私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

うちおもふじょうをただにいひてよからめや

2013-05-01 16:27:58 | Weblog

 歌は「あはれとめずべきこころ」、普通と違ってしみじみと感動したことを詞で言い表すことであるとして、その例へに
 
 「さき竹を革をもてつつめる刀しろは、人をきるものにはあらざれども、うちふるわざをならはすには、まことの刀として、きるこころにてものせずては、其わざのなりがたきがごとく」
 竹刀は人を切るものではないのだが、この打ち切る技を練習しなくては、本当の技を身に付けることはできないと同じように、月花の歌は、直接生活と関わりないものだけれど、深く心をいれて習っていなければ、いざと云う時には、深く感動できるような歌は創れないものだ。と、さらに、人の情は浅くさとび勝ちになりやすいのだが、その思いをそのままに詠むのであったら「つねの情ももののあはれしるよき情にはならじかし」