オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

ケニードリュートリオ

2021-09-22 15:14:56 | ジャズ
 大学時代にケニードリューのルビー・マイ・ディアーが流れているのをFMで聴いてこのLPを入手して良く聴いていました。当時のお気に入りの曲でした。
 9/24青字追記 今日『チコちゃんに叱られる!』を漫然と見ていたら、家電の話が出てきてオーディオのコンセントの極性の話題になった。コンセントの左がコールド側で右がホット側という説明があって、オーディオ(多分アンプと音源(CD・ネットワークプレイヤー等)かな?)でこの極性(プラグを刺す方向)で音が異なるという説で、極性を変えて2曲聴いてどちらの極性が音が良いかを被験者3名で20歳代、30歳代、40歳代が聴いて答えるものであった。1曲目はベートーベンの運命で2曲目はビートルズだった。どちらも後で鳴った方が極性が合った良い音で正解だった。当方も後で鳴った方が高域が澄んでいると感じたので合格だった。40歳代のみ両方間違えていたが、私は66歳だが高域はまだ大丈夫のようです。知人のブルームーンさんもこのことは言及しておられたしネットでも出ていますね。

 ■1)ケニー・ドリュー
 ケニー・ドリュー (Kenneth Sidney "Kenny" Drew、1928年8月28日 - 1993年8月4日)は、ハード・バップ・ピアニストの一人。アメリカ合衆国ニューヨーク出身。5歳の頃から母親にクラシック・ピアノを習う。メロディアスかつ優美なタッチで米国で活躍したが、60年代以降はヨーロッパ及び日本で人気を集めた。 息子のケニー・ドリュー・ジュニアもジャズ・ピアニストとして活動している。

 ■2)ケニードリュートリオ
 若きケニー・ドリューの名盤として知られる1956年9月20日、26日N.Y.C.録音盤。LPジャケットは以下

 スイングジャーナル選定のゴールドディスクの帯が付いています。懐かしいな!70年代後半にリバーサイド盤が復刻された際の一枚。当時のドリューは後年のヨーロッパでのスタイルとは少し違って黒人特有のブルースに根差した明確なラインと強力なタッチ、粘りとエモーションに支えられた歌心を持ってプレイしている。後のダークビューティー等とは大分違いますね。これぞハードバップのピアノトリオという感じかな。

 ■3)ルビー・マイ・ディアー
 この曲は、セロニアス・モンク作曲で、モンクがお姉さんマリオンの友人のルビーに恋をしてそのルビーに捧げた曲である。表面的には流麗な美しいメロディで、聴いている分については良いが、コードの流れが複雑で実際演奏しようとすると凄く難しいプレイヤーにとっては難曲です。
 色んなジャズメンが取り上げていますね。それぞれの感想は、
 ①モンク:これは’69年の映画”ストレートノーチェイサー”の中のプレイが短いですが良いです。モンクにしては、軽やかに流れるようにプレイしており恋心を爽やかに表現して好感が持てる。ソロモンクでの同曲は訥々過ぎる感じがします。
 ②マッコイ・タイナー(’75年のアルバム”TRIDENT”):少し饒舌過ぎると思うが、タイナー流のゴージャスで流麗なプレイが楽しめます。
 ③トレーン:これは師と仰ぐモンクと共演したもので、”セロニアス・モンク・ウィズ・ジョン・コルトレーン”(’57年4月~7月)のプレイ。モンクは淡々と語るように個性的なのに対し、トレーンは先ずはストレートに1STアルバム風に吹くが、アドリブでは適度に音数を増やしビートを細かく刻むシーツオブサウンドを聴かせてくれます。
 ④カーメン・マックレー:’88年8/14 のNewport Jazz Festival のがclearな声でゴージャスに歌ってくれているのが良いですね。テナーのソロも中々のものでしたが。
 ⑤今回のケニードリュートリオ:タイナーのように饒舌でもなく、モンクのように訥々としたもどかしい恋心を表すでもなく。抑制が効いているが深いエモーションを抱いた初恋の人への思いをあくまで粛々と抑制的に或いは客観的に表しているのが愛おしい感じがします。

 ■4)ケニードリュートリオの中で気になった曲
 サイドメンは、マイルスのグループに当時居た、ベース:ポール・チェンバースと、ドラムス:フィリー・ジョー・ジョーンズです。
 当時のマイルスコンボのリズムセクションに上手くインスパイアーされてブルースフィーリングに支えられた粘りとエモーション、さらに力強いタッチなどがすでに聴かれ、好演を聴かせてくれる、名盤と思います。私は、1と3と5と6がお気に入りです。

1.キャラヴァン(D・エリントン&ファン・ティゾールの合作4:51):イントロは、ドラム⇒ベース⇒ピアノ。テーマに移ってからは、一気にアドリブの世界へ。パウエル流の流れるようなアドリブ。疾走感が心地よい。リズムセクションはフィリーの煽り方が凄い。煽られたドリューが熱狂的に疾走する。これぞハードバップって感じ。

2.降っても晴れても(ハロルド・ア―レン作曲6:03):ピアノイントロから直ぐにテーマに。エヴァンスのリリカルな同曲とは違ってコミカル&ファンキータッチで陽気に弾き切る。いかにもハードバッパーと言う感じ。ドリューの3コーラスのソロ後のチェンバースの1コーラスのピチカートもいつも通りノリノリ。

3.ルビー、マイ・ディア(セロニアス・モンク作曲5:41):ピアノソロの印象的なイントロがあってテーマへ。リズムセクションが入ってからは一気に華麗なドリューのアドリブの世界へ。アドリブは淡々として且つ清楚で美しい。

4.ウィアード・オー(K・ドリュー作曲4:01):ピアノの軽快なイントロからテーマへ突入。アドリブはバップテイストの切れの良いアドリブ。チェンバースのアルコも軽やかに弾きこなす。ドラムとのオンテンポの4バースを経てエンディングへ。これぞドリュー節って感じ。

5.テイキング・ア・チャンス・オン・ラヴ(ヴァ―ノン・デューク作曲4:37):いきなりのピアノテーマからアドリブが3コーラス。その後の1コーラスのベースのピチカートも定番の安定性で弾きこなす。ドラムとの4バースもお決まりのように気が利いている。エンディングではドラムが1発入ってアクセント。

6.星に願いを(ピノキオの挿入歌リー・ハーライン作曲5:13):テーマのピアノイントロから厳かに。そこからは夢見るようなスイートな気分の美しいアドリブ。リズムセクションが入ってきてここからは華麗でゴージャスでリリカルなアドリブを聴かせてくれる。エンディングはベースに沿われてスイートに

7.ブルース・フォー・ニカ(K・ドリュー作曲5:24)ケニーのオリジナル:ファンキーなピアノイントロより。リズムセクションが入ってきてブルースフィーリング溢れる深い情感の籠ったアドリブに。その後ベースのピチカートソロがスインギーなウォーキングベースを聴かせる。テーマに戻ってブルースコードを軽やかに披露してエンディング。

8.イッツ・オンリー・ア・ペイパー・ムーン(ハロルド・ア―レン作曲6:22):軽快なミディアムテンポのテーマよりアドリブへ。アドリブはアイデアも豊富で引き出しは幾らでもあると言う感じ。途中、流れるような速いパッセージも時に交えファンキーでスインギーなソロが聴ける。次のチェンバースのピチカートもノリノリで時折入るピアノのリズムが上手く隠し味で効いているしフィーリングが粋だ。お決まりのフィリーとの4バースが入ってテーマに戻ってエンディング。
コメント
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