竹林の愚人  WAREHOUSE

Doblogで綴っていたものを納めています。

自転車入門

2008-04-02 06:57:19 | BOOKS
河村健吉 「自転車入門 晴れた日にはスポーツバイクに乗って」 中公新書 2007.12.20. 

軽快車とスポーツ・バイクの違いは何だろうか。軽快車は名前とは違い20kgくらいとすこぶる重い。スポーツ・バイクは10kg前後。軽快車が重いのはスピードを出さないためだ。歩道を走ってもよろしい、という日本の交通政策が生んだ「遅きに徹した」自転車で、重いとコストを低くできるし、荷台やチャイルド・シートもあるので重くなる。 他方、スポーツ・バイクはスピードを出すために軽量化を競っている。荷台、泥よけ、スタンドをつけず、ライトやベルもない。フレームの素材も、アルミ→カーボン→チタンと”進化”し、スタート時の加速がよくペダルは軽い。 もうひとつの違いはサドルの高さで、軽快車のサドルは低く、足を伸ばせば地面に届く。サドルも大きくつくられている。スポーツ・バイクのサドルはハンドルより高いか平行で、強い前傾姿勢になる。 軽快車は幼児を持つ母親の主な輸送手段で、通勤や通学の利用も多く、スポーツ系は1割に満たない。 ロードバイクの魅力は、速さばかりか、長距離を楽に移動できることにある。強靭な心肺機能や脚力がなくても、コツがわかれば50kmは楽に走れる。 楽なスピードで走るうちに、心臓や肺が少しずつ強くなり、むだな脂肪も減らしてくれる有酸素運動で、知らないうちに全身のトレーニングができる。 スポーツ・バイクは軽快車よりサドルを高く、乗り降りには慣れが必要だ。軽いのでペダルを踏み込んだ側に倒れやすく、スタートはけっこうむずかしいのだ。 お尻の痛みは、ポジションやサドルも関係し、フォームの改善やサドルの形・材質も検討すべきだが、パット付きインナーパンツが一番だ。 速く走らない自転車散歩は、普段着だけでなく、優美な服で自転車を楽しむのもいい。自分のスタイルにあったコースを見つけて自由に走りたい、せっかく走るならダイエットや生活習慣病の予防や改善も考えたい、交通ルールを学び遵守してわが身を守りたい。 何かはじめるのに遅すぎることはない。スポーツ・バイクは自宅の周囲の30km圏を走破できる。すぐには無理かもしれないが、少しずつ訓練し見知らぬ土地を走ってみよう。自転車は必ず期待に応えてくれる。