パンセ(みたいなものを目指して)

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日本はすごいか?すごかったか?

2021年11月29日 10時44分12秒 | あれこれ考えること

若い時、まだ日本が上り調子の時、そして自分が疾風怒濤の時期
後先考えずヨーロッパ放浪の旅にでかけた
(当時は同じような人間が多くいた)

大げさに日本のことなど考えたことはなかったが、外に出てそこで
ついつい日本と比較することが多くなった
そこで最初に感じたことは「日本は案外すごくないかもしれない」
という思いだった
当時は経済は世界でアメリカについで2位、どこか自慢げだった
確かにドイツの街にはソニーやパナソニック、ホンダの看板が多く見られ
勢いを感じさせるものだった

でも、ヨーロッパの街には電柱がなかった
日曜日は商店が開いていなかった
ユースホステルであった向こうの若者は30歳位でも日本の感覚からすると
フラフラしていて経済的にはどこにも所属していないように思われた

でも、それで人が生活していられる、、という事実は
日本の労働に勤しむ一見真面目な生活スタイルが
本当に人として良いものだろうか?とぼんやりとした疑問が浮かんだ

不便でも日曜は休んでいられる生活
自分の進む道を30歳を越しても探していられる世界
行かなかったがイタリア等の昼食にしっかり時間をかけたり昼寝ができる生活
階級社会だと言われるが、そこには人間らしい尊厳が当たり前のように
実現されているように思えた(勝手な思い込みだったかもしれないが)

中にいるとわからないことは多い
今の時代、自慢だった経済も競争力の低下で、ドイツの街の看板も
サムスンとかLG、その他にも中国系のメーカーの看板が目に入る
だから少し自信喪失気味の日本は「日本はすごい!」と自ら思い込もうとしている

でも本当にすごいか?
ただ言えるのは、日本は相対的に人は優しいとは思う
でもドイツ人でも優しいおばさんにローテンブルクに行く電車を教えてもらってことがある
(電車は線路工事のため変則的な運行をしていて自分は途方にくれていた)
どの国も親切な人、そうでない人がいるもので、ひとくくりでこの国はこうだとは決められない

四季だって日本と同じ緯度なら同じ様に季節の移り変わりはある
日本だけじゃない

話は飛ぶが、昔ドイツで日本人と思われる人に日本語で話しかけた
日本語を全然使わない生活が続いていたのでつい話しかけたのだった
だがその女性は韓国の方だった
「ここはドイツ、ドイツ語で話しましょう」
とやんわり怒られてしまった
彼女はドイツ人のパートナーとくらしているとドイツ語の会話で明らかになった

実際のところ、向こうにいると日本人も韓国人も見分けがつかない
そんな中で日本は韓国よりも優れているとか、、妙に自慢したい気分になるのは
あまり意味ないな、、と思うのだった

新城市では都市の名前に「新城」とつく世界の自治体との交流を図る
「ニューキャッスルアライアンス」という試みがある
そこで一昨年、新城の高校生の数名がイギリスのニューキャッスルという街に
研修にでかけた
報告会では彼らは初めての海外の旅に興奮気味だったが、自分が気になったのは
外に行って初めて分かる日本のことはどう感じたか!ということ
彼らは日本はすごい!と思ったか
それとも行って楽しかっただけなのか、、、
(若すぎるから過剰な期待は無理かもしれないが)
 

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