私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

1.2cmの美しさ

2007-06-25 19:26:42 | Weblog
 土曜日に一緒に、吉備津様のお屋根替えを見た友人から、こんな便りが届きました。
「前略
 生まれて始めて桧皮葺のお屋根替えを楽しく見学させていただきました。50年ぶりとの事、もう私が生きている間には見ることが出来ない貴重な見学の機会を設けてくださいましてありがとうございました。
 桧皮葺と言う言葉は知っていましたが、どのようなものをどのようにして葺くのか、全く知りませんでした。
 「1.2cmの美しさ」と、あなたか言われた通り、「寸分の違いもなく」と言う言葉そのままの、真横に一直線に伸びきった線の醸し出すなんとも言われない、これぞ神の領域であるが如くの、日本の匠にしか作り出せない至極の技術文化が屋根全体に広がっていました。
 その直線は、更に、周りにある無数の曲線と、お互いに調和の取れた結びつきを生みながら、無関係のように思われがちな一つずつの細かな個の技術を埋没させた総合的で胖(ゆたか)な精神的文化そのものを窺い見ることが出来ました。久しぶりに「日本の美そのもの」を、この目で確かめました。
 また、屋根と屋根の継ぎ間の曲線、軒付けと呼ばれている処の数値では表せないようなに不思議な曲り具合、切れ味鋭い日本刀の切っ先にも似たぴんと張り詰めた軒先、えもいわれぬ落ち着き払った比翼のお屋根などが全体的な調和を見せて、何かしら見る者をして、自然の安らかさ、おおらかさを感じさせられるようでした。1時間ばかりの時間があっという間に過ぎ去っていきまいた。本当によい機会を与え頂いて今更ながら感謝いたしております。
 「1.2cmの美だ」なんていい加減な事を言ってと、最初は侮りかげんに聞いていましたが、あなたのその言葉は、まさにそのものずばりでした。この桧皮葺の美しさは他のどんな言葉を持ってしても言い尽くすことは出来ないと思います。
 こんな技術を、まだ、お若い職人さんが懸命に成し遂げている、その後姿を拝見することも出来、日本文化の奥の深さみたいなものも垣間見る事が出来ました。本当にありがとうございました。
   吉備津神社万歳!日本の伝統文化万歳!