前回、言っていました様に8GについてもLTspiceによる電気的クロスオーバー推定をやってみました。LF側とHF側のレベルを合わせるためのアッテネータはレベル合わせ後を見たいと言う意味で不要なので除外しています。赤字追加10/27青字追加10/28緑字改訂
改訂版では、LF+HFの合成出力をグラフの水色の線で追加しました。(11/12)
■1)LTspiceの結果1 オリジナル版NWのC容量で、L値は当方のLCRメーターでの実測値
これは以下。ウーハー(LF)はR2の上側、ツイータ(HF)はR1の上側です。
これで見ると、クロスオーバー周波数は交点と見て1.77KHzです。604Eの1.3KHzより高めで繋いでいることが判りますが、1.3KHzのマルチセルラの共振ディップを消すために急峻になっています。LF側は5KHz~10KHzの間で見て12db/Oct位で落ちています。HF側は18db/Oct位で落ちています。両方単体と同じ減衰量です。これは直列型NWに対する並列型NWの優位点と言えます。
しかし、クロスオーバー周波数でー10dbなのがどうも気になります。位相・トポロジーはともかく、フラット帯域を1としてクロス点で0.5倍のー6db以上はないと合成して1にならない。
【以下改定で追加箇所】
【水色の線でLF+HFの合成出力を追加していますが、クロスの1.77KHzでー4dbです。尚LFとHFが位相反転するのは、水色の点線がー180度になる周波数ですが、2.1KHzです。クロスと離れているのでディップしにくいと思いますが、実際はディップしているのは良く判りません。】
これを実際にこの条件で音圧をFFTで採った物と比較してみると、
マイク位置10cmの超二アーで採った音圧のFFTでは、①を見ると確かに1.8KHz辺りにクロスと思われるディップがありますので位相は反転しているもののLTspiceのクロスとは合っています。
■2)LTspiceの結果2 LF側のC容量ダウン改造版NW(LF側のCを21μFから15μF化)⇒現在使用条件
10/2にアップしたLF側のCを21μFから15μF化した場合も見てみました。クロスが高くなっていることを期待しました。結果は、
おや、これはどう見てもオリジナル版NWのC容量のものとほぼ同じでクロスは1.77KHzです。右側のスピーカーを想定して、元の21μFに直列に繋いだ古い49μFでESR損失を純抵抗2.5Ω(LCRメーター実測値:電解コンのESRは1KHzまでなだらかに低下して以降はコンスタントなので一定値で改定)で表しています。マイクで拾った音圧のFFTでは確かに1.8KHzのディップがなくなりましたのでクロスは高い方に移動したはずですが、シミュレーションは変わっていません。ESR損失の2.5Ωの影響は、多分LF側の減衰率が、5KHz以上で12db/Oct位から鈍っており、10KHz以上では5db/Octになっていることに現れているのではと思います。
これも、クロスオーバー周波数でー10dbなのがどうも気になります。この辺りは、ALTECの天才エンジニアと言われたビル・ハニャック氏らが完成形また過去最高の音だという認識を持っていた606-8Hのネットワークも見てみたいと思います。
【改訂版追加】
【水色の線でLF+HFの合成出力を追加していますが、クロスの1.77KHzでー4.3dbです。尚LFとHFが位相反転するのは、水色の点線がー180度になる周波数ですが、2.2KHzです。クロスと離れているのでディップしにくいと思いますが、2.1KHz⇒2.2KHzが効いているのでしょう。】
■3)LTspiceの結果3 オリジナル版NWのC容量でコイルのインダクタンス値を1.2倍
■1)ではLCRメーターで測定したコイル値を使いましたが、このLCRメーターはJantzen Audioのコイルを測った時に定格の2割低い値を示したので、2割り増しのインダクタンスに変更してみました。
この場合は、クロス周波数が1.58KHz位になっていますので、■1)に比べて0.19KHz位低くなっています。どちらが正しいインダクタンスかは?ですが、参考です。
【改訂版追加】
【水色の線でLF+HFの合成出力を追加していますが、クロスの1.58KHzでー10.3dbです。尚LFとHFが位相反転するのは、水色の点線がー180度になる周波数ですが、1.92KHzです。】
これを実際にこの条件で音圧をFFTで採った物と比較してみると、
HFは、FFTでは⑤で見て1.9KHz位から18db/Octで降下しているのに対して、LTspiceではもう少し高い2.2KHzから降下しているように見えますが、■1)の場合はもっと高い2.5KHz位から降下していますので、インダクタンスは1.2倍した値が正しいように思います。でもLF側はFFTが⑥で見て1.4KHz位から落ちているのに対し■3)では0.8KHzから落ちていて、■1)では1KHz位から落ちているのでこちらは■1)の方が近い。こちらで見ると■1)のLCRメーターの方が正しいように見えます。微妙です。
しかし、⑧のLFの結果が■2)で出ないのは何だか不思議です。
改訂版では、LF+HFの合成出力をグラフの水色の線で追加しました。(11/12)
■1)LTspiceの結果1 オリジナル版NWのC容量で、L値は当方のLCRメーターでの実測値
これは以下。ウーハー(LF)はR2の上側、ツイータ(HF)はR1の上側です。
これで見ると、クロスオーバー周波数は交点と見て1.77KHzです。604Eの1.3KHzより高めで繋いでいることが判りますが、1.3KHzのマルチセルラの共振ディップを消すために急峻になっています。LF側は5KHz~10KHzの間で見て12db/Oct位で落ちています。HF側は18db/Oct位で落ちています。両方単体と同じ減衰量です。これは直列型NWに対する並列型NWの優位点と言えます。
しかし、クロスオーバー周波数でー10dbなのがどうも気になります。位相・トポロジーはともかく、フラット帯域を1としてクロス点で0.5倍のー6db以上はないと合成して1にならない。
【以下改定で追加箇所】
【水色の線でLF+HFの合成出力を追加していますが、クロスの1.77KHzでー4dbです。尚LFとHFが位相反転するのは、水色の点線がー180度になる周波数ですが、2.1KHzです。クロスと離れているのでディップしにくいと思いますが、実際はディップしているのは良く判りません。】
これを実際にこの条件で音圧をFFTで採った物と比較してみると、
マイク位置10cmの超二アーで採った音圧のFFTでは、①を見ると確かに1.8KHz辺りにクロスと思われるディップがありますので位相は反転しているもののLTspiceのクロスとは合っています。
■2)LTspiceの結果2 LF側のC容量ダウン改造版NW(LF側のCを21μFから15μF化)⇒現在使用条件
10/2にアップしたLF側のCを21μFから15μF化した場合も見てみました。クロスが高くなっていることを期待しました。結果は、
おや、これはどう見てもオリジナル版NWのC容量のものとほぼ同じでクロスは1.77KHzです。右側のスピーカーを想定して、元の21μFに直列に繋いだ古い49μFでESR損失を純抵抗2.5Ω(LCRメーター実測値:電解コンのESRは1KHzまでなだらかに低下して以降はコンスタントなので一定値で改定)で表しています。マイクで拾った音圧のFFTでは確かに1.8KHzのディップがなくなりましたのでクロスは高い方に移動したはずですが、シミュレーションは変わっていません。ESR損失の2.5Ωの影響は、多分LF側の減衰率が、5KHz以上で12db/Oct位から鈍っており、10KHz以上では5db/Octになっていることに現れているのではと思います。
これも、クロスオーバー周波数でー10dbなのがどうも気になります。この辺りは、ALTECの天才エンジニアと言われたビル・ハニャック氏らが完成形また過去最高の音だという認識を持っていた606-8Hのネットワークも見てみたいと思います。
【改訂版追加】
【水色の線でLF+HFの合成出力を追加していますが、クロスの1.77KHzでー4.3dbです。尚LFとHFが位相反転するのは、水色の点線がー180度になる周波数ですが、2.2KHzです。クロスと離れているのでディップしにくいと思いますが、2.1KHz⇒2.2KHzが効いているのでしょう。】
■3)LTspiceの結果3 オリジナル版NWのC容量でコイルのインダクタンス値を1.2倍
■1)ではLCRメーターで測定したコイル値を使いましたが、このLCRメーターはJantzen Audioのコイルを測った時に定格の2割低い値を示したので、2割り増しのインダクタンスに変更してみました。
この場合は、クロス周波数が1.58KHz位になっていますので、■1)に比べて0.19KHz位低くなっています。どちらが正しいインダクタンスかは?ですが、参考です。
【改訂版追加】
【水色の線でLF+HFの合成出力を追加していますが、クロスの1.58KHzでー10.3dbです。尚LFとHFが位相反転するのは、水色の点線がー180度になる周波数ですが、1.92KHzです。】
これを実際にこの条件で音圧をFFTで採った物と比較してみると、
HFは、FFTでは⑤で見て1.9KHz位から18db/Octで降下しているのに対して、LTspiceではもう少し高い2.2KHzから降下しているように見えますが、■1)の場合はもっと高い2.5KHz位から降下していますので、インダクタンスは1.2倍した値が正しいように思います。でもLF側はFFTが⑥で見て1.4KHz位から落ちているのに対し■3)では0.8KHzから落ちていて、■1)では1KHz位から落ちているのでこちらは■1)の方が近い。こちらで見ると■1)のLCRメーターの方が正しいように見えます。微妙です。
しかし、⑧のLFの結果が■2)で出ないのは何だか不思議です。