私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

本居春庵って知っている

2012-12-10 09:43:18 | Weblog

 本居宣長は号を「春庵」と云います。彼について高尚は、更に、若林氏にその書簡の中で書いております。

 「尤先生耳遠く御座候て直談とどきかね候。この後は不絶筆談を以古書を論じ古学を中国にひらき申度志のよし申候処甚悦申候。儒におそはれ候て本朝の道うずもれ候事なげきにて国学をひろめ候様とくれぐれ被申、約をなして帰り申し候」

 と。
 この書簡を書いた寛政11年ですが、その時、宣長は70歳になったおりました。もうその時は、宣長は相当耳が悪く、直接話ができなかったので筆談で日本の古学について語り合ったとかいてあります。このような宣長の身体の状態について、直接詳しく知る資料は他にはないのですが、この高尚の書き遺したものによって宣長の晩年の様子がはっきりと分かります。
 なお、高尚がこの書簡を若林氏に送ったのは十一年ですから、寛政5年に始めた宣長の鈴屋に入門してから2度目の対面です。
 その時の感動を高尚は、其の著書「神の御蔭日記」の中に「八とせ経て再たいめいたまはることうれしともうれし」と書き残していますが、この「八」と云う数字は四の誤りではないかと云うことです。