私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

明治天皇の吉備路への行幸

2006-07-22 19:51:54 | Weblog
 昨日、備前へ、友人石原氏の案内で、陶器を買いに行きました。石原氏の住まう瀬戸内市に『行幸』という珍しい名前の小学校がありました。名前の由来は、明治天皇が、この地に行幸されたので、この名前がついたそうです。
 行幸と言えば、わが町吉備津にも明治天皇が明治43年秋に行幸されています。JR吉備線吉備津駅に、陸軍の大演習の視察のため降立たれました。
 その記念碑が「惣爪」の(足守川のほとり)小高い丘に立てられています。
 
 この明治天皇は生涯に非常にたくさんの御歌をお作りになっていらっしゃいます。
 明治43年だけでも、104首のお歌を詠みになっています。
 (「明治天皇御歌」(文部省発行)と言う本によりますとご生涯に1687首の御歌お詠みになったそうです)
  
 この行幸のとき、果たして、お歌を御読みになったかかどうかは定かではありませんが、吉備の国でお詠みになったのではと想像できるようなが御歌がありますので、ご紹介します。
 旅宿雨、旅宿朝、旅宿夢と題して;
    ・草枕たびのやどりに着きて後うれしく雨はふりいでにけり
    ・このゑ人こまひきいづる音すなり朝だちすべき時やきぬらむ
    ・あすもとく軍ならしのさまみむと思えば夢のさめがちにして
 また、この演習視察中の、足守川の小高い丘に御立ちになった時に御詠になったのではと思える歌も2,3首が見当たります。それを。
    ・をしねほすしづが垣根をみつつゆく秋の旅路のこころよきかな
    ・菊の花人見すべくなりぬるをまだ色うすし庭のもみぢ葉
    ・近かからぬ水のひびきもきこえけりけふしづまれるよはの寝覚に

 吉備平野のど真ん中の、知られざる隠れた絶景地です。心のどかな、大変しずもれる場所です。