私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

市川団十郎の芸の深さは、何m。????

2013-03-19 11:10:19 | Weblog

 梅玉の答えです。

 “芸をよくして、おおくのひとのこころにかなへんとして、がじめをわりことごとくおもしろくせんとするは、げによからず。ただこゝこそとひとのめのつくところを、ひとつふたつしてよかるべき事にはべれど、其要とするひとつふたつのしがたきものにおもひ侍りぬと云いけり。”
 と、述べています。
 要するに、芸の総てに全力を尽くして演じるのではなく、こここそはと思われる所を深く、その他は浅く演じるのがいいと。また、その要領を書いて何時も懐にしており、若い人に教えているのだそうです。芸は一人だけの独創な世界にあるのではなく、昔から伝わっている伝統を後世に引き継ぐことも大切な役者の使命であると云っているのです。
 高尚が言った歌の世界にもそんな心が存在いするなら、“なにごとにもさようこそ”と歌舞伎の世界だけでなく、世の中すべての事に通じる心ではないかとも云っています。

 芸談ですから、二人の会話は、あまりおもしろくはないでしょうが、芸の深さとはどんなものか今、改めてお考えいただいてもと思い、ここに取り上げました。と云うのも、この前亡くなった人間国宝「市川団十郎」の芸に付いてもそんな心があったのかどうなのか、彼の「にらみ」とは一体何を意味するのか、もう一度、彼の芸全般に付いても併せて考えてみてほしいものだと、敢て、ここに取り上げました。