かわいいコケ ブログ I'm loving moss!

コケの魅力を広く知ってもらいたくて、情報発信中。
コケ、旅、山が好き。コケとコケにまつわる人やモノの記録です。

コケ目線的「この本がすごい!」 Part1:『コケもす日記』

2016-04-19 15:06:48 | コケの本棚

熊本を中心とする九州地方で発生した地震の情報に触れるたびに、胸が痛む。

2階建ての1階部分が倒壊してなくなってしまったアパートや民家、あそこに住んでいた人はどうなったのだろう。
救援物資はまだ届かない、かといってスーパーやコンビニへ行っても何も残っていない。何も買えない。お金の意味ってなんなんだろう。

水が出ないので身体に入れる水分は買い置きしてあった果物からとってしのいだこと。
電気が復旧するまで照明代わりに食卓には常にろうそくを置き、移動時だけ懐中電灯を使っていたこと。

余震はまだくるのだろうか。いつ、どんな規模でくるのだろうか。

毎日普通にくると思っていた「明日」は、本来は何ひとつ保障されていないものなのだと
非常時にさらされて初めて知り、ただただとてつもなく不安だった。

そんなふうに。

今回の地震のニュースを見聞きするたびに、自分が経験した阪神淡路大震災の時の思い出が、
もう21年以上も前のことなのにいまだに鮮明に蘇ってくる。


まだ今後1週間ほど余震は続くという。

被災中の方がこのブログをご覧になることはなかなかないと思いますが、
お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りしますとともに、被災された方へ心よりお見舞い申し上げます。
どうぞお気をつけて。今日もなんとか生きていてください。

そして、被災されていない皆さまも。

日本には2000以上もあるという活断層、もはや大きな地震は全国どこででも起こり得ること。
それどころかエクアドルでも熊本の数日後に大地震があり、いまや地震は世界中どこでもだ。
さしでがましいようですが、被災経験のある自分がとりあえず言っておきたいのはこの5つ。

1.寝室には背の高い家具を置かないこと。
2.水・保存食は必ず家族分、3日分は用意しておくこと。
3.お風呂の水は常に貯めておくこと(トイレ用の水流し用に。非常時にこれがあるとものすごく救われます!)。
4.枕元に懐中電灯と靴(スリッパでも)を用意しておく(ガラスが割れると歩けなくなるので)。
5.家族と連絡が取れなくても、いざという時の集合場所を決めて普段から事あるごとに確認しておくこと。

これからも地震が起こるのは仕方のないことだが、被害は最小限に抑えられますように。

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さて、先月ものすごいコケの本(マンガ)が届いた。

その名も『コケもす日記』(加藤宝積著、\1,000+送料)。





コケに目覚めた少年・サク太郎くんが博物館学芸員の木毛(もくげ)さんと出会い、
次第にコケの魅力にはまっていくという、一点の曇りもない、ド直球のコケ漫画なのである。





木毛さんにコケモンカードを授けられ、日本中のコケと出会いたい!と夢を抱くようになったサク太郎君。
近所を歩くうちにどんどんコケアンテナが鍛えられ、あっちこっちでコケを見つけてはルーペで見入り、ついにはミクロの森へ迷い込む。






果たしてそこに広がっていた世界は・・・







この漫画の何がすごいって、まずこの画力である。
コケを知る者も知らぬ者も思わず息をのむほどの美しさと緻密さだ。
物言わぬ小さなコケが、まるで踊り出しそうなほどにイキイキと、一コマ一コマが生命力にあふれている。





また本を手に取ってよくよく見てみると、細部にわたって作者のこだわりが散りばめられているのにも気づくだろう。



▲表紙。サク太郎くんのバッグにはルーペモチーフのコケグッズやコケモチーフのバッジが!



▲表紙をめくった先の遊び紙は、すりガラスのような紙にゼニゴケがデザイン。コケがこんなにおしゃれでいいのかと言いたくなるくらい洒落ている。



▲本が送られてきた際の封筒。ここにもまさかのゼニゴケが!


じつは著者の加藤さんと私は3年ほど前に知り合い、北海道で一度、キノコ写真家の新井文彦さんも一緒に3人でコケ・キノコ観察をした仲。
すでに出会った時にはこの漫画の制作に取りかかられていたから、3~4年越しで完成した大作である。

でも、そもそもなぜこのような漫画を作られようと思ったのか?

加藤さんにメールでお尋ねしてみたところ、

 「科博(国立科学博物館)の『コケモンカード』(当ブログの以前の記事をご参照)の存在を知った時に、パロディマンガにしたらどうだろうと思いついたのですが、
  自分はまだコケの事をよく知らないので、勉強しながら描いていける学習マンガ的な体にしたらよいのではないかと思いました」

とのこと。なるほど、サク太郎くんは加藤さんの分身的な存在ともいえるのかもしれない。

では制作中で大変だったことは?

 「やはり小さなコケを描くのが大変で、なかなか向き合えず時間がかかりました」

でしょうね~!こんだけ緻密に描くのは並大抵の気力と体力ではやりきれますまい!
ていうか、加藤さん、いくらコケが好きだからって凝りすぎですよ!(笑)

あれ? でもちょっと待って。





表紙に「1」とあるのだから、今後は「2」が出るってことですよね?!(やった!)
とはいえ、このクオリティーを保っていくにはまた莫大なエネルギーが・・・。
あぁ、、でも続きをとっても楽しみにしている一読者として声を大にして言わせてください。

ここはどうかひとつ、次は3、4年後ではなくもう少し早めにお願いいたします!m(__)m


▲さらにはこのようなカードもおまけでつけてくれるシマツ(コケモンカードもあるし!)。
 どこまで至れり尽くせり、どこまで凝り性なお人なんや、加藤さん!


最後にそんな『コケもす日記』の入手方法のご紹介をば。
通常は加藤さんのホームページにあるネットショップから手に入れることができますが、
近々の予定ではイベントでの販売もあるとのことです。


::::::::::::::『コケもす日記』のお問い合わせ・購入方法:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::


●加藤さんのホームページ→  Café de Forêt + 知床幻氷観測部
●ネットショップ→ 
●イベント
 ・4/29~5/5「KOBEコケ展」(兵庫県神戸市)の物販コーナーにて販売。
 ・7/23,24(土日)の「博物ふぇすてぃばる!」(東京都九段下)にも出展。

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