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フランス・ショート・トリップ ~シャルトル編~

2009-03-29 | travelog


★3月1日 : パリ~シャルトル(午前)
この日の午前中は、パリから列車で1時間で行けるシャルトルに行った。
モンパルナス駅に少し早めに着いたので、駅の1階にある 「Pomme de Pain(ポム・ド・パン)」 で軽く朝食を摂ることにした。
「Pomme de Pain」 はセルフ・サービスのカフェ・チェーン店で、安くて美味しい。早くも病みつきになっている、パン・オ・ショコラとコーヒーにした。デニッシュ生地の表面が、パリパリしていて美味しかった。
しかし味は良けれど、場所が悪かった。屋内なのだがすぐそばに入口があり、開けっ放しのドアから入ってくる鳩が飛び回っていたのだ。あちこちに鳩のフンのあともあって、ゆっくり落ち着いて食べていられなかった。
駅の外観でも見ておこうと思い、さっさと食べて外に出ると、目の前にモンパルナス・タワーがそびえ建っていた。高いビルがほとんどないパリで、唯一の高層ビルだ。
 「Pomme de Pain」
 モンパルナス駅
 モンパルナス・タワー

シャルトル行きのきっぷは、2日前にSNCFブティックで発券したもの。TER(テーウーエル : Transport Express Régionalの略)という列車の2等車の2階席に座った。昨日のルーアン行きの列車よりは空いていた。
発車して間もなくひとつ目の駅に着いたのだが、そこはヴェルサイユだった。宮殿内よりも庭が好きな私は、この時期の庭には魅力を感じなかったので、今回ヴェルサイユには行かない。
少しうとうとしていたら、あっという間にシャルトルに着いた。
 TER   SNCFシャルトル駅

シャルトルにもノートルダム大聖堂があり、ユネスコの世界遺産に登録されている。
駅から歩いてすぐのところにシャルトル広場があり、丁度観光バスが着いたところで、団体客が大聖堂の方に歩いて行く姿が見えた。
それを避けるように、先に別のところに行っておこうと思い、サンタンドレ教会を目指した。
街の地図はシャルトル観光局のHPで取り寄せることができ、事前に入手していたのだが、中心部以外は通りの名前が入っていなかったので、別にGoogleマップを印刷して持ってきていた。でも細い道が曲がりくねって入り組んでいて、途中で地図を見てもわからなくなってしまった。
日曜日で人も歩いていない。はて?どうするか・・・と思案していたら、道路の向かい側にある雑貨屋さんのようなお店の前からおじさんが出てきて、煙草を吸い始めた。
“エクスキューゼ・モア(すみません)” と声掛けて地図を見せて “サンタンドレ” とだけ言ったら用件をわかってくれて、地図を指して道順を教えてくれた。
とても古い街並で、うす茶色の石造りの家がちょっとイタリアっぽい感じもして、風情のある路地がたくさんあった。
旧市街は高台にあり、ガイド・マップには載っていない裁判所を見つけてたりしながらだんだん坂を下って行くと、途中見晴らしの良いところがあり、そこからサンタンドレ教会が見えた。
しかし、まだまだかなり坂を下って行かなければならない感じで、そこに行って戻って大聖堂に行くにはちょっと時間がかかると思ったので、その場から教会を見るだけにして引き返した。
 歴史を感じる路地
 飛び出てるのがサンタンドレ教会

路地を入って違う道を行き、大聖堂の高い塔を目印に歩いて行った。
しばらくすると大聖堂の横に通じる細い路地があり、美しい北側廊扉(タイトル写真)の前に出た。その先に美術館があったので入口の門をくぐると、そこは大聖堂の裏の広場だった。
広場は城壁に囲まれた高台になっていて、とんがり屋根の古い家並が並ぶ、のどかな風景を見渡すことができた。
 大聖堂の裏
 大聖堂の裏からの風景

しばらくそこでゆっくりしたあと、ぐるっと南側に回り、脇道に反れて家並を楽しみながら散策。また大聖堂の塔を目印にしながら歩いて行くと、やがて正面横に出た。
左右にふたつの高い塔がそびえるこの大聖堂は、フランス国内において最も美しいゴシック建築のひとつと考えられていると言うのだが・・・。
確かにシンプルでスマートな姿は美しかったが、私にはルーアンの大聖堂があまりにも素晴らしかったので、ちょっと感動が薄かったのだった。
大聖堂内はとても暗く、ステンドグラス以外はあまりよく見えないほど、とにかく暗かった。その暗さは、“シャルトル・ブルー” と呼ばれる青いステンドグラスの美しさを、より一層強調しているかのようだった。
ステンドグラスはとても綺麗だったが、本当に暗かったので、身廊とか天井とか全体を見渡すことができなかった。
 ノートルダム大聖堂  
 “青い聖母” という名のステンドグラス

 
外に出て、ファサードの王の扉や側廊扉の細かな彫刻や装飾をじっくり見たあと、旧市街の中心に向かって歩き、サンテニャン教会に入ったがミサ中だった。
小さな教会だったので、ミサの邪魔をしないようにすぐ外に出ると、横から歩いてきたおじさんが、私の前を“サヨナラ~” と言って通り過ぎた。一瞬えっ?と思って間が空いたが、“サヨナラ~” と返答。
地元の人たちの生活が見え隠れするような、食料品店や日用品のお店が並ぶ通りを歩いて行くと、オベリスクがあるマルソー広場に出た。
 魚屋さん  
 マルソー広場

広場の一角にカフェがあったので中に入ると、そこには美味しそうな小さくて可愛いプティ・ケーキやクッキーがたくさん。いろんな種類のマカロンがあり、あまりマカロンは好きではないのだが、ピスタチオ味があったので食べてみようと思った。
他にカヌレとマドレーヌと名前のわからないバター・ケーキを選び、外で食べることを告げて待っていると、ホイップ・クリームたっぷりのカプチーノには、同じバター・ケーキが付いていた。
プティ・ケーキはどれも美味しく、特にカヌレがすごく美味しかった。マカロンはピスタチオ味なのが良くてそこそこだったが、恐らくこれを最後に私はマカロンを食べないと思う。


シャルトル滞在時間は3時間強、カフェのテラスでくつろいでいると、気が付けば列車の時間まであと30分くらいしかなくなっていた。
それでもすぐ駅には向かわずに、ウール河が流れるところまで急な坂を下って行った。途中には木組みの家と石造りの家があり、それらが上手く街並に溶け込んで調和され、歴史を感じる穏やかな家並の遠くには大聖堂の塔が見えた。
 ウール河にかかる石橋
 木組みの家

列車の時間ギリギリまで街を散策して、駅に着いたのは発車時刻10分前。有意義な3時間だった。
駅の売店でオレンジ・ジュースとチョコレートを買い、きっぷをコンポスタージュしてホームでパリ行きの列車の到着を待った。


★巴里編 Pt.6につづく