「へンくつ日記」

日常や社会全般の時事。
そして個人的思考のアレコレを
笑える話に…なるべく

「貴方は間違っている!」

2010年04月25日 14時25分02秒 | Weblog

乗客106人がその尊い命を失い
562人が重軽傷を負った
JR福知山線脱線事故から5年
想像するだけで鳥肌が立つ悲惨な事故だ
犠牲者に対し心からの追善を祈りたい

さて、この件で一旦は不起訴になった
三人の旧経営陣・事故当時の社長、垣内剛被告
会長の南谷昌二郎被告、井手正敬被告が
二度の検察審査会を経て“強制起訴”された

不起訴になったとき、被害者家族に対して
三人は責任についてのコメントを出さなかった
不起訴になったのだから罪に問われない
だから事故の責任はないという態度なのだ

だが、今回、強制起訴になったのを受けて
垣内剛被告と南谷昌二郎被告は
沈痛な面持ちで遺族に謝罪した

(因みに、JR西の実質的最大実力者
 井手正敬被告は、今回も謝罪はしていない)


起訴されたから謝罪するという態度は
バレたから謝る犯罪者のそれと同じだ
本屋で万引きをし、バレないうちは
強がっている高校生と何ら変わりがない
人生のモラル・規範・哲学が無いのだ

誰もが知る一流大学を卒業した
超大企業のトップだから
さぞ人間的に優れた
紳士揃いなのだろうと思っていたが
その辺の無教養の犯罪者と
人間の根幹の部分で同じだったのだ
なんとも情けない限りだ


立命館大学の加地伸行教授が
鳩山総理の発言について
サンケイ新聞で語っていた

(普天間飛行場移設問題について
 政府案をこの3月末に出すと
 鳩山総理は明言していた
 ところが期限がくると、なんと
「3月末に出すというのは
 法律で決まっているわけではない」と
 言って逃げていってしまった)

「驚いた。法律に書いていなければ
 何をしても許されるという
 法律万能の考えかたである
 これは実定法(法律)のみが法であり
 自然法(普遍的道理・道徳等)を恐れぬ
 非人間的考えかたである」


法律には「犯してはいけない」
ということは書かれているが
「正しい生き方」は書いていない
例えば六法に「友人・知人から金を借りるな」
という項目は無いが、知人から借金を重ねると
回りに迷惑をかけ、人間としての信用は失う
これは正しい生き方ではない
間違った生き方では
どんなに頑張っても
良い結果は出ない
けれども、憲法にも六法にも
「借金をするな」とは書かれていない
つまり法には触れないのだ

法律に「他人の嫁さんを盗るな」とはないから
鳩山さんは今の奥さんを略奪したのだろうが
盗られた旦那や親族にとって鳩山さんは
「人の道に外れた信用ならない」人間として映っているだろう

「法律に触れないから良し」という発想が
国の最高責任者が持っているとしたら
米国の報道機関が言うように
「なんとも愚かで情けない」指導者だ
そんな人間を選んだ我々も
愚かで情けない限りだ



それにしても、いつから日本は
こんな非人間的思考の
無責任人間が増えたのだろうか

ヒトラーやナチスを強烈に批判した
チェコの作家カレル・チャペック(1890~1938)は
「無関心な沈黙は悪逆非道との共犯だ」と叫んだ
黙っていれば、悪は益々大きな顔をして蔓延ってくる
黙ることは、悪に味方するのと同じと説いたのだ

チャペックのような人物が
仮に日本に居たとしたら
日本の国民は賛同し
声を合わせるだろうか
大いに疑問だ
第二次大戦は国民の無言が
起こさせた一面もあるのだから

悪に対し声を上げない
その根底には「臆病」と
自分に対する「自信の無さ」が
あるように思うのは僕だけか…
「勇気」と「揺ぎ無い哲学」が必要だ


ともかく「人のために」ではなく
「人とコストの管理追及」と「儲け主義」
「法に触れなければ」という発想は
当たり前だが、絶対に間違っている
そんな人間が溢れれば日本は滅んでしまう
間違った心根が、間違った思想が社会を壊すのだ
結果的に、第二の福知山線脱線事故が起きかねない
下手をすれば戦争だって起きかねない
だから特に、企業のトップや政治家にそんな発想があれば
断固、声を上げたいと思う

「貴方は間違っている!」と
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