オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

620Aの604-8Gの カットオフ付近でのトーンバースト波の周期評価によるカットオフ再確認

2021-02-27 09:41:32 | スピーカー評価
 前回は、カットオフ2.5KHzでは電気的な波の周期(0.4mS)より紙のコーンのウーハーは周期が遅く、軽い金属ダイヤフラムのツイータは電気的な波の周期より短くなり、両方鳴らして合成した場合は電気的周期に近くなるが、より低い1KHzまでのカットオフ周波数ではどうなるのか確認してみました。
 2.5KHzのサイン信号を1波出しても、ウーハーは1波の1.5KHzを出し、同軸は1波の2.78KHzを出し、両方で駆動したら2.1KHzを出すということが判った。
 今回は1KHz~2.5KHzまでの1波トーンバーストの周期を各ユニット別にグラフ化して傾向を分析し、更にそれらから得られた知見でカットオフを変えてみた場合の聴感でベストなカットオフを探ってみました。
 3/2 青字追記し、■2)のF特に両方駆動を追加しました。
 
 ■1)620A(604-8G)のF特 (フィルタ無しのユニット)
 先ずは、各ユニットが裸(NW無し)でどの程度まで出ているか帯域を確認してみました。マイク位置は10cmの距離で超ニアー。


 上段が、R(右)側で、下段が、L(左)側、左はウーハーで右が同軸ツイータです。
 ウーハーは、2.5KHzまで、同軸ツイータは1.5KHz以上は出ているのかなというところです。

 ■2)620A(604-8G)のF特 (低QレシピーNo.22でのデジチャン使用時)
 これは、

  上段が、R(右)側で、下段が、L(左)側、左はウーハーで中央が同軸ツイータ、右は両方駆動です。
 ウーハーは、裸では2.5KHzまでフラットでしたが低QレシピーのLPFをかますと1.8KHzから下がります。同軸ツイータは裸では1.5KHz以下で下がる感じでしたが、低QレシピーのHPFをかますと1.8KHz以下で下がるようにスロープが急峻化するところです。
 R側は1.8KHzが若干ピークがありますので、HPFのカットオフを1.8KHzにすればフラットには近づきますがF特よりは風波数(周期)の偏差を下げる方が音的には優先するのでこのままとします。

 ■3)620A(604-8G) R側のLFとHF 低Qでのカットオフ1~2.5KHzでのトーンバースト波形周期のグラフ
 前回の■2)、■3)のデータをグラフ化すると、横軸はカットオフの周波数ですが、

 ピンク線がLF(ウーハー)青線が電気信号黄色線がHF(同軸の1波目)水色線がHF(同軸の2波目)紫線がステレオ駆動した場合です。
 紫色のステレオの周期(周波数)は青色の電気信号のそれとほぼ近いですが、1KHzでは黄色の同軸が下に乖離し過ぎており、逆に2.5KHzではピンク色のウーハーが上に乖離し過ぎています。ですので周期を正しく再現するにはクロス領域は1~2KHzの間である必要があります。

 ■4)620A(604-8G) R側のLFとHF 低Qでのカットオフ1~2.5KHzでのトーンバースト波形の単体ユニットの周期のアップ&ダウン率
 ウーハーは電気的信号より周期が長くなるが、そのアップ率は前回の■2)、■3)から、1KHz(20%アップ)、1.5KHz(36%)、2KHz(60%)、2.5KHz(67%)となる。
 同軸ツイータは逆に電気的信号より周期が短くなるが、そのダウン率は、1KHz(52%ダウン)、1.5KHz(40%)、2KHz(36%)、2.5KHz(10%)となる。
 これをグラフ化すると、横軸はカットオフの周波数ですが、

 両ユニットのクロスする周波数(~1.6KHz)でのみ単体ユニットの領域での周期のアップ&ダウン偏差が40%を超えない範囲に抑えられる。
 両ユニットの周期偏差40%以下を優先させた場合は、1.6KHzがカットオフとして最も良いことになる。ALTECの公称カットオフは1.5KHzなのでそこまで評価していたと言うことか。(グラフ中の黄色の▲点は同軸の付帯波の第2波ですが概ね度同軸の1波と傾向は同じですがダウン率は小さい。)

 両方駆動した場合は、水色の線ですがカットオフ2KHzまではアップ率が10%以下、2.5KHzでも17.5%ですので両方駆動している状態のカットオフでは乖離は少ない。

 ■5)同上で電気的信号との周期比
 横軸はカットオフの周波数ですが、

 これを見ると、電気的な周期からの偏差を20%以内にするには、ウーハーは1KHz以下、同軸は2.3KHz以上である必要があります。
 このグラフから、偏差20%を超える1KHz~2.3KHzの間については、両方鳴らすという選択肢があります。■1)からカットオフ付近の音圧がほぼイーブンの所では周期の偏差を両方駆動にすることで無くすことができますが1KHzでは同軸の偏差が大きく、2.5KHz付近ではウーハーの偏差が大きくなります。従って、1KHz~2.3KHzの更に領域を狭くしていくと言うのが周期をカットオフ付近で1に近づける為の1つの方法と言うことになります。(グラフ中の水色の×点は同軸の付帯波の第2波ですが概ね度同軸の1波と傾向は同じですがダウン率は小さい。)

 現状、ウーハーのカットオフは1.8KHzまで引っ張っているので周期比は1.5倍位まで上がっていて、同軸のカットオフは1.5KHzまで下げているので周期比は0.6倍位つまり偏差は4割と言うことになります。概ね1~2.3KHzの間は両方のユニットが混じりますので周期がある程度両者の中間に収束する効果が見込めます。

 そういうことを考えると、知人に協力してもらって聴感重視で到達した現状の低Q(=0.642)レシピー(ウーハーはLPFで1.8KHzまで引っ張り、同軸はHPFで1.5KHzまで下げる。グラフ下の⇔が両カットオフ点)が正にその方向になっていることが判ります。尚両ユニットのオーバーラップ領域は、□で示していますが、これは単体ユニットが~ー6db以上になる領域を取っています。

 ■6)聴感でのカットオフ周波数の設定再確認
 聴感&前回の■2)の付帯波の少なさを優先させて1/25以降は、2.5KHzカットオフにしました。2KHz以下は電気的周波数より低めにシフトしていることになります。聴感上はウォームトーンで非常に聴きやすいが細部がぼやけます。
 レシピーとしては理論的な周期偏差の最適周波数1.6KHzも作ってはいます。これも2/2から聴いて見ましたが、こちらはカットオフ2.5KHzで引っ込んだスネアーが前に出てきて、ハーシュネスを感じます。鋭い切れ味があるのですがどうもバランスが悪い。
 結局2/9からは、従来の低Q(=0.642)レシピーNo.22(ウーハーはLPFで1.8KHzまで引っ張り、同軸はHPFで1.5KHzまで下げる)が、上記の両方の欠点を解消できると聴感では感じそれに戻っています。聴感で特に感じるのは、ピアノやスネアーやバスドラ等の打楽器の弾み感が大きく改善されている事で、原因は主にウーハーに遅延をかけていること及びカットオフのオーバーラップと思います。
 低Q(=0.642)レシピーNo.22:2Way L:無し、M(ゲイン0db):HPF無し&LPF1.8KHz(Q=0.642)遅延はR161mm L143mm、H(ゲインー5db):HPF1.5KHz(Q=0.642) アドオンで2405Hをー12db同軸比で落とし1次パスコン2.2μF

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