さかなの回復日記

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ともだちのしるしだよ

2024-04-30 20:19:51 | 日記
 ともだちがいなかった人はいますか?子供時代、私はともだちがいませんでした。その理由のひとつは、私の家がお金持ちだったことにあるのかもしれません。この絵本を読んで、そう思いました。
 裸足で暮らさざるを得ず、水をもらうのに何時間も並び、着るものは寄付される古着をもらうしかない、そんな毎日を過ごす子供は、未来にどんな希望を抱くのでしょうか。そして女の子は、教育を受ける権利すら持たないのです。
 そんな日々に、ふたりの女の子が出会います。ふたりは一緒に水をもらう列に並んだり、男の子が学んでいる学校を覗き見したり、子守をしたりして、時を過ごします。けれど、難民キャンプという一時的な生活の場の常として、別れの日が訪れるのです。
 ともだち、という言葉は、ともすると排他的な響きを持ちます。しかし、一緒に生きようとした仲間は、間違いなくともだちと呼んでいいのかもしれません。世の中の理不尽に対して、なすすべもなく、ただ仲間と手を繋ぐしかない。そうやって生き抜くしかない。2024年にもなるのに、未だに人間は戦争を起こし、いがみあい、弱いものイジメをする。人類が仲良く暮らすことは、不可能なのかもしれません。けれどそんな世界の中で、誰かと手をつなぎ、殺人者の目から逃れて、生きようとする力。そんな力が、ともだちを作るのでしょう。
 私は大人になってから、経済的に困窮する中で、初めてともだちを作ることができました。一緒に生き抜こうと思える仲間です。つかず離れず、ちょうど良い距離感で、会えば心を込めておしゃべりをする仲間です。その友人達に会いたくて、私は毎日を生きている、と言っても過言ではありません。皆さんには、おともだちはいますか?

だれも知らない時間

2024-04-29 20:27:51 | 日記
 どことなく不気味さが漂うタイトルに惹かれて、ページをめくってみた。表紙には平和にお魚が泳ぐが、その後ろには意味深な大きな時計がある。
 皆さんは、長すぎる時間を持て余した経験はおありだろうか。西日のあたる部屋、またはシーンとした丑三つ時、または朝早く起きた時の手持ち無沙汰な感じ…。これからずっとこんな時間が続くのかと恐ろしくなった経験はあるだろうか。
 この物語の主人公は、日々をやり過ごすことにうんざりとしてしまった、百歳のカメだ。毎日眠って、毎日夢を見るのだが、その夢もだいたい同じものの繰り返しなのだ。
 そんなときに、カメはある青年と浜辺で出会う。
「貧乏暇なしで、もう嫌になる」
と愚痴る青年に、カメはある取引を申し出る。それは、時間を分けてあげる、というものだった。
 この物語を読んで思ったのは、人間が生きる時間と、海の中の生き物が生きる時間は、ずいぶんと違うものなのかもしれない、ということだ。時間はひとつではないのかもしれない。生き物によって、独自の時間があるのかもしれない。もしかしたら、人間ひとりひとりも、それぞれ違う時間を持っているのかもしれない。だから、寿命がみんな違うのかもしれない。
 そう考えたら、なんだか気が楽になってきた。人は人、私とは生きてる時間が違うんだと思えば、誰とも競争する必要も無いし、時間に追われる必要も無いし、待ち合わせに遅れたって仕方ないことだと思えるし、よくアドバイスとして言われる、規則正しい生活をしなさい、なんて嘘っぱちだって思える。
 なんだか嬉しくなった。さて、今日は少し夜更かししてみよう。明日の仕事に遅れたって、まぁいいさ。小さなことさ。私の生きる時間は、どのくらいの長さかな。わからないから、毎日のんびり生きてみることにしたよ。この絵本を読んで良かったな。
 

キスなんてだいきらい

2024-04-22 10:59:03 | 日記
 変わった絵本だ。読む前の予想では、キスなんてだいきらい、と言う子供が、最後には人の愛情というものに気づき、キスがだいすき、になるストーリーだと思っていた。ところが……
 一家はあまり治安が良いとは言えない地域に住んでいるのだろう。当たり前のように暴力シーンが出てくる。およそ絵本らしくない展開だ。
 始めのうちは、私はなんとなく拒否反応をしてしまって、途中で読むのをやめようかとも思った。しかし、読み進めるにつれて、暴力シーンにも慣れてきた。実際の社会や、子供の周りなんて、こんなものなのだろう。大人はよく、世間は世知辛いなんて嘆いたりするけれど、子供はその社会の風をよけるすべもなく、まともに受け止めている。
 さて、主人公は最後にはキスを、愛情をしっかりと受け止めるのだろうか、これは読んでのお楽しみ。私は正直なところ、このラストを未だによく消化できていない。皆さんは、いかがでしょうか。