通報式」も読解できるようになると、各地のお天気の様子が想像できるし、自分なりの予報の一助ともなり、面白いものです。

勿論、パイロットやディスパッチはこれらを難なく読みこなし、さらに深い読みをしている訳です。お天気は刻々と変化しますので、単発の通報式ではなく、時系列で複数の通報式を読解・解析する力が求められます。それに加え、各種天気図、悪天予想図、レーダー画像、気象衛星画像などからの情報も考慮し、総合的にお天気を解析できるようにならなければなりません。

小生も一PAXを名のる!?からには、搭乗する前にはそれ相応の資料を揃え、空の旅を別の観点からも楽しんでいます。さらには、フライト後には、飛んでいたころの各種天気図や気象通報式と照らし合わせ、Look Backを積極的に行なうようにして、航空気象と運航について理解を深めるよう努力しています。
Comment ( 0 ) | Trackback ( 0 )

気象通報式の読み方(その1)

きょうは「気象通報式」の読み方(その1)として、航空気象予報を題材にお話しましょう。

先ず、航空気象予報には「長距離飛行用飛行場予報 TAF-L(発表の9時間後から27時間後までの18時間有効)」と「短距離飛行用飛行場予報 TAF-S(発表から9時間有効)」の2種類あります。今回は「気象通報式」に慣れることが主眼なので、イメージが湧きやすい「短距離飛行場予報」を題材に説明をします。

次の英数字列が本日(2月5日)の午後6時に発表された札幌・新千歳空港の「短距離飛行場予報」です。

S-TAF RJCC 050900Z 050918 33012KT 9999 FEW010 BKN 030
TEMPO 1015 2000 SHSN BKN005 BKN010 TEMPO 1518 3000 -SHSN BKN008 BKN015=

S-TAF RJCC 050900Z
1.S-TAFは以下の予報本文が「短距離飛行場予報」であることを示します。
2.RJCCは地点略号と言って、RJCCは新千歳空港であることを示しています。
※地点略号は全世界に通用する4文字の英字で羽田はRJTT、成田はRJAA、大阪(伊丹)はRJOO、大阪(関空)はRJBB、福岡はRJFF、沖縄那覇はROAH、17日に開港する中部国際(セントレア)はRJGGです。セントレアの開港に伴い、名古屋(小牧)は地点略号がRJNNからRJNAに変更になります。
3.050900Zは発表日時2桁の日付と4桁の時間(世界標準時)にZを加えたものです。
世界標準時05日の09:00は日本時間の05日18:00です。

050918
4.予報期間の開始を示す4数字の日時と終りの時刻を示す2時を示しています。
この例では、05日09時(世界標準時:日本時間の18時)から05日18時(世界標準時:日本時間では6日03時)までとなります。

33012KT
5.予想風の平均風向と風速を示しています。
この例では330度(北北西)から12KT(ノット)。北北西の風、風速約6メートルです。

9999
6.予想卓越視程(どのくらい先まで見通せるか)を示しています。
9999は10km以上の視程があることを示しています。5000~9999は1000m間隔で、5000m未満は100m間隔で示されます。

7.この例では重要な気象現象は予想されていません。よって記載がありません。

FEW010 BKN030
8.雲量と雲底の高さの予報です。詳細はまた別に機会を設けたいと思いますが、雲の群を3群まで示します。
数字の前の3文字の英字は雲量を示し、次の3数字は雲底を100フィート単位で示します。
雲量は全天空に対する見かけの割合が次のように報じられます。
FEW 雲量 1/8~2/8 (Few)
SCT 雲量 3/8~4/8 (Scattered)
BKN 雲量 5/8~7/8 (Broken)
OVC 雲量 8/8 (Overcast)
この例では、少量の雲底1000フィートの雲と全天空の半分以上を覆う雲底3000フィートの雲を予想しています。

ここまでが、日本時間18時から翌03時までの9時間の全般的な予報となります。


予報期間内に気象要素の重要な変化が予想される場合、ここまでの予報文に加え、1つ以上の変化群を示すことになっています。この例では2つの重要な変化を予想しています。

TEMPO 1015
10-1.変化群の指示符 TEMPO と変化の開始・終了時刻を示す4数字を示しています。
変化群の指示符には BECMG と TEMPO の2種類があります。
BECMG 変化の始まる時刻から終わる時刻(期間は1時間~4時間)内に規則的に、またはこの期間内のある時刻に不規則に変化し、その後は変化後の状態が続く場合に用います。
TEMPO 気象状態の一時的変動が頻繁に、または時々発生し、その各々が1時間以上は続かず変化後の予報の状態の合計時間が予報期間の半分未満の場合に用います。
この例では、日本時間の19時から深夜00時にかけて、以下に示す気象状態の変化が予報されるが、それは上に挙げたTEMPOの変動であることを示しています。

2000 SHSN BKN005 BKN010
10-2.変化が予想される気象状態を示しています。
2000 卓越視程は2000m。
SHSN 重要な気象現象は、並のしゅう雨性雪(moderate shower snow)
※気象現象については改めて詳細を説明する機会を設けます。
BKN005 BKN010 雲量と雲底です。全天空の半分以上を覆う雲底500フィートと1000フィートが予想されています。

TEMPO 1518
10-1’.次(2番目)の変化群を示しています。
この例では、日本時間の深夜00時から翌03時にかけて、以下に示す気象状態の変化が予報されるが、それはTEMPOの変動であることを示しています。

3000 -SHSN BKN008 BKN015
10-2’.次(2番目)に変化が予想される気象状態を示しています。
3000 卓越視程は3000m。
-SHSN 重要な気象現象は、弱いしゅう雨性雪(light shower snow)
BKN008 BKN015 雲量と雲底です。全天空の半分以上を覆う雲底800フィートと1500フィートが予想されています。


以上の「短距離飛行場予報」からは、日本時間の19時から深夜00時にかけて、一時的に並のしゅう雨性の雪を伴った視程の低下と雲底が低くなることが予想されていることを読み取ることが出来ます。

ちなみに、本日15時(日本時間)に出された札幌新千歳の「短距離飛行場予報」は以下のようなものでした。

S-TAF RJCC 050600Z 050615 34014KT 8000 -SHSN SCT010 BKN030
TEMPO 0609 1200 SHSN VV005 TEMPO 0915 3000 -SHSN BKN008 BKN015=

TEMPO 0609 1200 SHSN VV005
で、日本時間の15時~18時にかけて、卓越視程が1200mまで低下し、並のしゅう雨性降雪、鉛直視程が500フィートまで低下する可能性を示唆していました。

JALの羽田発千歳行では、定刻16:30着予定の1025便が雪のため30分+の遅延、定刻18:00着予定の1031便が雪のため欠航となったようです。



※「気象通報式」の読み方(その2以降)がいつになるかは未定です。悪しからずご了承下さい。
Comment ( 0 ) | Trackback ( 0 )

立春

きょうは立春、暦の上では春到来ですが、とても寒い一日でした。
が、日没の時間が日に日に遅くなることに、どことなく春が間近であることを感じます。



久々にJR東海道線で横浜~東京を往復しました。のんびりと車窓の景色を眺めていましたが、頻繁に利用していた頃(その頃は通勤経路でした)とは随分と景色が変わったものです。

横浜駅でSuicaイオ・カードにチャージした際、撥ねられた新500円硬貨が一枚ありました。偽造紙幣・偽造硬貨のニュースが世間を賑わせているので、少々敏感になってしまいます。つかまされたら終りですからね。その硬貨;平成12年の刻印でしたが、東京駅の券売機では問題なく使用できました。
そう考えると、自動販売機の貨幣識別機能には個体差がある、ということですね。



この週末、残念ながらフライトの予定はありません。差替えの予定がありま~す。
Comment ( 0 ) | Trackback ( 0 )

離陸

ボンバルディア・チャレンジャー(Bombardier Challenger)CL600が、ニューヨーク郊外の空港で離陸時に事故を起こしてしまいました。残念です。

事故当時(現地時間の2日午前7時20分頃)は、晴天で微風だったようですが、午前7時の気温は約氷点下5℃(22F)だったとのことですから、滑走路面はもっと冷えていてアイスバーン状態だったのではないでしょうか。

離陸とは航空機が2次元の平面的運動から3次元空間の運動に移行するフェイズです。エンジンはほぼ最大限のパワーを出し、すさまじい加速度で離陸速度まで地上滑走後、浮上・上昇運動に転じなければなりません(しかも限られた滑走路長の中で....)。何か異常事態が起こった場合には、瞬時に的確な判断と対応を求められる非常にクリティカルなフライト・フェイズなのです。

離陸に際してはCockpitは勿論のこと、クルー全員が極度の緊張にさらされます。客室乗務員は平然としてジャンプ・シートに着席していますが、全てが正常か(何か異常は無いか)を察知すべく五感を研ぎ澄ましている筈です。また、ここで何らかの異常が起こったらどのように対応するかも考えているはずです。....そうでなければ困ります。

今回の事故では、ある目撃情報によると、加速したものの浮上はしなかったようです。機体に何が起こったのかは知る由もなく、NTSBの調査を待たねばなりません。が、私見ではCockpit CrewがGoing Mindを抑えたのであれば、それは評価に値するのではないかと思っています。

小型ジェット機、倉庫に突入 米ニュージャージー州 (朝日新聞) - goo ニュース
Comment ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 前ページ次ページ »