パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

「今勝つための練習」と「将来のための練習」

2010年02月26日 21時28分44秒 | Weblog
女子フィギアスケート
日本人としては多少残念な気持ちもあるが
現時点での実力通りの結果で
それはそれで良かったのではないか

このレベルになると選手は皆練習の虫
としか思えない生活を繰り返してきただろう
それでもキム・ヨナ選手が如何に真面目に
練習に取り組んできたか想像できる
そしてたどり着いたところはアスリート、勝負師というよりは
ある意味職人の域なのではないか

練習時間の長さは同じでもその質の濃さが違う
(勝手な想像だが)
そして、それを可能にしているのは彼女の頭の良さだろう
自分の特徴の生かし方、自分の顔にあった衣装、
効果的な音楽 それらはスケートを除いたところで
浅田真央よりも優っていたように思う

浅田真央は可愛いお人形がスケートしている
たまにびっくりするようなことをする
と言った印象
キム・ヨナは一人の女性がスケートという自己表現を
高い技術で演じている
と言った印象

だからと言って浅田真央が劣っているわけではない
ただ現時点ではあまりにも幼すぎた
これからの可能性 多少荒削りのところがある分だけ
伸びしろがあるかも
一方キム・ヨナは完成の域なのでこれをキープするのは大変

これから先リベンジするチャンスや時間が
あるかはわからない
運がよい人は報われるかもしれない
しかし、永遠に勝負の世界では報われない人もいるかも知れない
(たぶん大半の人がそう)
だが報われる報われないを決めるのは本人の心
その意味では上村愛子の姿は胸をうつ
どんなに努力してもあと一歩及ばない
これが昨年だったら とツキのなさを愚痴りたいかもしれない
それにおそらく筋肉の質の違いで
彼女は真にスプリントタイプではなく
トップ3に入るには努力以外のタレントが必要なのではないか
しかし、それでも甘んじてこの結果を受け入れる
それは人として本当に強いというかいい経験をしていると
思わざるをえない

さてこうしたスポーツ
大成するには普段の練習が問題だが
日本の問題点は、幼いうちは世界レベル
大人になると全然通用しない

こう言ったことが多く見られるのではないか?
サッカーも子供レベルでは日本も結構勝てる
フィギアスケートもそう

問題なのは子供の時点で
「今勝つための練習」が優先的であって
「将来役立つための練習」がおろそかになっていやしないか?
ということ

だれでも勝負する以上は勝ちたい
そして大人は親切にも勝ち方を教える
本当はその時期に身につけるべきものを
身につける機会を与えられなくて
ただ勝利という勲章だけを手にする
その結果、世間も評価しチヤホヤしそれでいいのだと
自ら成長する機会を失っていく

自分が考える伸びしろのない姿の原因はここにあるように思う

それともう一つ
それは日本という国が中途半端な
経済的大きさであるということ

日本で成功すればそこそこの生活ができる
だから自ずと判断の基準は日本をベースにしたものとなる
しかし、韓国等では自分の国だけでは小さすぎるので
必然的に外に出ざるをえず、その結果
判断基準はインターナショナルなものとなる

この自分を見つめる客観的な視点
それが日本と韓国の差を生み出している
ひとつの要素ではないのか

だからといって日本人の性格は
そんなに簡単には変わらないだろうし
変わる必要も感じていないだろう

本当は、オリンピックのような白黒はっきり結果でるもので、
今の方法でいいのか悪いのか?
考えなおす機会になればいいのだが

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 本田デビュー戦(チャンピオ... | トップ | 昇竜しだれ梅園 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Weblog」カテゴリの最新記事