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ブログタイトルを変更しましたが特に意味はありません。

2011 台湾・ベトナム旅行 その4~基隆散策

2011年02月11日 17時36分10秒 | 旅――海外




念願のライスカレーに出会えたことで訪台最大の目的は達成できた。
相当に思い入れが強かったのだろう、“46號”を後にした瞬間、得も言えぬ充足感に加え、長年背負い続けてきた肩の荷が下りたかのような軽快感を感じ、同時に今いる『基隆廟口美食街』が先ほどまでとは違った情趣を持つ屋台街に映った。さっきは夢境を彷徨する感覚だったが、今は現実感が戻っている。浮き立つような気分は変わらないのだが、特別な場所としてではなく、「腹を満たす」という本来の目的を果たしたくなってきた。今度は、もう少し肩の力を抜き、台湾ならではのローカルフードを愉しんでみよう。


「台湾らしいもの」と言えば、魯肉飯(ルーロウ飯)を置いて他にない。「魯肉飯」を看板に掲げる屋台はいくつもあるが、その中でも、最もこぢんまりとして、年季の入ってそうなオヤッさんが黙々と働くこの“11號”で食べることにした。


「ルーロウファンください」と告げると間髪入れずに写真の魯肉飯が置かれる。てっきり丼で供されるものかとばかり思っていたが、本来、サッと掻き込んでサッと立ち去っていくファストフードゆえ、こうした一膳飯スタイルが一般的なのであろう。味だが、口に入れた瞬間、「うめえ」という言葉が自然と口を吐く単純明快な美味さがある。で、二口、三口と掻き込み続けていくと、今度は喉を通過するに際して“抵抗感”が生まれてくる。これを無理やり「ングッ」と嚥下するときの喉越しがたまらねえのだ。ちんたらとしたお上品な喰い方では決してこの“本質”には触れられないであろう。男の食い物である。




さすがに腹がパンパンになってしまったので一休み。廟街の中にもこんな立派な道教寺院が。今回の旅の安全をお願いする。


消化を促すために基隆廟口を離れ、港へと向かう。あのグリーンの船体……グリーンピースのキャンペーン船である。


かなり風が強い。雨が止む気配も無し。おまけに寒い。ここが沖縄よりもさらに南、八重山群島と同緯度にあることが信じられない。10℃以上あるので東京よりははるかに暖かいのだが、何故か骨身に染みるような寒さを感じる。やはり人混みが恋しい。基隆廟口へ戻ることにしよう。


「哈日族」とは日本の大衆文化にのめり込んでいる人々を指す言葉。10年近く前にブームとなり、TVなどでも採り上げられたりしていた(“ジャニーズの追っかけ”という切り口だったが)。一時期の盛り上がりぶりほどではないが、今でも根強いサブカルチャーとして、台湾の若者たちに影響を与え続けているようだ。




ツレが「いちご飴」を買ったので奪う。素朴な味で美味かった。




とっぷりと日が暮れた。帰りこそはリクライニングシート・指定席の対号列車“自強号”に乗りたい。ということで駅でもらっておいた時刻表を確認(自強号は本数が少ない)。約30分後に発車することが判明。それまでコーヒーを飲んで一息。


やや乗車券購入で手間取ったが、なんとか発車時刻ギリギリに乗車成功。


前の座席との間隔が広いわ、座席はリクライニングするわでとっても快適。やや古めかしい点も旅情感があって悪くない。外が寒かったこともあって、暖かい社内が天国のように感じる。


40分強で台北駅到着。この電車は台湾南部の高雄まで走る。このまま乗って行きてえなぁ。“弁當”でも買ってさ。


今日は我がザックジャパンのアジアカップ緒戦、VSヨルダン戦がある日。しかももうすぐキックオフ。ゆっくりと晩メシを喰っているヒマはない。


と、思ったのだが、台湾2日目にして未だ牛肉麺を喰っていないことに気付いた。こりゃまじぃっつーことで急いで麺の専門店を探索。何件かの候補の中で最も賑わっていたのがこの店。地元人とおぼしき人々で席が埋まっていることから、まず外すことはなさそうである。ということで軽く一杯掻っ込んでいくことにした。



もちろん頼むは牛肉麺(ニューロウミェン)。普通の牛肉麺と麻辣牛肉麺があったので、後者を頼む。ここも(大)か(小)を選べるようになっていたので、(大)を頼む。やっぱ牛肉麺といったら(大)なのである。


こちらは酸辣湯麺。猪血(豚の血にゼリー)入り。後に訪れるベトナム・ホイアンで食べたフォーにも同様の血の煮こごり(向こうは牛の血だったが)が入っていた。滋養の塊。

“麻辣”だけあって、ピリリとする辛みの後にジワーンと口中が痺れる中国山椒特有の刺激感が追いかけてくる。やや寒かったので、これくらいの刺激がちょうどいい。
スープは牛骨や筋で取られたもの。“まろやかなコク”というよりもムアッと牛の匂いが全体を包む力強さがあってなかなかよろしい。牛は牧草牛なのか、独特の臭いがあるが、牛肉特有の香りを好む向きにはむしろ好ましいものとなる。そしてスープ上に無数に浮かぶ大ぶりの牛肉の塊だが、香辛料と共にトロトロに煮込まれており箸で簡単にほぐれるほどにやわらかい。いや、たまらねえな。
麺は中太のちぢれ麺。しっかりとしたコシがあってこの力強いスープと絶妙にマッチしている。これなら汁なし麺の方も間違いなく美味いことだろう。
うっすらと汗をかきつつ夢中になって啜りまくって完食。美味かったぜ。



ついでにサッカー観戦の友(兼朝食)にと、チャーハンや和え物、胡椒餅などを買い込み、タクシーでホテルへ。


試合は1-1のドロー。センターバックの吉田麻也がオフサイドで取り消された幻の先制点、オウンゴール、ロスタイムの劇的な同点ゴールと、献上分も含め全得点を挙げるという、ある意味大車輪の活躍。まるで南アW杯前のイングランドとのテストマッチにおけるトゥーリオを見ているようだった。正直言ってかなり危ない試合だったが、面白くもあった。最大の見所は後半ロスタイム直前にオフェンシブな藤本淳吾を投入したザッケローニの強心臓。結果としてそれが日本を救う吉田麻也の同点ゴールを生み出した。まさに勝負師である。


台北駅そばの台湾省城隍廟。ビルの狭間にある寺廟。今度は、こういった寺廟をめぐる旅もしてみたいなー。


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