かわいいコケ ブログ I'm loving moss!

コケの魅力を広く知ってもらいたくて、情報発信中。
コケ、旅、山が好き。コケとコケにまつわる人やモノの記録です。

大事なお知らせ、を少しずつ。

2011-05-14 14:33:38 | コケの本棚

▲『コケはともだち』より。コケのことが気になり始めるK子さん。(イラスト:永井ひでゆき)


山形コケレポートの途中だが、
いよいよ日が迫ってきたので、
今日は先に大事なお知らせを。


突然なのですが、じつは、
5月23日(月)~24日(火)あたりに
とっても楽しいコケの本が出ます!


コケの魅力をもっと多くの人に知ってほしい、
そしてコケと仲良くなってほしいという思いから、


本のタイトルはずばり、『コケはともだち』



▲発行:リトルモア/価格:¥ 1,575


そして一応、著者は私デス。(・・・汗)


このブログの左にある「プロフィール」にもあるのだけど、
私の仕事はフリーの編集ライターです。

もともとはチーズやパン、
料理などの本や冊子を作る
編集プロダクション出身で、
いまもそれ関係の媒体を中心に
お仕事させていただいておりマス。


そんな私が南アルプス登山や
屋久島旅行などがきっかけで
たまらなくコケのことが好きになり、
そういうアウトドアの場面で、
自分にとって使い勝手のよい本があればなぁと
思い始めたのがもう2年以上前のこと。


植物の本は作ったことないけれど、
自分の職業柄、なんとか自分の手で本が作れないだろうか。

でもテーマは植物のなかでも
とりわけマイナーなコケ。

新しい本を出しても売れるのだろうか・・・やっぱ売れないかな。

でも売れないなら自費出版でもいいから出して、
自分の周りのコケ好さんや山仲間に配れたらいいか。

最初はそんなふうに思っていたのデス。


そんなとき、離職後に通っていた専門学校の先生から、

「とりあえず、まずは出版社に企画書を持ち込んでみたら?」

と背中を押され、ご縁あって門を叩いたのが、
写真集やカルチャー誌で有名な「リトルモア」さん。


そして、初めての訪問で対応してくださった
編集者Tさん(のちに担当編集者となってくださるお方)に、
おそるおそる本の企画書を渡すと、

「なんだかおもしろそうですね」

と意外にも好反応ではないか!

そして彼女はこう続けた。

「でも、どうせだったらもっと広く一般の人に読んでいただけるような、
 コケのことを一からわかる本にしませんか?」

それが去年の2月頃のことだったと思う。


その後、Tさんと一緒に何度も企画書を練り直し、執筆を開始。

コケ植物の専門的かつ最新情報を盛り込むため、
監修には『苔の話』(中公新書)の著者であり、
兵庫県立人と自然の博物館の主任研究員であられる
秋山弘之さんにお力を借りた。


さらに、

「子どもから大人ま楽しんでもらえる本にしたいよね」

ということで、イラストは豊富に。デザインはポップに。

イラストレーターの永井ひでゆきさんと
デザイナーの大原大次郎さんにも携わっていただいた。


本の内容は冒頭のイラストに出てきた
コケにまったく興味のなかったOL・K子さんが
コケとともだちになっていくまでの物語が主軸となっている。

それに織り交ぜて、コケ植物のユニークな生き様、
野外でのコケの見つけ方、観察の仕方、育て方、
さまざまな種類などを紹介していくというもの。


なかでも力を入れたのは中盤から始まる
コケキャラクター入りの「コケ図鑑」だ。
この図鑑、従来の植物図鑑とはちょっと趣向が異なる。

コケはパッと見は小さく目立たないけれど、
知れば知るほどそれぞれに形も性格も、
いろいろあっておもしろい。

よく見ているとまるで人間のようにも思えてくる。

ならばコケをキャラクター化して、
図鑑にしてみたらどうだろう。


そして生まれたのが、
なんとも愛らしい彼らたちなのである。


たとえばギンゴケは・・・・




↓↓こうなる↓↓



▲路上に生え、疲れたサラリーマンをいつも応援しているギンゴケの銀さん。
 なぜかクマムシに好かれる。(イラスト:永井ひでゆき)



また、ゼニゴケは・・・・




↓↓こうなる↓↓



▲背の高さがでこぼこコンビのゼニゴケ夫妻。カカア天下だが夫婦仲は良好。(イラスト:永井ひでゆき)


本誌には全50種のコケの特徴と写真、
そしてコケキャラを掲載している。

キャラクターづけは主に私がいままで
体験したコケとの出会いをもとに、
コケの特徴を押さえつつ、
想像を膨らませた(てか妄想かもしれんけど・・・)。

そしてそこから永井さんに
具体的なイラストを考えていただいた。


50種のキャラクターづくりはなかなか難しく、
私もかなり頭を悩ませたが、永井さんにも何度も下書きを重ねていただいた。

でもそのおかげで、こんなにかわいらしく、
夢のあるキャラクターたちが誕生したのだ。

いまコケのキャラクターを描かせたら、
世界中で彼の右に出るものはいないと思う。(キッパリ!)


ともかく、コケ研究者の秋山さん、
何人ものコケ好きのみなさん、本作りのプロのみなさんと、
多くの方々のお力があってこそ完成した一冊です。

そして常に私に刺激を与え続けてくれる
コケたちの存在があったからこそ、
私も最後まで楽しんで書ききることができました。


この本を手に取った方に、少しでもその楽しい気持ち、
心豊かになれる気持ちが伝わったら嬉しいなと。


発売までもう少し。
どうぞご期待ください。

※まだ書ききれていないこともあるので、つづきは次回に。