「へンくつ日記」

日常や社会全般の時事。
そして個人的思考のアレコレを
笑える話に…なるべく

度し難し

2008年10月30日 18時41分24秒 | Weblog
 
 
先日 北海道で振込め詐欺被害があった
この手の詐欺被害は珍しいことではない
けれども、これは珍しい事例だ

息子から「会社の金に手をつけた」という
泣きながらの電話が母親にあった
母親は急いで銀行に行き、息子のではない
指定された口座に金を振り込もうとした

異変に気づいた銀行員が
「これは振り込め詐欺」
「騙されてはいけない」
と、母親を説得した
母親は息子に連絡を取ろうとしたが
悪いことに電話は繋がらなかった
銀行員の説得は1時間半にも及んだ
しかし母親は聞こうとしない
そして結局、母親は指定された口座に
百数十万円を振り込んだのだ

振り込んだ後に息子と連絡がとれた
息子は驚く 当然ながら詐欺だった

母親以上に、説得した銀行員は落胆した…


度し難しという言葉がある
「道理を聞かせても聞く耳持たない」
「愚か者」という意味だ

息子を思う母親の感情が
正常な判断を狂わせたのだから
「愚か者」扱いするのは言いすぎだ
けれども、賢明ではない行動に走った
彼女の思考回路の重要な部分に
「度し難い人間」と同じ欠陥が
あるように思えてならない


度し難い人間の底辺には
日本古来の悪い風習が
こびり付いている気がする

「見ざる・聞かざる・言わざる」だ

長い軍事政権下(鎌倉~徳川~近代の一時期)
で、庶民が権力に睨まれずに生きるには
「役人らの不正に目をつぶり」
「権力に反抗する者の言葉を聞かず」
「ましてや自らも反抗の言葉や
 権力への不満を言わず」しかなかった

「この世は苦しい
 けれども不平を言わず耐えれば
 死んだ後 極楽へ行ける」という
権力と結託した宗教の教えも
この生き方に拍車をかけた



それが日本人のDNAに染み込んでしまった
まさしく「私は貝になってしまった」のである

長い「見ざる・聞かざる・言わざる」
の生き方が、脳の大事な部分を閉ざしてしまった
だから事象への反応に愚鈍になり
打てば響く賢明な民族とは程遠くなり
賢明なこと正しいことに敵意さえ抱く
愚かな民族になってしまった…という意見もある



体の調子が悪いと医者に行く
どの部分が悪いかを調べ
原因が判って初めて治療できる

「本当のことが恐くて…」
医者に行かない人もいる
もしガンだったらどうするのであろう
死ぬのは何より恐いくせに
末期まで進行し取り返しが
つかなくなるのを待っているのか

取り返しがとかなくなる前に
自らの欠陥を正しく認識し
“打てば響く賢明な人間”
“他人任せにしない真に自立した人間”
を目指す努力をしたいと思う昨今
大事なのは目指すべき
比類なき偉大な人格の存在
常に偉大なる人格を胸に
日々の生活を戦おう

振り込め詐欺から
大きく話がそれてしまった
ま、ブログだからいいか…
コメント
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