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NANO-MUGEN FES. 2009 @Yokohama Arena 07/20/09

2009-07-22 | performance


ASIAN KUNG-FU GENERATION(以下アジカン)が主催するフェス、NANO-MUGEN FES.が横浜アリーナで2日間開催され、2日目に行ってきた。
開演は正午だったが、少し早めにアリーナ前で友達と合流。入場は長蛇の列だったが、止まることなくスムースにすんなり中へと進むことができた。
先に腹ごしらえをと思い、フード・エリアに行くと、お好み焼きや佐世保バーガー、讃岐うどん、宇都宮餃子、ラーメン、カレー、天むすなどなど、様々な美味しい食べもの屋さんが出店。目移りしたが、まだ汗が引いていなくて温かいものは体が拒否したので、私は冷やし讃岐うどんにした。美味しかった。
このフェスは、当日会場に行ってからでないと出演順が分からない。タイム・スケジュールがマニックスのキャンセルで変更になったので、確認しながらどう行動するかを打ち合わせ。
まずは、スタンディング・エリアに入り、前方真ん中のブロックに入り、左端辺りが空いていたので、そこで開演を待った。
楕円形のアリーナを縦長に使うのではなく、横長に使用していたので、横に広いがその分後ろでもステージにかなり近い感じがした。
モニター・ヴィジョンでは出演バンドのPVが流れる中、場内には飛行船が飛んでいたりしていて、お祭り気分を演出。


━まず、アジカンのメンバーふたりがステージ袖に出てきて、オープニングの挨拶。

【Farrah (ファラー)

当初は、入場時のオープニング・アクトとしてセッティングされていたのだが、急遽ステージでの演奏となったFarrah。フル・セットではなく、Vo.とベースのふたりだけのアコースティック・セットだった。
ちょっとBMX Bandits(BMXバンディッツ)のDouglas(ダグラス)に似ているVo.のJez(ジェズ)は、“スッゴイネ!” を連発。Michelle(ミシェル)は、細い体でベースを弾く姿がカッコ良かった。綺麗な女性がベースを弾く姿って、本当にカッコいい。
Farrahの音楽は初体験だったが、ふたりの美しいハーモニーと、ポップで爽やかなメロディが印象的で、す~っと入って行けた。
“とっても悲しい曲です” と言って、キーボードの弾き語りで歌った曲がとっても美しくて感動。
ハンド・クラッピングとコーラスを会場に促し、“スッゴイ! カンペキ! スッバラシイ!” と言ってとっても満足そうだった。
“次の曲が最後の曲” と言った時は、“えっ!? もう?” と思うくらいアッという間で、もっと聴きたかった。アルバムを聴いてみようと思う。

【サカナクション】

全くどういう音楽をやるバンドかは、この時まで知らず。エレクトリックなスペース・ミュージックという感じだった。
このバンドもベースが女性で、Key.の女性は宇宙服のようなコスチュームだった。広い会場に似合う音を出すバンドだった。

━最初とは違うアジカンのふたりが出てきて、海外のアーティストのライヴを盛り上げるためと言って、掛け声の練習。とは言っても、全部 “フォー!” だったが・・・。(笑)
洋邦関係なく、フェスを楽しんで盛り上げようとするふたりの姿には、好感が持てた。
ここで、サカナクション目当ての人たちが居なくなったので、ラッキーにも最前をゲット。

【Nada Surf (ナダ・サーフ)

“初めて日本に来ました~!” と言って 「Hi-Speed Soul」 でスタート。アルバムを聴いてイメージしていたのとは違って、かなりハードなステージング。
透き通るようなMatthew(マシュー)の声が響き、Daniel(ダニエル)はロングのドレッド・ヘアを振り乱してベースを弾き、ドラムスのIra(アイラ)は、ハチマキしたりカーボウイ・ハットを被ったりしながらプレイすると言う茶目っ気ぶり。
曲前にMatthewが、“とっても簡単だから、みんなでダンスしてね。こうやるんだ。でも、みんなが揃ってやってるのをここから見るととても異様だけど素晴らしいんだ” と言って、左右に揺れながらステップを踏むお手本を見せてやったのが、 「Inside Of Love」。見渡すと、2階席も3階席も一体になって皆左右にステップを踏んで盛り上がっていたので、Matthewは曲が終ると、“ミンナ、サイコー!” と言ってとても嬉しそうだった。
「Weightless」 の3連のリズムは、重厚に唸ってかなりヘヴィに展開し、「I Like What You Say」 では、Matthewの高音が響き渡って気持ち良かったな~。
慣れたステージングでオーディエンスののせ方も上手く、みんなをNada Surfの世界へといざなって行き、曲が進むにつれてだんだん拍手や歓声が大きくなって行くのが感じられた。
待ってましたの 「Always Love」 は、アルバムよりも少しテンポ・アップしていてロック色が強く感じたが、キラキラと輝く爽快さと優しさに包み込まれた。やっぱりいい曲だ。
最後は 「Blankest Year」。曲前に “Oh~ fuck it” のあとの “fuck it” のコーラスをオーディエンスに覚えさせ、大合唱でノリノリだった。
音が止まり、終わるかなと思わせておきながらまたギターを掻き鳴らし、それが2~3回繰り返され、最後にはMatthewはギターのネックをマイク・スタンドに擦り付けてギュインギュイン言わせ、Danielはベースを床に叩き付けていた。
最後にIraが前に出てきてDanielとハグをして、Matthewはカメラを持ってきて “サイコー! ミンナ、チーズ!” と言いながら、オーディエンスの写真を何枚も撮っていた。
まろやか~なライヴを想像していたので、意外にもハードなステージングにちょっと驚いたが、とっても楽しかった。

━次のThe Young Punx!(ヤング・パンクス)は、ヴィジョンのPVを見て私も連れも肌に合いそうになかったので、一旦出て食事タイムにした。
お腹いっぱいになったあと、最初ユニコーンはスタンドで見る予定だったが、Ben Folds(ベン・フォールズ)がユニコーンの次だったので、終わってから移動するのには少しムリがあるかなと思い、スタンディング・エリアに入ることにした。やはりユニコーン目当ての人が多いのだろう、入場するのに列が出来ていた。
列に並びながら2階から1階へと向かう階段に差し掛かった時、目の前階段の下にNada Surfが!
どうやらロビーで演奏していた様子。マイクなしで歌っていたので、声が聞こえず気付かなかったのだ。惜しいことをした。
階段の方に目を向けたIraに手を振ると、両手を挙げてピース・サインをしてこっちにおいでと手招きしてくれたのだったが、丁度演奏が終わったところで、Matthewがみんなに囲まれてしまって大変なことになっていたので、その場に行くことができなかった。

【ユニコーン】

前方左側のブロックで見たが、途中で足が痛くなって疲れてきたので、連れとは離れて私は隅っこに寄って座ってヴィジョンで鑑賞。「服部」 と 「WAO!」 は分かった。

━真ん中のブロックに移動。再びアジカンのふたりが出てきて、漫才のようなゆる~い掛け合いで次のBen Foldsにつなげるトークをして、会場を湧かせた。

【Ben Folds】

いきなりア・カペラのコーラスで突入した 「Effington」。この曲だけ参加したタンバリンのおじさんは、オーディエンスにお尻を向けて、バンド・メンバーと円陣を組むように座り、Benの超絶技巧の指は鍵盤を転がって行き、もはやピアノがピアノではなく、打楽器と化したかのようだった。
バンド・セットだが、ピアノ中心であれだけハードなロックを奏でるのは凄い。そして、椅子をピアノにぶつけて暴れる暴れる。
「Hiroshima」 でまさかの日本語詞。エコーがきつくて歌詞が聞き取りにくかったが、“オレノアタマ~” とか “マッカッカ~” というフレーズが聴こえてきた。
通訳の女性をステージに呼んで、“いちばん低い声の人はこう”、“次にさっきより少し高い声の人はこう”、“いちばん高い声の人はこう” と言って練習させて即席合唱団となった私たちは、「Not The Same」 で3部合唱に挑み、曲終わりにBenはピアノの上に立ち、指揮者よろしくやりたい放題。左右に分けていろいろやらせ、楽しく盛り上がった。
最後にやったのが、なんとBen Folds Five時代の名曲 「Philosophy」。この曲がライヴで聴けて、嬉しかった。超高速奏法でエンディングを弾き終えたあとは、再び椅子をピアノにぶつけて去って行った。
ってか、あのピアノ、Benのピアノじゃないんだから・・・。使い捨てじゃないんだから・・・。(笑)

【スピッツ】

かなり長い時間のセット・チェンジで待ちくたびれたあとは、待ってましたのスピッツ。マニックスが出ない分、私のいちばんの楽しみはスピッツだった。
マサムネくんは白いシャツで爽やか度満点。三輪さんはグレイに染めた長髪を振り乱し、田村さんはあちこち飛び回ってベースを弾き、崎山さんは寡黙にドラムを叩くと言った、相変わらず4人の個性がバラバラの彼ら。
のっけから 「今」、「放浪カモメはどこまでも」 と、ロック・チューンでハードに疾走して行った。
“俺達ライヴ自体が久しぶりなので、ドキドキしてるんだよね” と言うスピッツは、意外にも横アリでライヴをやるのは初めてなのだそうだ。iPodでよく聴いているNada Surfが見れて、嬉しかったと言っていた。
「チェリー」 で甘酸っぱい気持ちにさせてくれたあと、続けて 「スパイダー」、「ガーベラ」 ときた。この流れにはやられた。マサムネくんの声に癒され、萌えた。
「8823」(はやぶさ)で再びロック・モードになったあと、「俺のすべて」 では、マサムネくんはハンド・マイクでタンバリン片手にステージの端から端まで歩きながら歌い、田村さんはジャンプしまくってベースを回したりマイク・スタンドにぶつけたりと、凄まじい弾けっぷりだった。(マサムネくんの初々しさもそうだが、とても42歳とは思えん・笑)
最後は 「僕のギター」 でしっとりと終わったが、なんかアッという間に終わってしまって、短く感じたスピッツだった。

━またまたアジカンのふたりが登場し、改めてマニックスが出られなくなったことを話した。“みんなにもマニックスを好きになってもらいたいので、映像をなんとか手に入れました” と言って、カーディフでやった1999年の 『Leaving The 20th Century』(ミレニアム・イヴ・ライヴ)の映像が3曲流れた。
チア・ガールの衣装でぴょんぴょん跳ねてるNickyを見るとなんだか泣きそうになったが、ライヴ映像の観客の歓声や拍手が横アリと同化して、まるでその場にいるような雰囲気を感じさせてくれた。
流れた曲は、「Everything Must Go」、「Motorcycle Emptiness」、「A Design For Life」。あ~、本当にライヴが見たかった。残念・・・。

【Hard-Fi (ハード・ファイ)

ステージの左側が開いてミニ・ステージに早変わりし、Hard-Fiが登場。私は前方ブロックの左端に居たので、あのこゆ~いRichard Archer(リチャード・アーチャー)が目の前に・・・。
周りは明らかにその後控えているアジカン目当ての人ばかりだったが、結構盛り上がって皆楽しんでいる様子だった。
「Gotta Reason」 の “ンッチャチャッ、ンッチャッ” のリズムに合わせてハンド・クラッピングしながら踊れたのは気持ちが良かった。
ずっしりとした男臭さ溢れる 「Suburban Knights」 では、当然のように “Ohhhhh Ahhhhh” と合唱になり、「Little Angel」 では、ブラスも入ってぶ厚いサウンドが響き渡った。
それにしても、残念だったのが歌がヘタだったこと。アルバムを聴いてかなり気に入っていたので、これにはガッカリした。
それに加えて、持ってきていた水が既になくなってしまって喉がカラッカラだったのと、足が棒のようになって痛かったので、「Stars of CCTV」 が終わったあとは、後ろに下がって柵にもたれて見たのだった。

━トリはアジカン。スタンドでゆっくり見ようと思ったのだが、2階も3階も立ち見の満席。上からスタンディング・エリアを見下ろすと、皆同じ手の振りが気持ち悪いくらいに揃っていて、ある意味異様だった。
結局座ったのは、The Young Punx!の間に食事した時とユニコーンの途中からだけで疲れが足に来ていたので、立ちっぱなしで見る気力がなく、帰りの電車も混まない内にと思い、これだけいいバンドを揃えてくれたアジカンには申し訳なかったが、楽しいひとときを過ごさせてくれたアジカンに感謝の気持ちを残し、一曲だけ聴いて会場をあとにした。


アジカンが洋楽とか邦楽の枠を超えて開催するこのフェスは、とてもいい企画だと思う。
お目当てのバンドしか見ない人や、場所取りだけのためにその場にいてシラケテいる人もいるが、知らないバンドを知り、興味を持つバンドが見つかるいいきっかけになると思う。
私は、今回行ってFarrahに興味を持ったし、連れはNada Surfが気に入ったらしい。
これまでも、The Rentals(レンタルズ)やPhantom Planet(ファントム・プラネット)など、なかなか来日しそうにないバンドを呼んでくれるので、是非これからもレアなバンドをオファーしてほしい。


[2009-07-23 画像追加]


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