竹林の愚人  WAREHOUSE

Doblogで綴っていたものを納めています。

ダメな会社ほど社員をコキ使う

2005-07-01 21:43:27 | BOOKS
宋文洲 「ダメな会社ほど社員をコキ使う」 徳間書店 2005.03.31.

多くの日本企業では、営業の売上や成績を営業マン個人に押しつけています。一人ひとりに厳しいノルマを課し、売上が思わしくないと、営業マンの努力が足りないからだということになります。責任がすべて自分にふりかかり、組織のサポートもありません。そうなると、営業マンは「自分」という人間を売り込むほかなくなるのです。
本来、企業がモノを売るときには、どのような人に、どのように売るかという戦略を立てて、効率的にセールスすることが必要なはずです。それを個人の才覚や熱意ばかりに依存しているために、「個人の思惑」だけの営業へとつながってしまうわけです。
日本の経営者はマルクス主義者?
本来、成果があがらないときは業務の形態やシステムの合理的な見直しこそが必要なのであって、個人の努力や精神性の不備を理由にしてしまっては、真の原因がうやむやになり、結局何も変わることができません。また、こうした教育が、強引な営業や違法販売、失敗の隠蔽など、さまざまな問題を引き起こす原因となっているのです。
日本にはムダがある。
人口の半分を占める女性は、失の高い教育を受けながらその能力を活かされていない。数百万のフリーターと言われる青年は充分に社会に貢献できていない。日本には豊富なビジネス経験と高度な能力を持つシニアの人たちがたくさんいる。どこの組織にも独創的な発想を持つ人材がいる。ムダを造り出したのはリーダーたちの古い発想である。精神論、独善性と結果論である。ムダの責任は科学性、客観性と本質論を放棄したマネジメントにある。日本にはたくさんチャンスがある。多くのムダをなくす努力をすれば、ムダは全部チャンスに変わる。