うしのそのまま

先月の末のことなのですが、
取引先企業の新入社員研修のため、２０名ほどの方が牧場にみえました。
いつもは片手に少し余るくらいしか人影のない牧場に、バスに乗ってたくさんの人が訪問されたものだから、牛たちもびっくりした様子でした。
いえ、書きながら現実とズレている気もします。
普段と違う雰囲気にふれてよそよそしい態度の牛が、目立って私の気にとまったのでしょう。牛群全体がそのような反応を示していると錯覚したように感じられてきます。実際には、人見知りする牛もいたし、どこ吹く風の牛もいたはずです。
当たり前のことなのですが、見えているものしか見えないと思いました。牛たちが垣間見せてくれることは世界の一端にすぎませんが、触れれば触れるほど豊かです。
願わくば、限りなくそのままを感じられるようになりたいです。