徒然なるままに、一旅客の戯言(たわごと)
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PAXのひとりごと
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気象通報式における略号補足

先日の「JAL1935/21JUN HNDOKA Divert 私見」をはじめとして、本ブログの投稿には“気象通報式”を引用することが少なくありません。

ほとんどの部分は説明済なのですが、たまに未だ説明していない略号(文字列)が現れることがありますので、きょうはこれまでに気が付いたそれらの略号を説明します。

1) NOSIG: NO SIGnificant change
 NOSIG: no significant change -- 顕著な変化なし
 【使用例】
 METAR RJBB 211300Z 21008KT 5000 -SHRA BR FEW010 SCT040 BKN060 22/21 Q1005 NOSIG

 成田、中部、関西の各空港では METAR に付加して「着陸用飛行場予報」が発表されています。
これは、風、卓越視程、現在天気、雲、鉛直視程に重要な変化が予想される場合に示されるのですが、いずれも重要な変化がなく、変化を報ずる必要なしと予想される場合には NOSIG が用いられます。
 ちなみに、この一つ前に発表された現況は
 SPECI RJBB 211245Z 23009KT 5000 SHRA BR FEW015 SCT040 BKN080 22/21 Q1005 RMK 1CU015 3CU040 6AC080 A2971
でしたから、その時点からの「風、卓越視程、現在天気、雲、鉛直視程」は『いずれも重要な変化がなく、変化を報ずる必要なし』と予想されたので NOSIG が報じられたのでしょう。

2)NSW: No Significant Weather
 NSW: no significant weather -- 運航に影響を及ぼす悪天がない
 【使用例】
 METAR RJBB 211230Z 23008KT 6000 SHRA FEW015 SCT040 BKN080 22/21 Q1005 BECMG NSW

 これは「着陸用飛行場予報」と組み合わされている例ですが、他には「飛行場予報:TAF」で用いられます。
 TAFや着陸用飛行場予報では、以下の重要な予報天気については、その現象の予想される開始・終了・強度の変化、が天気略号で示されることになっています。
-着氷性の降水
-着氷性の霧
-並または強の降水(しゅう雨性降水を含む)
-地ふぶき(ふぶきを含む)
-砂じんあらし
-雷電(降水の有無によらない)
-スコール
-ろうと雲(たつ巻)
-(弱い降水現象や霧・煙霧など)視程の重要な変化や原因になると予想される天気現象
 これらの重要な天気現象の終息を予報するために用いられる記号が、NSW(no significant weather)です。
 例の METAR では、変化群を示す BECMG (becoming) と共に用いられていますから、「 BECMG NSW 」で、『いままで、運航に影響を及ぼす重要な天気現象が予報されていたが、その(それらの)運航に影響を及ぼす悪天がない状況に変化している』と読みとります。

3)CAVOK: Ceiling And Visibility OK -- Visibility, cloud and present weather better than prescribed valuess or conditions
 CAVOK -- 視程・雲、天気は指定された値および条件より良好
 【使用例】
 METAR RJTT 200530Z 16009KT CAVOK 28/16 Q1002 RMK A2959

 これは6月20日の羽田空港 METAR で用いられている例です。卓越視程、滑走路視程距離、現在天気、雲及び垂直視程の群がそれぞれ報じられるべき部分が CAVOK となっています。
 CAVOK が示されるのは、以下の状況です。
 視程:10km 以上
 雲:5000 feet または、最大の最低扇形別高度のどちらか高い値、未満に雲がない。
   全ての高度にわたって積乱雲( Cb )、塔状積雲( TCu )がない。
 現在天気:天気略語表に該当する現象がない。

4)NSC: Nil Significant Cloud
 NSC: Nil Significant Cloud -- 特記すべき雲はない。
 【使用例】
 METAR RJAA 070430Z 23026G40KT 3000 -BLDU NSC 22/09 Q1008 NOSIG RMK 1AC100 A2979=

 この例は、4月7日の成田空港 METAR で用いられている例です。雲及び垂直視程の群が報じられる部分が NSC となっています。
 NSC が示されるのは、以下の状況です。
 5000 feet または、最大の最低扇形別高度のどちらか高い値、未満に雲がない。
 全ての高度にわたって積乱雲( Cb )、塔状積雲( TCu )がない。
3)で説明した CAVOK の状態ではない。
 ※卓越視程が 3000m で天気現象として「(弱い)高い風じん」が観測されているので、CAVOK の状態ではない。

5)NIL: None or I have nothing to send to you
 NIL: None or I have nothing to send to you -- 無し

 4)の NSC は、「 Nil Significant Cloud 」の略でしたが、そこで使われている「 Nil 」は、この NIL です。

(気が付いたときに投稿しているために)、気象通報式の読み方が、色々なところに点在してしまっており、ご不便をおかけいたしております。
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二十四節気、雑節

もうすぐ2005年も半分が過ぎようとしています。

月日の経つのははやいですねぇ(多分に歳のせいだと思いますが…)。

半分は過ぎてしまいましたが、まだ半分は残っているので、二十四節気(にじゅうしせっき)と雑節(ざっせつ)について、今年の該当日をまとめてみました。

二十四節気とは、古代中国で作られた暦で、春分を基点に太陽の黄道を15°ずつ24等分し、太陽がそれらの角度を通過する時刻を二十四節気として、その季節にふさわしい名前を付けたものです。
“季節にふさわしい名前”は日本の気候からはちょっとずれた感じがしますが、それは二十四節気が古代中国の黄河流域の季節に基づいて決められたからだと言われています。

夏の二十四節気で残っているのは、小暑(しょーしょ)と大暑(たいしょ)になりました。

 小暑:梅雨明けが近く、本格的な暑さが始まる頃
 大暑:最も暑い頃

です。

四季二十四節気名太陽の黄経2005年の該当日(時刻)
小寒
285°
1月5日(15時03分)
大寒
300°
1月20日(08時22分)
立春
315°
2月4日(02時43分)
雨水
330°
2月18日(22時32分)
啓蟄
345°
3月5日(20時45分)
春分
3月20日(21時33分)
清明
15°
4月5日(01時34分)
穀雨
30°
4月20日(08時37分)
立夏
45°
5月5日(18時53分)
小満
60°
5月21日(07時47分)
芒種
75°
6月5日(23時02分)
夏至
90°
6月21日(15時46分)
小暑
105°
7月7日(09時17分)
大暑
120°
7月23日(02時41分)
立秋
135°
8月7日(19時03分)
処暑
150°
8月23日(09時45分)
白露
165°
9月7日(21時57分)
秋分
180°
9月23日(07時23分)
寒露
195°
10月8日(13時33分)
霜降
210°
10月23日(16時42分)
立冬
225°
11月7日(16時42分)
小雪
240°
11月22日(14時15分)
大雪
255°
12月7日(09時33分)
冬至
270°
12月22日(03時35分)




雑節(ざっせつ)とは、二十四節気以外の季節の変わり目をあらわしたものです。

下の表では、土用・彼岸はそれぞれの「入り」を指しています。

雑節名
太陽の黄経
2005年の該当日(時刻)
冬の土用
297°
1月17日(09時38分)
節分
2月3日
春の彼岸
3月17日
春の土用
27°
4月17日(06時56分)
八十八夜
5月2日
入梅
80°
6月11日(04時26分)
半夏生
100°
7月2日(03時27分)
夏の土用
117°
7月19日(23時13分)
二百十日
9月1日
秋の彼岸
9月20日
秋の土用
207°
10月20日(16時19分)


次に訪れる雑節は、半夏生(はんげしょう)です。

 半夏生:半夏という薬草の生えるころ。夏至から11日目。
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