伊勢物語新釈六巻についてですが。明治二六年に発行された今泉定介の「伊勢物語講義」の前書には、
「・・・中にも新釈は、出版の時代、最、あたらしければ、説も亦新しく、いはゆる、古註をあつめて、大成せるものといふべし。故に余もおほよう新釈により・・・」とあり、高尚の「伊勢物語新釈」が一番、この解釈には適切であると云っています。
さて、次なる高尚の著書です。
・大祓い後々釈 一巻
本居宣長の後釈に漏れたる補い誤れるを正す。
・みつのしらべ 三巻
道・歌・文のしるべについて。此の事については後で説明します。
・松屋文後集 三巻
・出雲路日記 一巻
・松の落葉 四巻
・源平拾遺 二巻
平家物語・源平盛衰記に漏れたる将士の言行を記せる秘書あるを雅文に写したるなりと云う。::
・松屋文合 二巻
枕草子・栄華物語・狭衣・紫式部日記・和泉式部日記五種の書の佳歌を選び出して四季恋雑の歌題に分けたものです。
・松屋家集 一巻
・松屋文後々集 三巻
・古今集新釈 若干巻