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座右の書「輝やけ 我が命の日々よ」 西川喜作

2014年06月13日 | 病気
「座右の書」とは、【常に自分の手元に置いておき、その内容をいつでも引くことができるようにしてある本のこと。自分にとって参考になったり励みとなったりする本】、とのことです。

私にとって、その様な本は存在しないのですが、とても印象深い本なら一冊あります。

「輝やけ 我が命の日々よ」 西川喜作


この本を購入したのは1983年です。中学から6年間一緒の学校で、唯一大学時代まで遊んでいたI君を"睾丸のがん"で81年に亡くしていたからです。I君とはバイク友達でもありました。ハスラー400に乗っていましたね。
 
これは、高校時代です。宮が瀬の石小屋の先かな。橋は半原かな(神奈川県です)。大黒大橋を建設中の埠頭にも何度も行きましたね。要するに、当時最も付き合いの長い友人だったのです。棺も運びました。

最初の頃は、見舞い(大塚の癌研。今は有明に移転した)に行っても元気そうでした。しかし、僅か半年程で悪化、最期は充血した目とかすれた声で「俺は、もう駄目だ」。あとは会話できず、手での合図が精一杯でした。呼吸ができずに地獄の有様でした。当時は"緩和ケア"とか無かったのかも知れません。

私は、1983年の4~6月は、新人研修で規則正しい生活を送っていました(配属後は徹夜地獄)。丁度その時期に、TVで柳田邦男氏が、この本の番組をやっていたのです。医師がガン宣告されてから亡くなるまでの自著です。

Dr西川氏は、前立腺がんでした。I君は睾丸のがんが肺etcに転移して亡くなりましたが、私は前立腺=睾丸だと勘違いしていたので、番組に食い入りました。で、この本を買いました。

当時、私が何を感じたのかは、忘れました(情けないな)。しかし、その年に父が胃を半分程摘出し、抗がん剤治療に移って苦しんだ際に、この本を渡しました。

Dr西川氏は、術後の抗がん剤治療を途中で止めていたのです。その後、コンサート・ドライブ・ゴルフ・海外旅行にも行ってらっしゃいました。私は、I君も父もDr西川氏も抗がん剤で苦しんでいたので、その効果に否定的でした。吐き気を堪えてじっとしているだけですから。限られた時間が有効とは思えなかったのです。

父は、抗がん剤治療を中止しました。7年後(67歳)に胃に再発しましたが放射線のみで対応しました。 結局、胃がんは悪化せず、10年後の77歳に喘息&肺炎で亡くなりました。

父より「この本は良かったよ」「気持ちが分かるよ」と云われました。何度も熟読された跡がありました。

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今回、死に損なってこの本を読んでみたくなりましたが、2年前の引越しの際に全ての書籍を破棄したのでした(爆)。ですがAmazonで中古¥300で売ってました。便利な世の中です。

死に対する心理・・・思いや、在り方を考えさせられる良書です(と言うより壮絶なドキュメンタリー)。既に当時から「延命拒否の書類」を提出したり、「死亡挨拶」を書いたりと先進的な方でもありました。一方では貪欲に仕事や遊びに接するところも共感できます。というか見習いたいです。

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私も、漸く痛みが治ってきて起きていられる様になりました。まだ、1-2回/日は辛いのですがね。手術の跡は、もう痛みません。

現在の経過観察、他の今後の治療計画も7月末には見えてきそうです。今でも、もっと積極的に動かないと駄目ですね。時間が勿体無い。

親子二代に渡って役に立っているので、「座右の書」で良いのかも知れませんね。
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