始まりに向かって

ホピ・インディアンの思想を中心に、宗教・心理・超心理・民俗・精神世界あれこれ探索しています。ご訪問ありがとうございます。

才能の交易こそ新しい経済・総理大臣としてゼロ円革命・・2011年に新政府をつくった坂口恭平さん

2013-05-05 | 野生の思考・社会・脱原発



2013年1月10日 朝日新聞に、すごく素敵なインタヴュー記事が載っていました。

当ブログで結構長々とご発言をご紹介させていただいている宗教学者中沢新一氏を、ご自分の“国家”の“文部科学省大臣”に任命なさった“ツワモノ総理大臣”でいらっしゃいます。


 
               *****


             (引用ここから)


「才能の交易こそ新しい経済・総理大臣としてゼロ円革命・・2011年に新政府をつくった坂口恭平さん」



2011年5月10日に新政府をつくり、総理大臣になりました。

現政府は機能不全におちいっている。

でも無政府状態はよくないので自前でつくろうと。

国民は現在、僕のツイッターをフォローしている35000人。

熊本市内の敷地面積200平方メートル、築80年、家賃3万円の一戸建てが首相官邸です。

生存権の死守、これが新政府の政策です。

死にたくなったら、命の電話。

僕の携帯電話の番号を著作やインターネットなどあらゆるところに公開し、この1年で2600人くらいと話しました。


「大変でしょ?」とよく言われますけれど、これ、お金稼ぎですから。

経済活動としてやってるんです。


だって僕は「人間」を「お金」って言ってますから。


「人間自体を貨幣化する」というのが、ネクストジェネレーションの社会です。


「円」が「人」に代わり、「人」を集める行為がこれからの主流になるんですよ。

その「お金」が、俺んとこにチャリンチャリン来てるんですから。
ゴールドラッシュみたいなもんですよ。

ありがとうって。
いつかは一緒に動くぞ、っていう「貯金」です。

“貨幣化”されたくてうずうずしている人は、いっぱいいますよ。

「これなんとかしてください!」って朝から頼られたら、超うれしいっしょ?

そういうのが、今無いんですよ。

必要とされること。人に喜んでもらえること。

それこそが生き延びるための技術です。



俺の「命の電話」に「死にたい」って電話してくるやつはだいたい友達がいないから、「俺がお前の友達になる。困ったときはいつでも俺に電話しろ」って。

「今まで誰からも認められたことがないんだろ?」
「はい」
「何かつくっているなら作品を送れ。とにかく見るから」

そんなんでだいたい落ち着いてきます。


「人間バンク」を作ろうって言っているんです。


日本銀行券なんかいらない。

人間自体を貨幣化し、それぞれの才能を交易させる。

とにかくみんなで協力しあおうと。

なぜならば、みんな豊かになるぞって。

お前の300万円で俺がやってあげるよって、日本銀行券でも交易可能です。

お金儲けがうまいやつは「お金農家」みたいなもんだから、その才能は生かした方がいい。

だけど日本銀行券はワン・オブ・ゼム。

ヒエラルキーを作らないことが重要です。


なにより人に会うこと。

互いの「才能」という貨幣を、身振りを使って交換するのだから、インターネットだけじゃだめです。

うまくいった人は出て、自分の「国」を作れと。


ウチは卒業制度ありますから。

相互扶助とかじゃない。

俺の場合は、ただのギブです。

「贈与」できるって豊かさの象徴でしょ。

自然がそうですよ。

雨がわーと降って花に水をくれる。

でも誰も返してくれなんて言いません。


curency(通貨)って、もともと「海流」って意味ですから。

地球の自然活動としての「流れ」を、もう一回つくるイメージです。


これは俺の創造的欲望ですから。

「俺がやりたいから勝手にやる」、というのがポイントです。

善意とか社会貢献とかだったら疲れますけど、創造は楽しくってしょうがない。

いつしか最後は、「俺の夢だ」って言いますから。

俺の妄想にお前らが勝手に加担しているだけ。


だから責任は問わないし負わない。

あくまでも非暴力不服従。

ゼロ円精神によるゼロ円革命。


社会を変え得るためには、一回外れなきゃいけないんですよ。

でもみんな、「円」がないと怖い、という妄想に囚われすぎている。

社会に不満があっても、自分が悪いという思考回路になっていて、それが3万人を自殺に向かわせています。


だから僕らが行動してみせる。

一番初めに海に飛び込んで、実は泳げるってわかったペンギンみたいなもんですよ。


みずからをいけにえにして、ゼロ円で豊かに生きていけるという態度を「贈与」する。


そして僕があなたに与えたものは、僕に返さず、他者に返す。


それが新しいエコノミクスを呼び起こすわけ。


才能の交易による新しい経済共同体をつくる。


やろうとしているのは現行の意味での政治じゃない。

芸術(アート)です。


アートの語源は「生き延びるための技術」。

これを見せてあげなきゃいけない。


政治は語るな、つくれ。

芸術は語るな、つくれ。

やりゃあいいじゃん、って。


「ゼロセンター」と名付けた「首相官邸」は、福島第一原発事故の放射能から逃げてくる人の避難所として開放しました。

宿泊費も光熱費もゼロ円。

困っている人を無償で助けるのは当然です。

「公人」ですから。

1か月で100人以上が宿泊し、そのうち60人くらいが熊本に移住しました。


1月10日からは、東京渋谷にある7LDKの二階建ての一軒家を家主さんがゼロ円で貸してくれたんで、「青山ゼロセンター」として仮設ユートピアにします。

2週間限定。「政府」の「国民」で、今やっている新政府展のパスポートチケットをもっていれば、飯も宿泊もゼロ円。

国民皆大臣制度なので、料理が得意な人は食事大臣、掃除がうまい人はお掃除大臣。

自分がなに大臣なのか自分で決めて、できることをやれと。


「俺、なにやったらいいですか?」なんていう質問は一切受け付けていませんから。

いいでしょ、この無敵な感じが。


無敵もなにも、なんにも攻撃しようとか思ってなくて。

あ、そうすか、すみませんって。。

 
          ・・・

        (電話が入る)

「はい坂口です。死にそうなの?大丈夫?、、自分に深刻になるな。
他者のためにだけ行動しろよ。
もう一回やばかったら電話して。
声はまだ大丈夫そうだから。
はいよ、じゃあね。」

          ・・・


人が悩む、社会が荒れている時っていうのは、とにかく言葉がない。

だけどまさに今、新しい言葉や言葉のつながりが生まれようとしている。

芸術の時です。

音楽も演劇も絵も言葉ですから。


俺はそのテキストを織り込んで、テキスタイルにしていく。


絨毯を作って、「みんな座れ」、って言うわけです。

「居心地いいっしょ?」って。


現政府に文句言うより、自分で政府つくった方が早い。

「憲法9条守れ」とか言うより、「戦争に行けと言われても行かない技術」を身につけろって。


他者を変えずに己を変えろ。

選挙も一緒ですよ。
行くからおかしくなる。

熊本市は総選挙の投票率56%。

どんだけ新政府寄りですか、っていう。

しかも無効票率が過去最大って、、絶対みんな俺の名前書いてるっしょ?


「命の電話」を始めたら、去年の自殺者が3万人を切りそうですしね。

いいですね。

いい感じに世の中が狂ってきている。


昔はこういう話をすると頭がおかしいみたいに言われてたんですけど、3・11みたいなのが起きると一気に反転する。

オセロといっしょです。

自然がやっぱり人間を変えていく。

今年もどんどん行きますよ。うん。

で、あなたは何大臣ですか?

     
            (引用ここまで)



           *****



>死にそうなの?大丈夫?、、自分に深刻になるな。
>他者のためにだけ行動しろよ。


うーん、鳥肌たつっていう感じですね!

超サイコー!

表現方法が最高!

お釈迦様も、インディアンも知っている知恵を、この人は今、「現在の言葉」で伝えようとしている。

これが説法でなくて、なんでしょう?

しかも、断固として説法なんて言葉を拒否する。

この人は、時代の寵児だと思いますね~。

さて、これからどんだけになるか、超たのしみですー!



関連記事

「脱原発」カテゴリー全般
「ホピ」カテゴリー全般


「ブログ内検索」で

中沢新一    15件

などあります。(重複しています)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 歌よ、平和につながって・・... | トップ | ベルベル人の祭りが再開・・... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

野生の思考・社会・脱原発」カテゴリの最新記事