私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

宇治五十槻(ウジイツキ)

2012-12-16 18:47:09 | Weblog

 高尚はこの人についての消息も書いています。本名は荒木田久老ですが、宇治五十槻としか記してはいません。

 「外宮の社家麻口大夫。此先生は橋本肥後守が師なり。肥後守書状を以参り候て万葉の事など承候。賀茂真淵の弟子にて本居翁と同門たり。真淵の門人も今は多、本居の門に入人御座候へ共此人は一見識にて宣長は神道くさしとて被嫌申候。面白説御座候。万葉集中の事は折ふし以書中相談いたし候約をなし帰り申候」

 とあります。此の荒木田と云う人は本居宣長を「神道くさし」だといって嫌っていたと云う事がよく分かります。高尚が直接この人にあって教えを請うたことはなかったのだろうと思われますが、最初に、井上博士が高尚の消息として取り上げている橋本経亮からでしょうが間接的に万葉集などの話を聞いているのです。


三井総十郎高蔭の消息

2012-12-16 12:01:42 | Weblog

 稲垣大平に続き「三井総十郎高蔭」と云う人の消息も書いております。「三井」でありますから。当然、三井住友のあの三井と関係があるのです。三井家の祖です。これは高尚は書いてはいないのですが。宣長の経済的な援助をしていたのだとも言われています。松坂の人なのです。

 「本居翁門人。これも歌文章数奇也。大平よりはおとれり。この外松坂には町家家中とも本居翁の門人廿人計有之候。一日歌会有之出席いたしみなみな近付に成申候。しかし大平より外は一人も秀候者なく初学に御座候。大平とは入魂にいたしたがいに出精いたし候て翁の説をつぎ東西に古学をおこし可申と約をなし申候」

 とあります。歌会に出席したが、大平以外は皆平凡で、初心者であると。