拝啓 ムバラク大統領殿
閣下は今、重大な岐路に立っていらっしゃる
色々なことをお考えでしょうが
結論を下す前に、私が2007年9月に
ブログに書いた「エリート」
「上に立つ人」を、恐縮ですが読んで頂きたい
雨期になると冠水してしまう未開の地アマゾンに、
その昔、かなり高度な文明(モホス文明)が存在したらしい。
以前放送されたテレビ特番での話だ。
とても人が住めるような環境ではないはずの湿原に
自然と共存するように人が暮らしていたのだ。
興味深い内容だったが、特に興味を引かれたことがあった。
居住のため人工的に作られた丘・ロマから、
大柄な男性の人骨が発掘された。推定年齢35歳。
装飾品などからリーダーと推察され「高貴な人」と命名された。
学者が〝彼〟の骨を調べ面白い事実が分かった。
奥歯がすり減っていたのだ。ストレスを抱えた人間の特徴という。
常に奥歯を噛みしめ、そして歯ぎしりをしていたのだ。
さらに、背骨には過酷な肉体労働をしていた証拠が残っていた。
また、祈祷のためか、長い間 断食をしていた証もあったという。
食を断ち人々の為に祈り、辛い労働に耐え、
リーダーとしての重圧と戦っていたのだ。
そして、天寿とはいえない35歳という若さで死んだのだ。
権力者のイメージとは程遠い。
英国の〝エリート〟の教育方法に「石畳ラグビー」がある。
柔らかい芝生ではなく、石畳のフィールドで激しくボールを奪い合うのだ。
試合が終わると、ほとんどの選手が血だらけになる。
なかには大怪我をする若者もでるという。
なぜ、そんな危険なマネをするのか。
その起源は、騎士の訓練にあるらしい。
騎士は、戦いが起これば兵を従え最前線に立つ。
国民を守るため、一番に死ぬ危険を背負う、それが彼らの誇りなのだ。
その勇気と気概を養うため、騎士は危険な訓練を繰り返したという。
その伝統が、英国には息づいている。
自分を盾にして国民を守るのが「エリートの役目」なのだ。
最近、チャールズ英皇太子の二男、ヘンリー王子が、
志願してイラク南部に派兵するという報道が流れた。
日本の〝知識人〟は「なんでまた…」みたいな論評ばかり。
本物の「エリート意識」を知らないのだ。
エリートはフランス語で、厳しい選抜と高度な専門教育を受け
ある特定の方面に於ける役に立つよう、充分に訓練された人間という意味だ。
だが日本では、高学歴はもちろんだが、高級官僚や政治家、
一流企業の社員や医者、育ちのいい大金持ちなどのことを指すようだ。
特権階級、金持ちとエリートが同義語になっている。
庶民の上にあぐらをかき、庶民を操作できると思い上がり傲慢で
それでいて人々からの尊敬を期待し、
災害があれば一番先に安全な場所に避難するのが当然と考えている。
日本で、エリートという言葉に酔う人間は
なんだか底の浅い人種に思えるのは僕だけか…。
モホス文明の「高貴な人」は、日本のエリートを見て何を思うだろう。
最後まで読んで頂き感謝いたします
そう、日本には晩節を汚すことなかれ
という言葉があります
どんなに華麗な人生を歩んでいても
最後が醜いものなら全て台無しであるという意味です
どうか、晩節汚されませんよう…