ファンタジックチルドレン 第12話 『閻魔』
実に面白い。この作品がこれほど面白く感じられるというのは、今まで見続けてきたご褒美なのかなぁ。ちょっと地味だけれども、今まで見たこともないようなオリジナリティー溢れるストーリー。私はずっと、こんなアニメが観たかったのかもしれない。
ただ、ここまで見て来てひとつ言える事は、このアニメは1話から通して見ていないと、それほど面白くないだろう、と言うことだ。いま「未来少年コナン」が再放送されているが、あの作品はたとえ途中から見たとしても間違いなく面白い。話の筋なんかわからなくても、十分楽しいのだ。同じ日本アニメーション制作で、絵柄や雰囲気など似通った部分も多い両作品だが、そこが決定的に異なっている。もちろんアニメ史に残る大傑作と比較するのは酷かもしれないが、それが唯一残念な点である。早い話が、この作品を人に勧めるときに、「とりあえず1回見てみて」といえないのが、非常に歯がゆいのだ。
ちょっと脱線したが、今回、ついにベフォールの子供たちとヘルガが会い、物語は前半の山場とも言える盛り上がりを見せる。
妹を思うあまり、死してもシベールを守ろうとするキルヒナーの妄執。それは、アギの心と合わせ鏡になっているかのようだ。身を挺してキルヒナーの魂を救おうとするアギの様子に、深く心を打たれる。
死の世界、オエセル、ゾーン、閻魔。アギの言葉から推測されるこの物語の世界観は、身体は死んでも、魂は永遠に存在し続けると言うことらしい。
閻魔とは、宇宙の意思のようなもの? それとも宇宙のバランスを守っているものなのかもしれない。
ちなみに大辞林で「閻魔」を引くと、
(1)〔仏〕 亡者の罪に判決を下すという地獄の王。笏(しやく)を持ち、中国の道服を着、怒りの相をあらわした姿で描かれる。もとインド神話中の神で、祖霊の王。焔摩。閻魔羅闍(らじや)。閻魔羅。閻羅。閻羅王。閻魔王。閻魔大王。閻魔法王。
となっている。この作品であえて閻魔という周知の言葉を使ったのは、死の世界を司る存在というイメージを、強く持たせたかったからかもしれない。
トーマとヘルガの再会シーン。トーマが捜しに来たことを知ったヘルガが、もう少し嬉しそうな素振りでも見せてくれたら、良かったのだが…。いや、別に嬉しそうでなくても、なにがしかの感情を感じさせる演出が欲しかったと思う。トーマとヘルガの絆を描くことが、この物語の軸の一つになるのは間違いないのだから。
次回、「ギリシアの記憶」。アギの口から、ついに物語の全容が明らかになるのだろうか? 期待して待ちたいと思う。
実に面白い。この作品がこれほど面白く感じられるというのは、今まで見続けてきたご褒美なのかなぁ。ちょっと地味だけれども、今まで見たこともないようなオリジナリティー溢れるストーリー。私はずっと、こんなアニメが観たかったのかもしれない。
ただ、ここまで見て来てひとつ言える事は、このアニメは1話から通して見ていないと、それほど面白くないだろう、と言うことだ。いま「未来少年コナン」が再放送されているが、あの作品はたとえ途中から見たとしても間違いなく面白い。話の筋なんかわからなくても、十分楽しいのだ。同じ日本アニメーション制作で、絵柄や雰囲気など似通った部分も多い両作品だが、そこが決定的に異なっている。もちろんアニメ史に残る大傑作と比較するのは酷かもしれないが、それが唯一残念な点である。早い話が、この作品を人に勧めるときに、「とりあえず1回見てみて」といえないのが、非常に歯がゆいのだ。
ちょっと脱線したが、今回、ついにベフォールの子供たちとヘルガが会い、物語は前半の山場とも言える盛り上がりを見せる。
妹を思うあまり、死してもシベールを守ろうとするキルヒナーの妄執。それは、アギの心と合わせ鏡になっているかのようだ。身を挺してキルヒナーの魂を救おうとするアギの様子に、深く心を打たれる。
死の世界、オエセル、ゾーン、閻魔。アギの言葉から推測されるこの物語の世界観は、身体は死んでも、魂は永遠に存在し続けると言うことらしい。
閻魔とは、宇宙の意思のようなもの? それとも宇宙のバランスを守っているものなのかもしれない。
ちなみに大辞林で「閻魔」を引くと、
(1)〔仏〕 亡者の罪に判決を下すという地獄の王。笏(しやく)を持ち、中国の道服を着、怒りの相をあらわした姿で描かれる。もとインド神話中の神で、祖霊の王。焔摩。閻魔羅闍(らじや)。閻魔羅。閻羅。閻羅王。閻魔王。閻魔大王。閻魔法王。
となっている。この作品であえて閻魔という周知の言葉を使ったのは、死の世界を司る存在というイメージを、強く持たせたかったからかもしれない。
トーマとヘルガの再会シーン。トーマが捜しに来たことを知ったヘルガが、もう少し嬉しそうな素振りでも見せてくれたら、良かったのだが…。いや、別に嬉しそうでなくても、なにがしかの感情を感じさせる演出が欲しかったと思う。トーマとヘルガの絆を描くことが、この物語の軸の一つになるのは間違いないのだから。
次回、「ギリシアの記憶」。アギの口から、ついに物語の全容が明らかになるのだろうか? 期待して待ちたいと思う。