私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

吉備って知っている  163 堀家輔政の嘆き

2009-05-20 20:32:53 | Weblog
 高雅の遭難を知った兄の輔政は、次のような歌を詠んでいます。

 ・罪はあれど なほいかまほし たら乳根を
              誰慰めて 誰つかふべき
 ・限有て 月日もめぐる よの中を
              かはらぬものと おもいける哉

 兄は、どうも、早くから弟の高雅から歌を学んでいました。その挽歌です。
                  


 

吉備って知っている  163 藤井高雅の遭難と母喜智

2009-05-20 20:00:56 | Weblog
 高雅の母「喜智」についてはあまり語る人はいないのですが、やっぱり武家中心の男性の社会にあっては、頭脳明晰で男勝りの聡明な特異な女性であったのではないかと思われます。緒方洪庵の姉として、洪庵からの情報によりヨーロッパの新しい民主的な考え方も、多分知っていたのではないかとと思いますが、当時の家を中心とした社会構造に従わなければならない世の中のしがらみに囲まれて、自分の本当に意志通りに、息子の高雅みたいに自由には動けなかったのだと思います。封建社会の女性の悲哀を一杯に背負って我慢に我慢を重ねた生き方を強いられたのではないかと思います。
 子の紀一郎も、高政の兄輔政も、喜智の「行かんでもよい」という一言で、動こうにも動けなかったのではないかと思います。