竹林の愚人  WAREHOUSE

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《荒れ野の40年》以降

2005-06-29 22:21:06 | BOOKS
宮田光雄 「《荒れ野の40年》以降 岩波ブックレット 2005.05.27. 

われわれは、独裁制を、戦争を、不法国家を、ほとんど他の民族が経験しないであろうような仕方で経験したのであります。多くの明暗の章をもつわれわれの歴史の遺産の中でも、これは、とくに重い意味をもつ一章となりました。しかし、これをなおいっそうよく理解し、いっそう明瞭に記憶にとどめ、そのもたらした結果にたいする責任をいっそう明確に担おうとするならば、この過去からわれわれのアイデンティティの危機が生じるということは、それだけ少なくなるでしょう。それどころか、われわれは、いっそうよく自分自身とまた隣人たちにとりましても理解されるようになるのであります。 
罪の有無、老若いずれを問わず、われわれすべてのものが過去を引き受けねはなりなせん。われわれすべてのものが過去からの帰結に関わりあっており、過去にたいする責任を負わされているのです。 
歴史は、なかったものにすることはできません。何事も忘却されはしません。しかし、怒りの感情は干からびていくことも可能ですし、憎しみの思いも克服されうるのです。 
心情と精神とは転換されることが可能です。それこそ和解の力というものです。ヴァイツゼッカー元ドイツ連邦大統領の1985年5月8日の敗戦40周年演説は今もその輝きを失わない。

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