パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

「夏の砦」が新しい入庫の棚にあった

2016年06月24日 11時55分10秒 | 

ほんのちょっとしたことで気分がよくなる
新城市の図書館に借りていた本を返しに行った
借りていた本は、市の図書館にはあるとは思わなかった本
マリオ・バルガス・リョサの「誰がパルミノ・モレーロを殺したか」 
ノーベル賞を受賞した人の比較的読みやすいミステリー仕立ての本だ

これは、なかなか登場人物が生命力に満ちた感じで
ありそうな話!と思わせる
このリアルなたくましさ、何かを伝えたいと言う強烈な意志は
やっぱりノーベル賞をもらう様な作家に共通しているようだ
オルハン・パムクの「雪」も 何かを強烈に伝えたい意志を感じる

この両人と比べると村上春樹氏は、ちょっとそのところの迫力が足りない感じ
あるひとが村上春樹は純文学ではなくて大衆文学と評したことがあったが
なんとなくわからないでもない
もっとも純文学がエラくて大衆文学が低次元というわけでない
ただ、漂う緊張感のようなものが違うだけ

ところで、ちょっとしたことで気分が良くなったのは最近入庫した本の欄に
辻邦生の「夏の砦」を見つけたからだ

入庫したのは写真の本ではない
単行本の文字が比較的大きそうな本だ

自分はこの作品「夏の砦」が大好きだ
辻邦生を知った一番最初の作品で本当に圧倒された
多少観念的ではあるが深い思索と物語性に富んで小説の面白さが凝縮している
その後、ずっと追っかけることになったきっかけの作品だが
自分にはよくあることで、読み返してはいない
もうあれで十分 という気分のままでいる

でも書店にいくとこの作品が売られているか気になって
た行の作家の欄を探す 
すると、もう過去の人になってしまったのか「辻邦生」のコーナーは
見当たらない事が多い
自分の人生の一時期夢中になった作家だけに、そのコーナーがないということが
とても悲しいし、なにか大切なことが蔑ろにされているような気がしたりする

ホント、辻邦生のこの作品、もっと読まれないかな
読まないと損!とさえ思うのだが、なかなかそういうわけにはいかないようだ

図書館の新しい入庫にもう一つごきげんな作品があった
須賀敦子の本
この人はめちゃくちゃ文章がうまい
辻邦生もそうだが、嫉妬するくらいだ
で、あまりにも自分の好みの本が入っているので
つい「誰が選んで購入しているのか?」と図書館のスタッフに聞いてみた
司書と答えるかと思いきや、教育委員会で選んでいるとのこと
教育委員会のうちの誰か、自分と似た好みを持っているようだ
そういえば、図書館には、ないだろうなと思っていたエーコの「プラハの墓地」はあったし
「テヘランでロリータを読む」もあった
もっとも有ったは良いが自分に読む気力・体力があるかが問題だが、、 


 

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