私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

「颶の風」台風十二号

2011-09-03 09:29:44 | Weblog
 昔の本を見ておりますと、時々、今までに一度も目にしたことのないような「これっていったい何」という大変難しい漢字にでくわし、随分と手惑うことがあります。 
 
 この金銀島探検報告と云う本の中にも、そのような漢字があります。「颶」と云う字がそれです。
 何と読むのかお分かりでしょうか。
 辞書によりますと、「ぐ」と読み、その意味は「つむじかぜ」と云う意味だそうです。そして「颶風」と云う熟語になると、暴風と云う意味になります。日本で言う「台風」のことだそうです。なお、此の他、この暴風を表す漢字には「颱」「颮」等と云う漢字もあるようですが、この「颶」は、その内でも、特に大きい暴風を(秒速30m以上の暴風)表す時に使われるのです。
 これらの漢字を見て居りませと、これらの漢字を発見した中国人の偉大さが、今更のように感じられます。


 今、九月二日、午前十一時ですが、この吉備地方には、“台風12号が直撃か”と暴風警報が発令されています。しかし、外に目を転じれば、特にそんなに大きな台風がこの地を伺っているような気配は感じられません。唯、周りの木々のざわめきによって、台風が近寄っているのかなと云うぐらいにしか感じられませんが。でも、テレビのニュースよりますと、この台風十二号は超大型だと云われています。そうすると、この「颶」の風に違いはありません。

   一寸、漢字の御稽古で、失礼しました。


 なお、このビスカイノの報告によりますと、1611年3月27日の記録です。
 「二十七日金曜日に至り夜の十二時に颶風起り、南東の風に依り雨強く浪高く、翌二十八日土曜日日没まで継続せり。而して浪高きが為め船は大檣に近き楔の邊にはそんを生じ、浸水甚だしくポンプを用いるも救済すること能はざりき。此事は大なる恐怖と心痛を惹起せり。・・・・・・」
 
 と、書いてあります。