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触法未成年者に対する実名報道の是非。

2006-02-10 18:34:05 | 法律
今日もまたこのネタ引っ張りますけども。
しかも思いっきり無知を晒す可能性があるんですが、まぁ書いてみましょう。

法律やってる人間は気がついたと思いますが、違和感のあるタイトルです。
触法未成年。法律用語ではありません。
刑事未成年で良いように感じるでしょうが、 実はこの件はそうでもないんでね。
いわゆる少年法§61と憲法§21との調整の問題は、
長良川等殺人事件・堺市通り魔殺人事件で
これまで論じられている訳ですが、事件名からもわかる通り、
当該2件はいずれも被害者が命を落とすという重大事件であります。
これに比べて本件はたかだかアイドルが喫煙現場を押さえられただけ。
事の重大性がまるで異なる訳であります。

これを前提として、以下進めますが。
報道の自由がプライバシーや名誉権に優越するための要件は、
刑法§230-2に基づき、
1.当該行為が公共の利害に関する事実に係ること
2.専ら公益を図る目的に出たものであること
とあると解される訳であります。
ところが、少年法§61はこれとまるで違う内容を規定し、
報道の自由を大きく制約している訳であります。

で、この論点についての考え方は2つ。
一方が、刑法§230-2の要件さえ満たせば、 常に実名報道が許されるとする立場。
もう一方が、少年における実名報道されない権利は、成人の
それより強力であって、より厳格に判断すべきとする立場。

最初の立場を採った場合、一見本件実名報道は問題があるように思えるけれども、
未成年者の喫煙、特に世間に多く露出する芸能人のそれは
若年者に与える影響が極めて大きく、 正しく公共の利害に関する事実であるとし、
また、これを世間に公表したことは、本人だけでなく若年層の喫煙を防止せんと
することを専ら目的としたとされれば、一応の説明はついてしまうと考えられる訳です。

じゃあ、2番目の立場を採るとどうかと言うと、
少年法§61をそのまま文字通りに採るか否かという問題が表れる。
ところが、§61は規定違反につき罰則がなく、また適用範囲も狭い条文で、
単なる倫理規定であると 採るのが自然と考えられる。
それゆえ、文字通りに無条件で実名報道が禁止される訳ではない。

で、現在では様々な経緯を経て実名報道を許容する例外を
新聞協会が倫理綱領として定めているのだが、その要件が
1.被疑者逃走中で、放火、殺人など凶悪な累犯が明白に予想される場合
2.指名手配中の犯人捜査に協力する場合
など、少年保護よりも社会的利益の擁護が強く優先する場合、
となっている訳です。

ここで、長良川等殺人事件・堺市通り魔殺人事件については、
まぁ法律やってる人間が勝手に判決文引っ張って来て
読んで下さいって事で割愛し、本件のみに注視する事にしましょう。
(但し法律やる人間には結構な重要論点だけどね)

本件に類似した事件として、一昨年だったか 北海道日本ハム・ダルビッシュ投手が
高校時代に続き未成年喫煙を撮られた事がありました。
当時はちょうどあびる優万引き自白事件ってのも平行して起こっていて、
しかしながらダルビッシュは実名、 あびる優は匿名で報道された事で、
一部では一悶着あった訳です。
この場合、ダルビッシュは喫煙、あびる優は窃盗で、
明らかに喫煙<<<窃盗な訳ですが、 実名・匿名がアンバランスになったのは、

1.ダルビッシュはフライデーに撮られたのが2度目で、
 1度目は高校時代匿名報道だったこと
2.ダルビッシュ側が球団や家族との相談の結果、実名報道を自ら許容したこと
3.あびる優は確かに自白したが、だいぶ前の話で、
 しかも本人の自白以外明確な証拠が何もなかったこと
4.あびる優の所属事務所であるホリプロから猛烈な圧力がかかったこと

などが理由として挙げられます。
で、本件の適用条文ですが、当然ながらダルビッシュ同様
未成年者喫煙禁止法・・・とここで問題が出て来る訳ですよ。
未成年者の喫煙は確かに§1
『満20年ニ至ラサル者ハ煙草ヲ喫スルコトヲ得ス』
で禁止されていますが、これについて本人に対する罰則規定はなし。
罰則があるのは親権者・監督者・タバコ売った方とかな訳です。
(まぁ、§2に没収は規定されてますが)

そんなんで実名報道して良いのか?って、普通なりますね。
ただ、一方で、今回の報道が匿名だったとしましょう。
フライデーが目線入りで写真を掲載し、匿名で報道と仮定します。
この場合、まず目線や匿名報道で本人が特定出来ないような
報道がされた場合、『本人探し』が始まって、無関係な人間に被害が及ぶ可能性もあり、
また、記事自体が読者に与える説得性が著しく低下し、
そもそもセンセーショナルさを欠いたそうした記事は
掲載そのものがされるかどうかも怪しくなって来ます。
つまり、これでは報道する意味がない。

次に、目線入り匿名でも本人が容易に特定できるような場合。
これは長良川等殺人事件時に容易に特定可能な仮名が使用されたことが頭に浮かびますが、
本件においてそうした仮名を使用しても結局のところ実益がない。
実際、今日の朝のスポーツ紙などはこうした形を採っていたようですが、
『W(ダブルユー)』『相棒の辻』といった単語から、
世間一般に簡単に本人が特定できる匿名報道には、まるで実益がありません。

と言う訳で、個人的には本件実名報道は悪趣味であることは別の問題として、
やむを得なかったというのが結論であります。

ちなみに、俺は刑事未成年の実名報道についてもかなり緩く実名報道を
認めるべきだという立場ですが、その点にまで言及するとあまりに長くなるので、
この辺で。
コメント

霞ヶ関周辺をウロウロ。

2006-02-09 20:46:29 | 法律
今日は司法試験の願書を取りに行ったついでに、
久々に裁判の傍聴をしてきました。

案件は4つ。全部刑事。

1・詐欺(判決)
判決だったので中身は判然としないが、
半分プーみたいな生活をしていた被告人が金に困り、
銀行から通帳とキャッシュカードを騙し取ったと思われる事案。
妙に穏やかなムード。どうやら被告人はかなり反省はしている様子。
年下の妻が妊娠中で、今日出産したとのこと。
初犯なこともあるし、薬物とかとは無関係らしい。
2年6月。執行猶予4年。
奥さんのために更正しそうだったし、良かったんじゃないっすか。

2・ストーカー行為等の規制等に関する法律違反(新件)
本物のストーカーとやらを見てみようと思って行く。
なんと被告人67歳。えー、マジすか。

案件概要としては、被告人と一時不倫関係にあった被害女性がケンカ。
仲直りのしるしにと被告人は半ば暴力的に性交渉を被害者に強要。
被害者は前の夫からの暴力が原因でかなり精神面に傷があったようで、
これを原因として女性側から関係清算を要求。女性は以後被告人を無視するように。

が、被告人は女性にその後も手紙の受け取りの強要をしたり、
受け取らないことを理由に玄関に手紙を貼り付けたりしていた。
警察から再三の注意の後、結局警告が発せられたにもかかわらず、
これを被告人は無視、同様の行為を継続したため逮捕。

双方事実関係については認め、争いなし。
検察側尋問に対し、被告は『話し合いをしてケリをつけたかった』
『関係清算にあたり、取れる責任は取るつもりだった』と説明。
弁護人からもかなり手厳しい尋問。
ただ、これは当然のことながら再犯可能性を否定することも視野に入れての尋問だしね。

気になったのは被告人と被害者が同一生活圏に居住している事。
いくら現在は被告人に被害者と接触する意思がないと言っても、
この手の犯罪は何をキッカケに再燃するかわからないのでね。
検察官も『それでは犯行前と何も変わってないんじゃないですか?』
というドギツい質問をぶつけていたが、まぁ確かに怪しい感じはあった。
女性との関係清算における責任とは何なんでしょうね。
少なくとも、2度と会いたくないという女性に
しつこく関係修復を迫る事が責任ではない事は間違いないですがね。

3・殺人、銃刀法違反等(審理)
被告人は被告人の妻と被害者との間の不倫を疑い、
被告人の精神状態がおかしい事を認識し精神科に連れて行こうと
した事を、精神病院に自分を入れている間に妻と被害者が
現在以上の関係になる危険性が高いと考え、被害者を殺害。
弁護人からは被告人の責任能力、
従前被害者による被告人に対する嫌がらせ行為があった事、
被告人の妻と被害者とがメールの交換をしていた事実などから、
殺害の事実自体は争いはないものの、刑の減免の余地アリと答弁。
但し、検察側から提示された事実関係等からするに、
被告人が犯行当時統合失調症であったとするには疑問が呈される状況。
被告人の供述がある時期から変化しており、その変化以前には
犯行状況を詳細かつ正しく供述していたようで、
以後の変化は39条狙いの詐病の疑いアリという心象を持った。
求刑懲役18年。

被告人は仲人を被害者の両親に依頼しており、
被告人と被害者は外からは非常に仲が良く見えたという。
その被害者の両親の前で被害者をメッタ刺し、
しかもその理由がありもしない浮気を疑ってでは、同情の余地なし。
最後に意見を求められても、言ってる事は意味不明。
自分の犯した犯罪を周囲の環境のせいにしようとしている節が見受けられた。
確かに言ってる事はおかしかったが、
39条適用して減免するほどだったではないと思う。
何より精神鑑定の請求すらしていないと言うのが怪しい。
本当に統合失調症なら弁護人から請求すべきだろう。

4・迷惑防止条例違反(判決)
要するに中央線車内での痴漢行為。
被告人・被害者双方供述内容は一貫しているが、
真っ向からそれは対立。他に証拠がなく、決定打は本来なし。
被告人は会社の上司にまで証言を依頼したらしいのだが・・。

結局、被害者が過去にやたらと痴漢を捕まえて
警察に突き出したりしているような人ではなく、
今回は態様が悪質だったために耐え難くてこうした事態になったいう
供述を裁判官は信用したようで、猶予付きとは言え有罪。

疑わしきは被告人の利益にとか言っているが、
決定打がなくても有罪になる典型が痴漢だということを実感。
恐らく控訴するだろう様子だったが、
この件以外被告人は全くのマジメな人物だったようで、
冤罪だったらシャレにならんな、と考えさせられる。

だからと言って、多分女性からこういう相談を受けたら
相手の男をどう滅多打ちにするかを考えるだろうが・・・。

特に何も考えてなかったのに、ストーカー規制法に39条と
専門にやってきた分野の実戦を見れて参考になりました。
コメント

17年目の死刑確定。~平成18年1月17日最高裁第3小法廷判決

2006-01-17 16:29:24 | 法律
正直、あんまり書きたくないんだな、このネタ。
触法精神障害者関連はいわば俺の専攻分野とも言うべき所で、
だからこそ適当に迂闊なことが書けんのよ。
でもなんか諸方面から要望が出てしまったので・・・。
ちゃんと書いたら長くて労力かかりすぎるんだよなぁ。
普通に研究発表出来ちゃう分量書けちゃうし・・・。なるべく簡潔に。
中身がないのを覚悟して読むように。


事案は1988年から翌年にかけ埼玉・東京で発生した連続幼女誘拐殺人事件。
原審までの事実認定によれば

1・88年8月、埼玉県入間市で幼稚園児(当時4歳)を誘拐、
東京都あきる野市の山林で殺害して遺体を焼いた

2・同年10月、埼玉県飯能市で小学1年生(当時7歳)を誘拐、あきる野市の山林で殺害

3・同年12月、埼玉県川越市で幼稚園児(当時4歳)を誘拐して
飯能市で絞殺、遺体を山林に捨てた

4・89年6月、東京都江東区で保育園児(当時5歳)を誘拐、殺害して遺体を捨てた

5・89年7月、八王子市で小学1年生にわいせつ行為をした

の5件が構成要件該当事実とされる訳だが、
被告宮崎勤は捜査段階で極めて詳細な自白を行ったとされている。
しかしながら、公判に入ると一転起訴事実の一部否認、ならびに意味不明な供述を行い、
被告の責任能力について争われる事になった。
原審までの段階において結局事実関係はほぼ争点から外れ、
実質責任能力1点に争点は絞られたと考えても良いような状況となった。

法律に携わっている人間ばかりが読者ではないので、一応条文を引いておく。
刑法39条
1・心神喪失者の行為は、罰しない。
2・心神耗弱者の行為は、その刑を減刑する。

41条は刑事未成年についての条文なので割愛。

すなわち、心神喪失の状態にあれば責任能力が欠け不可罰、
心神耗弱の状態にあれば処罰を軽減する、という事。
この心神喪失ならびに心神耗弱と言うのはあくまでも法律用語で、
医学上の用語ではなく、またその意義の理解については全面的に解釈に委ねられている。

判例・通説は生物学的方法と心理学的方法とを併用し、
心神喪失並びに心神耗弱について規定しようとしているが、
結局の所、これに当たるか否かは結局犯行前後の病状や生活の状態などを総合考慮し、
判断される事になる。

本件下級審で出された被告精神状態についての鑑定書が3通。それぞれ、
1・極端な性格的な偏重、すなわち人格障害であって、統合失調症等ではなく、
  完全な責任能力が認められる

2・多重人格を主体とする反応性精神病であって、責任能力は限定的である

3・統合失調症であって、責任能力は限定的である

と見解が3分し、いずれを採用するのか、もしくは独自の見解を採るのかが注目され、
結局地裁は1を採用、原審もこれを踏襲したと言って良い。
ちなみに、裁判所は鑑定書に基本的には拠る事になるが、
必ずしもそれを強制的に行わざるを得ない訳ではなく、
独自の見解に立って裁判することも許される。


まず、ここでポイント1。精神鑑定書の意義について。
39条関連の様々な文献を読むにつけ思う事は、鑑定書の存在価値というのが
甚だ怪しいものだと言うこと。
こういう事を言うと医療関係者からお叱りを受けるかもしれませんが、
むやみやたらに責任能力を疑問視する鑑定書を書く『人権派』の先生というのが
どうもいらっしゃるようで。
すなわち、精神医療の観点からして、こういう人の責任を追及して刑務所などに
入れてはいかん!ということのようなのだが、
それが被告の人権擁護だというのは思い上がりも甚だしい訳で。
当然、被害者の人権という視座を欠いている批判も上がる事になるだろう。
ところが、こういう事はなかなか表には出ませんからね。

更に言えば、それぞれの先生が真剣に誠意を尽くして鑑定を行っても、
結局判断が分かれるケースは少なからず存在し、この際裁判所がどう判断すべきかも
結局明文化されたルールはない訳で、その点専門的知識を持たない裁判官が
何に依拠して判決を下すかわからないのは問題だという批判もありうる。

本件においても、数から言えば責任能力は限定的であるとしている鑑定書が2通、
完全責任能力を問えるとしている鑑定書が1通な訳で、
例えば『鑑定を複数行った場合、最大公約数的な鑑定を採用する』という
ニュアンスのルールがあったとすれば、責任能力は限定的であるとされても不思議はない。

精神医学の世界では統合失調症は刑罰ではなく治療の対象であり、
原則責任無能力として考えるべきという立場を伝統的に採用していて、
判例がほとんどの場合心神喪失ではなく心神耗弱を認めるのと対立する訳だが、
そうであるとしても、本件において心神耗弱を認める余地はあった事になる。


結局、本件においては結局今日の判決で原審までの判断が是認され、
被告の死刑は確定する事になる訳だが、ここでやはり出てくるのが
なんで日本の裁判はこんなに長いのか、という話だと思われる。
しかしながら、この論点自体は他でも多数調べようがあるので、
違う切り口から入ってみようと思う訳で。


ポイント2。裁判員制度との関連性。
日本の裁判は引き伸ばし戦術が取られることが往々にしてあり、
それによって不必要に最終的な確定までが長いという話は今更聞き飽きた話。
ただ、現状が長過ぎるのは認めるとして、これが思わぬ方策によって
減縮されようとしているという話は一般の人々はあまり聞き慣れないご様子で。

それが他ならぬ裁判員制度。
既に実施が決定している裁判員制度だが、個人的には大きな疑問を感じている。
裁判員制度を採用することで一般の人々の声を裁判に反映する、というが、
今までそんなに非常識な裁判が繰り返されてきたのか、
あるいは制度導入で本当に結論が変わるのか、それが真実に近づくのか、
審理は十分行えるのか、など疑問は山ほどある。

先日検事総長の公演を聴く機会があったが、そのお話によれば、
『裁判員の日常生活への影響を考えるとせいぜい拘束可能なのは2週間、
 通常は3日とかになる。そう考えると検察が弁論できるのは1日しかない』
『検察としては地裁(裁判員に対して弁論せざるを得ない)段階では
 使わない(あるいは使えない)ような証拠を高裁以降を睨んで
 提出していく事になると思う』とのこと。

裁判員の事を考えて重大事件の弁論を無理矢理凝縮する。
結果、一審は準備期間が延びる事になるとしても、全体としては集中審議の影響から
期間が短縮される事になるだろう。
ただ、これが本当にこの国のためになるかは疑問で、いくらプロが3人つくからと言っても、
やはり無理矢理弁論を短縮した事による弁論不徹底により、
冤罪の可能性は高まるのではないかと考えうる。

だからこそ、それをカバーするべく現在同様の控訴審・上告審が存在するから
問題ないと言うが、それは上の検事総長発言からも見て取れるように要するに
一審軽視であって、だったら裁判員制度なんて導入して意味があるのか?という話になる。

そもそも、長年マジメに法律やってもわからないと言ってる人間が多数いるのに、
素人の裁判員をたかだか数日で本当に被告人を裁けるだけの状況まで導いていけるのか。
中にはいまだにハンムラビ法典なんて持ち出してシンプルイズベストだなんて、
こちらの世界からしたら到底口に出せないような事を平気で言えてしまう人もいる。
そういう人々を、冷静でまともな討議・結論へと導けるだけの下地があるのか。
どう考えたって、疑問を呈さざるを得ない。
検事総長の公演の時もこういう質問をしていた人がいたが、
それに対する総長のお答えはそうした発言を目にしたりしてみると、
現実が見えていないように思えるものであった。


で、最後。これが要するに一般社会でのメインの論点だろうが、
ポイント3。被害者感情と被告人の人権。

『どうして人殺しが心神喪失と認められたら不起訴あるいは無罪なのか、
 被害者はどうして殺され損なのか』という話ですが。
これは結論から言えば、どうしようもないと言えばどうしようもない。
有責性なき者に刑罰を科すとなると、避け得なかった行為についても
処罰する事になって、これは明らかに妥当性を欠く。
責任のない行為を処罰する事に拠る犯罪抑止効果はないし、
刑罰が非難という意義を有する以上、行為者が非難に値しなければならない。
確かに責任能力云々という話になると行為者は非難し得るように思えるが、
責任能力が問題にされた時だけ有責性は問わない、というのでは論理的整合性が崩れる。

法律をやる以上、形式論と実質論の両方に気を配らなければならないのであって、
それゆえ実質論だけなら素人にでも出来るなんていうのは大嘘。
実質的にそれが正しいように見えても、それが論理的整合性を欠いては
法律としては成り立たない。
後は立法論という事になるが、責任主義のような刑法理論における根幹を
ひっくり返すようなことはまずあり得ない。
それゆえ、結論は仕方ない。とならざるを得ない。


が、しかし。
ここからが真骨頂というか、これまで散々そういう場所では述べてきたことだが、
だからと言って現状のまま放置して良いと言うことではない。
被害者と被告人の保護のバランスがおかしな事になっているなら、是正すべきなのは
当然な話で。

確かに刑務所には入れられない、ないし入れられても刑が減刑されてしまう。
刑務所に入らなかったものの大半は措置入院という措置がとられ、
いわゆる精神病院に収容される。ところが、この点に問題があって、
日本においてそうした触法精神障害者を収容しうるだけの施設は極めて少なく、
普通の病院ではケアの面であまりに負担が大きいため、まず入れたがらない。
結局収容しうる人数には限界があり、そうした事も手伝って大抵の場合
2年で病院を出てきてしまう。
後は観察が行われる事はあっても、無論始終監視されている訳ではない。
そうなると、被害者やその遺族からすれば
『人を殺したり放火したりレイプしたりしていながら、ヤツは2年で社会に出てきた・・・』
という気持ちになるのも当然。
確かに精神医療側からは先程の『人権派』先生などを中心に
安易な措置入院実施をすべきでないとの声もあるが、
被害者感情とのバランスを考えた時、むしろより精緻に検査を行い、
最低限本当に完治するまでは出さない位の方針ならびに、
それを可能とするだけの施設面の拡充をすべきと考える。

また、触法精神障害者が無資力であるケースは多く、
それゆえ民事の損害賠償を請求しようにも無資力相手でどうにもならない、
ということが往々にして良くある。
これについては、国も支援制度を徐々に整えつつある訳だが、
やはり特に金銭面での給付などはまだまだ甘い。
それこそ余計なところに多々金出してる暇があったら、
国はこちらを整えるべきであろうと思うが、これは立法や制度確立を待たざるを得ない。


以上極めていい加減に本件に関連する論点に触れてみたが、
読み返すにあまりにも読みにくく、そしてわかりにくい。
筆者の能力の低さゆえであるが、どうにかご容赦願いたい。

それにしても、事件から17年以上が経過しようとしている。
当時まだ幼かった俺には事件の明確な記憶はない。
子供を狙う凶悪事件が近年増加しているとされるが、
本件はその中でもかなりセンセーショナルな部類に入るだろう。
今後同様の事件が起こらない事を祈りたい。

被害者と同年代の身として、改めて被害者のご冥福をお祈りしたい。
コメント

さて、模擬裁判決勝ですよ。

2005-10-13 13:44:09 | 法律
まぁ、敗戦濃厚だと思っております。相手強いし。
事案はアンコウ行灯事件です。サクッと検索すれば判決出て来ますよ。
とりあえず、何となくここまで勝ち上がって来たのがどうかしてたんでね。
気楽なもんですよ。

そういえば、G1戦線始まって、各陣営コメントが当たり障り無くなってますねぇ。
いつも以上に泣き入ってる陣営もあるし。
泣きのコメントの定番ですよね、『今回は相手が強いから…』って。

あれ?さっき俺同じこと言った?
いやいや、それは本音ですよ(笑)
こんなとこで泣いても、1対1じゃマーク外しも何もあったもんじゃないからね(笑)
残念ながら今回は目眩ましになるようなネタも仕込んでないしねぇ。
相手に粗相のない程度に形に出来ればと思います、はい。
コメント

なんつーか、世間に向けて謝ってみる。

2005-05-24 00:38:32 | 法律
いや、俺がなんかした訳じゃありませんよ。誤解しないで下さいね。
この前の金曜くらいから報道されて、今日のワイドショーとかでもやってた
『児童買春あっせん容疑、51歳元UFJ行員を逮捕』
ってニュースあったでしょ。
で、とあるワイドショーで某国立高校→有名私立大って報道があって。
まさかと思ったら、そのまさかでした。

ウチの高校のOBですた・・・orz

ここに本人に代わってお詫び申し上げておきます。
強姦で起訴されて露呈したみたいですからね、今回の買春斡旋。どうしようもない。
児童ポルノとか含めて刑法のこの辺の分野は結構やってる分野なので、
余計に気になると言うか。
世間からすると児童買春なんて、子供とエッチなことして何が良いの?って話ですが、
俺も含めて世間の大半からは理解出来なくても、
実際にそれを性的嗜好とする人間はいる訳です。
しかし、それは現実に法的に禁じられている。
どう摘発するかと言う実務的な問題には俺レベルではそうそう踏み込めない訳ですが、
少しは世間に何らかのアプローチをかけられそうな気もする訳で・・・。
後期のゼミはこの辺の話題でやってみますかね。

それにしても、50過ぎてそんな事して捕まるって、悲しいもんですね。
コメント

亜細亜大野球部集団痴漢軍団、不起訴。

2004-12-27 22:57:47 | 法律
東京地検は集団痴漢を容認する気のようです。証拠不十分で不起訴ですか。
現行犯で逮捕して、証拠不十分で不起訴って、いくらなんでもお粗末過ぎるだろ。
性犯罪犯す人間は再犯率高いんですよ。またやるよ、こいつら。
地検はやる気がないんだろうね、きっと。

きっといるんだと思うんだよね、集団痴漢とかヤッてる狂った奴、他にも。
そういう奴らに、おかしな自信を与えて終わってるよね。

性犯罪関係の厳罰化って、この前の刑法改正でもまだ甘いと思うんだよね。
モザイクどうこうなんてこだわっていなくて良いから、
実際に実害出てるとこにこだわれよ。

疑わしきは被告人の利益に。罪刑法定主義の根幹。
だけどねぇ、こんなの起訴にも持ち込めないって、どうかしてるよ。
裁判負けるの嫌ですか、そうですか。
負けたらお金もたくさん持っていかれて大変ですもんねぇ。
検察もいい加減そんなこと言ってる場合じゃないと思うぞ。
こんなことやってるから、エリートには庶民の気持ちはわからないとか言われたり、
法律やってる人間は小難しくて怖いだけで関わってもろくな事ないとか、
そういうネガティヴな取られ方されるんだよ。

法律はもっと身近で、弁護士も今より身近な存在になった方が良いと思うけどね。
アメリカみたいな訴訟さえすれば何でも良しみたいな、
馬鹿丸出しな国になって欲しいとは全く持って思わないけれど。
コメント

一応HIDE対ブブカについて触れておく。

2004-12-23 02:01:57 | 法律
まぁ、ゼミで教授にこの話振ったりしたこともあるので、一応。
判決としてはこれまでの判例通りというか。妥当な線。
訴える側としては控えめな損害賠償金求めるとインパクトも薄れるし、
良くあるパターンです。

とりあえず、裁判所の基本的な姿勢は、有名人だからと言って、
ある一定以上の私生活を暴露する事に社会的相当性はない、
すなわち、人から仕入れたキスだのセックスだののゴシップ写真を暴露して、
それで食っていく事は許しませんよ、と言うことになります。
当然と言えば当然。

また双方上訴して最高裁まで行ったりするのかわかりませんが、
万一そうなると重判とかに載るのかなぁ。
ブブカなんて、そもそもイチイチ真に受けてたら疲れるしね。
訴えたら自分だって言ってるようなもんだから、
シラを切るために泣き寝入りするアイドルと違い、訴えた所が大きいですけどね。
コメント

狂った奴が、多すぎる。

2004-12-16 19:53:10 | 法律
女性に対する不平等な扱いを殊更問題として取り上げ、
様々な場所でアピールする人権団体はあるのだけれども。
なぜかポルノの世界相手には、その勢いは鳴りを潜める。

本来なら、性を売り物にしているそうした産業にこそ反発すべきな気もするのだが。
そんな中、今日の日刊スポーツの速報から。

AV女優に薬物吸わせ強制わいせつ

アダルトビデオに出演する女優に薬物を吸わせて無理やりわいせつな行為をし、
重傷を負わせたとして、警視庁池袋署は16日までに、強制わいせつ致傷の疑いで、
ビデオ制作会社「バッキービジュアルプランニング」役員の栗山竜容疑者(40)と
監督やスタッフら男女7人を逮捕した。
スタッフ1人を除き、いずれも容疑を否認している。
調べでは、栗山容疑者らは6月下旬、東京都豊島区の飲食店で、
20代の女優に成分不明の白い粉末を吸わせ、意識が薄れたところを
同区西池袋のマンションに連れ込んで無理やりわいせつな行為をし、
内臓損傷などで4カ月のけがをさせた疑い。
白い粉末についてスタッフの1人は「合法ドラッグだった」と供述しているという。


元々そういう世界が黒い世界と繋がっていると言う話はもはや暗黙の了解で、
当然全てではなくとも、そういう関連を持っている会社はどうも多いらしい。
警察も政治家も動かないのは、それが理由なのだろうか。

まず、根本的な誤解が存在する。世で『合法ドラッグ』として売られている物は、
何も国から合法と認められた訳ではなく、単に現時点で非合法ではないだけの話。
身体に害を及ぼさないなど、誰も保証してはくれない。
つまりは、『非違法ドラッグ』とでも言うのが適当だという事。
ごく当たり前のことであるが、こんな当然のこともわからない奴が結構いるらしい。

そして、ここが最大の問題。
いわゆるAVはその大半が多くの法の抜け穴を縫って構成されている。
例えば、どうして出演料をもらって人前でSEXしているのに、
売春防止法の適用がないのか。
理由はいくつか考えられ、あくまで建前上は『演技』である事や、
またいわゆる『本番』行為は建前上は存在しない事になっている事、
金銭の支払いはあくまで会社から行われる為、
行為の直接の相手方からの支払いは受けていない事、などだろうか。
勉強不足ゆえ、間違いがあれば指摘していただきたいのだが、とりあえず続ける。

今回逮捕された容疑者達が日々制作していたのが、いわゆる鬼畜モノと呼ばれる物。
通常の神経をしていれば見るに耐えないものばかりらしい。
正直、こういう事を書く以上はチラッとでも見るべきなのだが、
あまりにも酷いらしいので、それをパスして伝聞形で書かせていただきたい。

今回の事件で明るみに出たのは。要するに彼らの制作していたAVの現場では
建前上ヤラセであったが、現実にはそれを遥かに超越している、
現実問題としてほとんど合意のない強姦、輪姦等が繰り返されていたという事だろう。

表現の自由云々と言うが、性教育の不備が叫ばれ、若年層に限らず、
あらゆる世代の性犯罪が多数露見し、各大学にヤリサーがあって当たり前だと
思ってしまうような社会状況にあって、いまだ表現の自由>>性犯罪なのだろうか。

日本のポルノ規制の奇怪さは先日も触れた。
なぜかモザイクをかけなければならないが、
実際行われれば刑法犯罪として処罰されるはずの痴漢やレイプは、
建前上『演技』であるがゆえに、まかり通っている。
痴漢モノのAVを撮影する際、一般の乗客が乗っている公共輸送機関で
撮影を行っている事が明らかなら、公然わいせつで立件出来るはずだろう。
なぜだか警察はそう言ったことには手を出そうとはしない。

少なくとも、現実に行えば法に触れるような内容のポルノは、
禁止の対象とすべきではないのか。簡単に誰でもそんなものが見られるから、
それを真似て現実にやってしまうイカれた人間が出てくるのを抑制出来ない。

もはや個人の理性に委ねるなどと言っている場合ではない。
何もポルノ全体を否定する訳ではない。
少なくとも、必要悪として認めるべき部分はあろう。
だが、たかだか1万2万の金を盗むために人を殺すような強盗殺人が増え、
警察がわざわざ『振り込め詐欺』なんて名称までつけた詐欺が流行り、
人を殺しても陳述で『なぜ殺したのかわからない』とか言っちゃうような
殺人犯が存在するご時世。

少なくとも、判断能力に欠ける子供がポルノに触れる機会を規制する必要性、
正しい性に対する知識を大人から学ぶべき必要性は高く、
また、あまりにも愚かなる者が増えたこの時勢を考えれば、
それがたとえ内容の事前審査(現行憲法上許されない)に当たるとしても、
内容如何によって、何らかの規制をかける必要があるのではなかろうか。

AV女優になろうとする者は様々な理由を抱えていると言う。
男に貢いでいるとか、借金作ったとか、自己責任とも言うべき例も多いが、
一方で、自殺未遂を繰り返すなどの精神状態不安定な者や、
幼き頃性的虐待を受けた事が原因で巡り巡ってそうした道に行き着くものもいるそうだ。

『人権団体』などと偉そうに言うなら、そうした人間の救済も考えてみたらどうだ。
『そんな仕事』をしている人に人権云々は・・・と一括りで考えることなかれ。
人身売買と同視出来るような行為が平然と行われている国が、
『先進国』でもなかろう。
コメント (4)

また国士舘大生逮捕。

2004-12-10 00:10:34 | 法律
亜大野球部の集団痴漢、日体大スキー部の強姦未遂に続き、
今度は乱交パーティーだそうです。
合意はあったみたいですが、相手が15歳なのを知っててやったみたいですね。
まぁ、わいせつ関連の法的処罰ってのは微妙なんですけどね。

強姦とか痴漢って言うのは明らかに犯罪なので、
処罰の対象にして問題ない訳ですが、
無修正の画像や動画をネットで流したとか、今回みたいな18歳未満との
セックスとかは、議論になる訳ですよ。

俺なんかは、そんなに厳しく処罰する必要ないと思っているんですけどね。
特に画像とか動画なんて、海外のサイトに行っちゃえば見れちゃう訳で、
国内だけ規制かけても仕方ないのが現状ですからね。
青少年の保護とか言うんだったら、もっと別の施策を取るべきだと思う訳です。

18歳未満とのセックスだって、
何を基準に処罰対象とするかって言うのは大きな問題で。
恋愛してる相手となら良くて、そうじゃないならダメ。
じゃあ、浮気相手とのは処罰対象ですか?
3股以上がダメなんですか?ほらね、区切りが作れないでしょう。

そんなことより、もうちょっと教育にお金かけたらどうなんですかね。
別に性教育だけじゃなくて。そんなことを、ふと思った次第です。
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他人の作品を「すてきだな」と思って盗作に及んだ安倍なつみ。

2004-12-01 00:33:58 | 法律
何となくセンセーショナルなタイトルにしてしまいましたが、
日刊スポーツの見出し(?)をそのまま引っ張ってきただけで、
他意はありません。正直、なっちにはあんまり興味はないのでね。

で、まぁ端的に言うと著作権法違反ということになるんでしょうか。
明日知的財産権法の試験を控えた身には、何とも絶妙なタイミングと言うか。
悪意はないんでしょうから、直接的に損害賠償請求でもない限りは、
何か対外的に大きな問題に発展するという事はないでしょうが、
問題なのは当然一般刊行物でやってる訳ですから、
当該書籍は販売中止とかになる訳ですよね。実際そういう流れみたいです。

これ、本来なら事務所に出版社から損害賠償請求来ますよ。
来ないとしたら、何らかの裏取引がないとも限らない。
まぁ既に公刊からある程度日が経っているので、
今さらそんなに販売数の上積みもないでしょうから、
損害賠償請求なんてやるよりは、何か仕事で出版社を優先するとか、
そういう取引の方が現実的でしょうね。

それにしても、Yahoo!もトップに持ってきてるし、
スポーツ紙各紙も明日の紙面に持ってくるとは思うんですが、
扱いとしてはどの程度なんでしょうね、気になります。
仮にも不法行為なんですよね。いわゆる刑法犯罪ではないんですけど。
悪意がないから甘やかして良いかって言うと、そういう事でもないですよ。
まぁ過失犯処罰は基本的に甘いのが日本の法体系ではありますが。

仮にこの一件を擁護するような人間がいるとすれば、どうかしてますよ。
同情の余地はあるけれども、無知だったから許されるという訳ではないのです。
そういう意味で、Natural Blue Skyの管理人さんのご意見は、
ファンサイトとして至極真っ当に感じました。
別にこの一件で推しが推しをやめる必要とかはないと思います。
ただ、無知と言うのは怖いものです。最近それを痛切に感じます。

少しでも新しいことを勉強しようという姿勢は常に必要です。
特にこれだけ人を騙そうとする人間が増えている以上、
法律に対する無知は一歩間違うと致命的な事態を招きかねません。

別に俺が助けられる程度の事は時間の許す範囲で助けますが、
それには能力的にも限りがあるので。
各自でなるべく気をつける、当たり前ですが、難しい事です。

※2時45分追加。
盗作とされたものの内容を確認しました。
安倍なつみという人物の性格等を一切無視して、
仮に一般の人間がこれを行っていたとしたら、
率直に言うと、これで悪意がなかったとは到底言えない内容に見えました。
酷似しているにも程がある。これでは無知を理由に言い逃れは出来ませんね。
かわいそうな部分もあるのかも知れませんが、
今後の創作活動は仮に事務所が許しても世間的に許容されないでしょう。

どうやらこの関係で、明日以降のハロー関係の
マスコミ露出に影響が出ているようです。
よりによって、オールスターズなんて事をやってるのが、手痛いですね。
まぁ、個人的には責任は本人と事務所が取るべきものと思うし、
他のタレントまで被害を被るのは、ハロプロの現状からしても痛恨でしょうね。
一般人にとっては、なっちはハロプロの象徴的存在でしょうし、
弱り目に祟り目といった感じでしょうか。

ある人も先日会った時に言っていましたが、Berryz工房というグループは、
娘。というか、ハロプロの先達あってこそ成立している感が強く。
まぁ、そもそも最早ヲタ以外には見放されているのかも知れませんが、
これ以上『本隊(?)』が失速すれば、唯一上がり目のありそうなBerryz工房も、
このまま順調とは行かなくなるでしょう。

イエキャブも新株発行云々で揉めて野田社長が辞められたし、
何だか芸能界ゴタゴタしてますね。
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