私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

4月1日、「うづき」です。

2008-04-01 11:33:18 | Weblog
 今朝は吉備津神社の1日参り『朝詣会』です。
 孫達と相連れだって賑やかにと、思ったのですが、春休み中で「朝寝坊をした」とかなんとかで、妻と母と3人で寂しくお参りしました。
 昨日に続いての花冷えの朝です。吉備津神社の周りの桜の花も咲き初めたままで、顔を覗けようかどうしようかと辺りを見渡したり、また、引っ込めたりしているようです。その花びらを思いやるかのように、拝殿での神官の声が化粧天井に冷たく響いています。
 暖かい食事場所で朝食を頂いているのですが、それでも何か心が芯から温かくならないような4月1日です。ドカンとものすごい『4月馬鹿うそ』でも聞きたいような気分にもなります。

 まあ、兎も角、今日から4月です。4月の異名を『年中行事考』という本から拾い集めてみました。
 卯月から始めます。餘月、首夏、中呂、清和、維夏、朝月、小満、純陽、乾月などと言うわけの分らん漢字が並んでいて、どうでもいいのですが、花残月なんて粋な言葉も見えます。
 それはそうとして、この2,3日の気候は異常ですね。「炉を塞ぐ」と、いう言葉もありますが、かみさんは「石油は、今日からいくら安くなるのでしょうね」とかなんとか、言いながら、ストーブに灯油を入れていました。
 
 天候も時勢も何かへんてこりんな、面白くも何もない今年の4月1日ですね。

 今朝も竜神池の枝垂桜を見てると、それだけが浮世から隔離した粋の世界に引き込んでくれるようで心和みます。


 秀吉の甥で江戸初期の有名歌人であった木下長嘯子が、水攻めの10年後1592年吉備津を訪ねて一夜神主の家に留ったという日記が残っているそうです(「吉備津神社」藤井駿著)が、この人は桜を好んでたくさん歌に残しています。そのうちの二首。

    ・みるからに まずぞなぐさむ 憂世には
            外ありけりと さける花かな

    ・ふけばかつ 花をさかすが うれしさに
            憂きはそひても ちらす風かな