ビルクル・ティーケ!

~パキスタン見聞想録~

ドライバー ズルちゃん

2006-07-31 21:01:45 | パキスタン的出来事
ズルちゃんのドライバーデビュー日です
これまでに何人かドライバーを雇いましたが、6月に最悪の事件が起こり、その後は
他人に悩まされるぐらいだったら自分で運転した方がマシ!と自分で運転していました。

3月にも大家パパから「ズルフィカールをドライバーとして雇えばいいじゃないか」と
言われてはいたのですが、なんせズルちゃんはこの家で働き出して12,3年。
その間に築き上げてきたこの家の秩序を、ヨソモノのbilkulが入ることで崩したくなかったので
ありがたい申し出ではあったのですが、ずっと断ってきました。

ところが6月の事件。大家パパはカンカンに怒り、bilkulも激怒かつ凹み、たくさんの人に
迷惑をかけ、もうほとほとドライバー問題には疲れ果ててしまいました。
その頃からズルちゃんが「マダ~ム。僕、ドライバー!?ダメ?」と聞いてくるように。
彼は今までのドライバーをずっと見て来ているので、心配してくれたのでしょう。

最初は「ズルちゃんはこの家での仕事があるでしょ?だからダメだよ」と言っていたのですが、
そのうちにズルちゃんの弟が頻繁にやって来るようになりました。
どうやらこの家の仕事はサイーダちゃんと弟君に徐々にシフトする模様。

もしかして本気なのかなー?と感じたので、大家パパに再度相談。
「Bilkulが心配しているのは、きっとbilkulの方がパパより高い給料を払うんだよ。
そのことによって、bilkulが帰った後ズルちゃんがパパからのお給料だけで
満足できなくなるかもよ。そうなったらどうするの?元の(この家の)仕事に戻らなくて、
どこかの外国人家庭のドライバーとして働くようになっちゃうかもしれないよ?」

しかし、そこは大家パパ。さすがパキスタン人。ひとこと、

「のーぷろぶれーむ!」

いや・・・だから・・・もうちょっと先のことを考えてくれますか?
Bilkulがこんなに先のことを心配しているというのに、なんだってそう短絡的なの?
まったく easy なんだから。それがよくもあり、わるくもあり・・・

何度もbilkulの懸念は大家パパには話してきた上で、それでも「ドライバーとして
雇っていいよ」と言ってくれているのでお言葉に甘えることにしました。
Bilkulのちっぽけな心配より、大家一家とズルちゃんの12,3年間の絆を信じるよ。

ズルちゃんには、まず清潔なシャルカミを買うように指示しました。
今までは使用人として台所仕事も掃除も簡単な大工仕事もすべてやっていたので、
ズルちゃんのシャルカミといったらズブ濡れだったり、油で汚れていたりが普通。
しかし、これからは外国人がたくさん出入りする地区に出勤し、いろんな方々の
目に触れることになるのでそういった服装は雇用者としては困ります。

すると昨日イトワール・バザール(日曜市)で中古のシャルカミを買ってきたらしい。
すべてサイズが大きかったので、ただいまお直し中です。

今日からドライバーとしてよろしくね、ズルちゃん☆