畑隅を明るくしたる紫苑かな
キク科の多年草。
アジア北東部と西日本に広く自生しているほか、庭園などに植えられる。
茎は直立し、高さ二メートル以上に伸びる。
九月初旬頃、茎の上が分枝して、野菊のような淡紫色の花を多数つける。
畑隅に紫苑が満開となっていた。
紫苑はそこだけ明るくしていた。
風呼ぶや紫苑の揺れのしなやかに
畑隅を明るくしたる紫苑かな
キク科の多年草。
アジア北東部と西日本に広く自生しているほか、庭園などに植えられる。
茎は直立し、高さ二メートル以上に伸びる。
九月初旬頃、茎の上が分枝して、野菊のような淡紫色の花を多数つける。
畑隅に紫苑が満開となっていた。
紫苑はそこだけ明るくしていた。
風呼ぶや紫苑の揺れのしなやかに
此処よりは用水の道草の絮
イネ科やカヤツリグサ科などの草は秋に花穂を出し、実をつけるものが多い。
穂とは、花や実が群がりついたもので、その多くは目立たない花や実である。
ほおけた実を草の絮といい、風に乗って遠くへ運ばれていく。
野火止用水に沿った道がある。
その歩ける所に草の絮が多数見られた。
穂絮飛ぶほどのよき風賜ひけり
見上げたる青空に秋薔薇(あきさうび)かな
秋に咲く薔薇をいう。
薔薇は五月頃咲くので夏の季語となっているが、九~十月頃に咲くものがあり、後者をさす。
秋咲きは二度目のため樹勢に左右され、やや小ぶりで花数が少ない。
歩いていて青空を見上げると、秋の薔薇が高々と咲いていた。
涙することも仕合せ秋の薔薇
珊瑚樹の実や束の間の夕日受け
ガマズミ科の常緑高木。
本州の関東南部以西沿岸の山地に自生し、また防火樹や生け垣・防風林などとして栽培される。
六月頃、白色小花を多数円錐状につけ、九月頃、赤熟する楕円形の液果を結ぶ。
後に青黒く変わる。
、
季語は、この赤い実がたわわに生った秋の珊瑚樹のさまをいう。
街路樹の珊瑚樹が真っ赤な実をたわわにつけていた。
その実に、少しの間夕日が当たっていた。
珊瑚樹や図書館へ坂がかりなる
公園へ藤の実見上げ入りにけり
藤はマメ科の蔓性落葉樹。
実は一〇~一五センチの緑色の莢状をなす。
硬い果皮は細かい毛で覆われており、晩秋になってから完熟して灰緑色となる。
やがて冬には裂開し、種子が飛散する。
白い碁石のような実は炒って食べたり、薬用にしたりする。
公園の入口には藤棚がある。
そこでこの時期は。藤の実を見上げながら、公園の中へと入って行った。
藤の実や子供等の声聞かざりし