
絵画が出てきた。父の遺品だ。
一式陸上攻撃機(一式陸攻)を後方から描いている。
父は学徒兵として海軍航空隊に入隊し、この一式陸攻に搭乗していた。
多くの学友、戦友が戦死する中、辛うじて生存して終戦を迎えた。
戦後、自分は生き残ってしまったという贖罪の気持ちを背負って仕事一筋
の人生だった。
額縁の裏を開けてみた。
そうか・・・知人が絵描いたものだ。平成19年(2007年)に贈呈されている。
画題は「出撃間近」となっている。
この画の下地となった画像があるのではないか・・・と思い立ち、ググってみた。
割と簡単に見つかった。

「攻撃708飛行隊の一式陸攻」
昭和20年4月12日、第三次桜花隊攻撃に向かう「721-K05」
垂直尾翼の機番が画と同じだ。
ちょっと見えにくいけど、胴体の下に人間ロケット爆弾「桜花」を搭載している。
当日出撃した全機は未帰還となっている。
父も自分の戦争体験はほとんど話すことはなかったけど、時々ポロリ、ポロリ
と語ることがあった。
もしこの戦争に生き残り終戦を迎えることが出来たらお前は
どこの国に行ってみたいかと仲の良い戦友に質してみた。
彼は「俺はソ連に行きたい。ベレー帽を被り小脇に哲学書を抱えてモスクワの
赤の広場を闊歩したいんだ」と語ったそうだ。
彼は終戦の18日前、夜間偵察に出撃し、米軍の夜間戦闘機に捕捉され
約20分の交戦ののち、撃墜され戦死した。
今年は昭和100年、敗戦から80年。節目の年なんだろう。
とにかく、100年前に戻ってはいけない。310万人も死んだのだから




