その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

プラハ 2日目

2009-12-21 01:50:05 | 旅行 イギリス外
今、プラハ空港のパブでビールとソーセージを食べつつ、PCに向かっている。今日のこの記憶を早く留めておきたいので、わざわざT-Mobileのホットスポット1時間約700円を払ってこれを書いている。

今日、特に午前中の2時間は感動的だった。今朝のプラハは快晴。ただ気温は朝からマイナス11度。天気予報によると予想最高気温はマイナス10度だから、殆ど気温は変わらないようだ。ホテルの朝のバイキングを済ませ(これもなかなか種類豊富でよった)、チェックアウトの11時までの2時間、身軽に街を散策しようと思いホテルを出た。陽が指してはいるが、相変わらず痛い寒さだ。

まずはヴルタタヴァ(モルダウ)川沿いにある国民劇場へ向かう。今回は縁がなかったが、プラハ市民が誇りとする劇場だ。その威容に圧倒される。入り口から中を覗くものの、中には入れない。もう一度必ず来ようと決意し、後にした。

そして、その国民劇場を後にし、ヴルタタヴァ川土手に差し掛かったとき、その光景のあまりの美しさに、息を呑んだ。昨日降った雪が土手一面、そして川向こうに見える家々や建物の屋根を白く浮き立たせている。そして、さらにその奥には、昨日上ったプラハ城が。プラハ場内のシンボルともいえる大聖堂が朝日を正面から受けて、浮かび上がっている。聖堂の尖塔の頂点近くにある金色の球体(何というのだろうか?)が朝日を反射させ、燦然と輝いている。大聖堂を囲む、薄桃色、薄黄色の建物郡が、朝のあけぼの色の空と混然一色となって、大聖堂の輝きを支えている。立ちすくむしかない光景だ。自分に絵の心得があったらどうこの風景を描くのだろう、自分に詩の心得があったらどう詠むのだろう、自分に音楽の心得があったらどう音に置き換えるのだろう。そのどれも無い私には、我を忘れて、ただカメラのシャッターを押すことしか残った選択肢は無かった。一体、何度、シャッターを切っただろうか?

我に返り、川沿いにプラハ城を見ながら更に歩いた。次は、城とカレル橋が同じ視界に入ってくる。このコンビネーションがまた素晴らしい。こんな美しい風景を目にすることが出来ることだけで、大げさだが、この世に生を受けて良かったと心から思う。できることなら、ここにずーっとたたずんでいたいと思う。風景がこれほどまでに人の気持ちを清らかにし、厳粛にし、それでいて開放させるというのはどういうことなのだろうか?

(飛行機の時間になったのでここで終了します)

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