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追いつかなかった時代

2005-06-21 | music : special


彼らのことを知っている人は、おそらくあまりいないだろう・・・。
実際、当時自分の周りには二人しかいなかった。
その名は、The Grapes of Wrath、カナダのバンドである。
個人的な見解だが、彼らのデビューは早すぎたのかも知れない。
デビューは1984年、4枚のアルバムをリリースし、1992年に解散。
もし、ギター・ポップが多くの人に受け入れられた90年代にデビューしていれば、もっとたくさんの人に彼らの音楽を聴いてもらえていたかも知れない。
Grapesの音楽は、60~70年代のPOPS、SOFT ROCKを彷彿させる、アコースティックで抒情あふれるギター・ポップ。
カナダという土地柄もあってか、哀愁があってとにかくメロディが美しい。
そしてこのバンドの特徴が、心地良い音を奏でるピアノとオルガンのアレンジ。
ノスタルジック漂うメロディが、ジーンと心にしみてくる。
私がGrapesのことを知ったのは、当時バイトしていた中古CDショップに持ち込まれた3rdアルバム 『Now and Again』だった。
その美しいメロディに惹かれ、その後アメリカやカナダに行った時に、夢中でそれまでのアルバムや12inchを集めた。
このGrapesも偶然だが兄弟バンド。
本当に私は兄弟バンドと縁がある。
Grapesの誕生は、Chris&TomのHooper兄弟と、ChrisのクラスメイトだったKevin KaneとでBeatlesやSimon&Garfunkelのカバーをやっていたが、その後セッション・メンバーだったキーボードのVincent Jonesが加わってバンド名を決め、Vancouverで本格的にスタートした。
Grapes解散後は、Hooper兄弟とVincentがgingerという3ピース・バンドを結成。
Grapesの頃の美しいメロディはそのままで、Grapesにはなかったエッヂの効いたギター・リフや巧みなアレンジなど、それまでのキャリアによって自然と身に付いたセンスを感じさせられた。
しかしgingerは、デビュー・EPと2枚のアルバムをリリースした後、活動を休止、2000年にはTomとKevinがふたりで再びGrapesを結成してアルバム 『Field Trip』をリリース。
懐かしいGrapesサウンドを聴かせてくれた。
そしてTomは2002年にソロ・アルバムを出した。
95年、友達が住むMontorealで行われたgingerのライヴを観に行った。
Grapes時代の大好きだった曲を何曲かリクエストしたら、全部プレイしてくれて感動した。
一度でも彼らの奏でる音楽を生で触れることができたことを、今でも誇りに思っている。