Biting Angle

アニメ・マンガ・ホビーのゆるい話題と、SFとか美術のすこしマジメな感想など。

ノイタミナ10周年企画、『PSYCHO-PASS』続編概要と伊藤計劃作品のアニメ化が発表されました!

2014年03月21日 | アニメ
フジテレビの深夜枠で斬新かつ意欲的な作品を提供し続けてきた「ノイタミナ」が、
2014年に放送開始10周年を迎えます。

その10周年を飾る企画を発表する「ノイタミナラインナップ発表会2014」が3月21日に開催され、
その中で『PSYCHO-PASS』のTVシリーズ続編及び劇場版製作と並んで、伊藤計劃氏の長篇SF小説
『虐殺器官』と『ハーモニー』の劇場アニメ化プロジェクト「Project Itoh」が発表されました。

個人的に『PSYCHO‐PASS』という作品は「ノイタミナ」枠に留まらず、ここ数年のTVアニメでは
屈指の傑作だと思っています。
ProductionI.G.が手がけてきた『攻殻機動隊SAC』を思わせるテクノロジー管理社会を描きつつ、
潜在的な犯罪傾向を色相の濁りによって判定するという設定には、脚本担当の虚淵玄氏の代表作
『魔法少女まどか☆マギカ』との共通性も感じられます。
このように、現在最も注目される2本の傑作アニメの正当なる後継作品と見なせることだけでも、
『PSYCHO‐PASS』というアニメの重要性がわかると思います。

それに加えて、厚生労働省が国民統制機関と化して実力行使を行い、福祉と精神保健に基づいて
犯罪捜査から人権の制限及び身柄拘束、そして矯正措置を行うという設定には、既に触れた
『攻殻機動隊SAC』の世界設定をされに推し進めた「清潔なディストピア」の姿を描いています。
私はここで描かれた「清潔なディストピア」こそ、伊藤計劃氏が『ハーモニー』で示した
絶望的な管理社会の姿を、アニメとして見事に具現化したものだと受け止めました。

また、『PSYCHO-PASS』における日本は、作中のセリフや関連ムックの資料などから検証すると

「世界的な経済恐慌が引き起こした混乱と紛争によって各国の国力と治安が大きく衰退する中で、
 いち早い鎖国と精神衛生管理に基づく治安維持が効果を挙げ、恐慌後の世界情勢においても
 先進国的な地位と安定した社会を維持し続けている、唯一の国家」

という位置づけであることがわかります。

こうした設定は明らかに『虐殺器官』から『ハーモニー』へとつながる設定と二重写しになっており、
その意味で『PSYCHO-PASS』は、伊藤計劃以後というSF界のムーブメントを体現するアニメとも言えます。

そんな理由で『PSYCHO-PASS』という作品の動向については、放送終了後もずっと注目してきたのですが、
まさか本家本元の伊藤計劃作品までがアニメ化されることになるとは思わなかった…。

しかしここまでの経緯を考えれば、ノイタミナレーベルで「Project Itoh」がアニメ化されるのは
ある種の必然だったと思うし、これ以上に理想的な製作状況は他に望めないかもしれません。
あとは誰が手がけ、どのような作品として完成するかだけが気になるところ。

劇場版アニメの公開時期は『虐殺器官』『ハーモニー』ともに2015年になる予定。
期待を裏切らない傑作として、ノイタミナと日本アニメの歴史に新たな1ページを刻んで欲しいものです。

なお、『PSYCHO-PASS』については、S-Fマガジン誌上にて2014年秋のノベライズの連載等も行われます。
「Project Itoh」とあわせて『PSYCHO‐PASS』プロジェクトの進行にもご注目ください!
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