私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

三沢為虎の心配

2010-08-10 17:56:14 | Weblog
 吉川元春の嫡子元長が日差山での毛利方の評定で、高松城の清水宗治ら数千の者の命を救うために、いかに秀吉の防御が厳しかろうとも、信長がこの高松に到着される前に一大決戦をすべきであると大いに主張したのです。小早川隆景もその元長の考えに賛成し、「いたずらに用なき対陣に日数を過ごさんより、唯一線あるのみ」と、毛利の総意を一決します。明日は激しい一大決戦決まったのです。
 その時、三沢為虎と云う武将が言います。

 「ここに居合わせている誰もが知っている通り、あの冠山城の戦の時も、日幡城の落城も、秀吉へ志を通わせた味方の裏切りによって落城したのだ。この度の総軍の決戦ですが、戦いになれば、誰それは裏切るのではにだろうかと、我が軍の中には、はや噂がしきりと飛び交っている。これでは、到底、戦にはならないはずです、わが軍の敗北が目に見えて居るのじゃ。それをどうにかしなければ、戦さどころの話ではないのではないか。味方同士で疑心暗鬼でお互い腹の探り合いをしているおじゃ。これでは戦くさにはならんのじゃ」
 と。

 こうなっては評定にはなりません。一先ず、この戦いはどうするか、吉川親子・小早川隆景とそれに久村久左衛門の評定に任せることに決まったのです。

 さて、四人のその評定はいかになりましょうか、例によってこれもまた明日のお楽しみに、今日はこの辺で、ますます講談調でしょう。こんなことになろうとは、我ながら驚いています。