高尚は“俊成卿、頓阿法師などといふ、かしこき歌よみのをり/\にありて、正しきに・・・”とあり、この頓阿法師とは一体どんな歌よみだったかはお恥ずかしながら知りませんでした。そこで一寸この頓阿法師に付いて調べてみましたが、彼のエピソードとして、次のようなものがありましたので紹介しておきます。
例の兼好法師と同時代の人で、かなり深く彼と係っていたのだそうです。そのエピソードとして、残っている一つに次のようなことがあったのだそうです。
ある時兼好法師から頓阿法師に歌が送られてきます。
“よもすずし ねざめのかりほ たまくらも まそでのあきに へだてなきかぜ”
それに対して、頓阿法師は兼好法師に、次のような歌を返したのだそうです。
“よるもうし ねたくわがせこ はてはこず なほざりにだに しばしといませ”
これだけでは何の事かさっぱりわけが分かりません。実はこの歌の中に何かが隠されていたのです。お分かりでしょうか?