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A級戦犯には「結果責任」

2005-07-13 21:20:24 | NEWS
後藤田正晴 A級戦犯には「結果責任」 朝日新聞 2005.07.13. (聞き手 論説副主幹・宮田謙一) 

46年4月に復員したとき、『一億総懺悔』という言葉を聞き、どういうことなのかと強い疑問を持った。一般の国民は国の方針に従って命令されて戦に赴き、あるいは銃後を守った。国全体が戦争に負けた無念さを共有するというのはわかるが、全国民が責任を負うというのは納得できなかった。 
A級戦犯といわれる人たちが戦争に勝ちたいと真剣に努力したことを、だれも疑っていない。しかし、天皇陛下に対する輔弼(ほひつ)の責任を果たすことができなかった。国民の多くが命を落とし、傷つき、そして敗戦という塗炭の苦しみをなめることになった。そのことに、結果責任を負ってもらわないといけない。 
東京裁判にはいろいろ批判もあるし、不満もあった。ただ、裁判の結果を受け入れた以上、それにいまさら異議を唱えるようなことをしたら、国際社会で信用されるわけがない。条約を守り、誠実に履行することは、国際社会で生きていくために最低限守らなければいけないことだ。 
合祀されているA級戦犯のご遺族が、それぞれの家庭に引き取って静かに慰霊なさることもだめだというなら、新施設をつくるのはやむを得ないかもしれない。  
サンフランシスコ講和条約は戦後日本が国際社会に復帰し、新しい日本を築く出発点だ。それを否定して一体、どこへ行くんですか。